第9話
今日はデルマント王国のブルー・デルマント私の婚約者との月に一回の会食だった。
この会食には色々な意味合いはあるが正直あの男と会食などしたくもない。
だけど私は何もできないただの女。
皇女でありながらも何も能がないただの世継ぎのための婚約と王国と帝国の関係を続けるための駒にしか過ぎない。
それが嫌で私は竜の力を求めた。
遥か昔から帝国の地域だけではないが今ある森や山はあとから作られそれを作ったのは古竜と呼ばれる最上級の竜だ。
現存する竜の中でも様々な能力を持っており、その力は自然を操ることさえ出来ると言われている。
実際に調査が行われると明らかに帝国の付近で過去1000年以内に大地竜と呼ばれる古竜が見つかったらしく当時はとんでもない騒ぎだったらしい。
だが大地竜は人間に関与せずただ大地を作り木々を生やすことで生き物に対して過ごしやすい環境を創ってきた。
人を襲うこともなければ魔物に対しても襲うとこともなかった。
身体は全身を緑の鱗で覆われ背中には一本の大きな気が生えていたらしい。
当時それを見たどこかの国がそこに実る果実が不老不死の実だと言って大地竜に対して攻撃をするとその地域にあった国をたった数日で跡形もなく消したと書かれていた。
そしてその後はそれがきっかけになり、国同士でこれ以上関与しないことを決定した。
だけどそれは昔の話で現在では存在すらほとんど忘れさられたが一部の地域では民話として語り継がれているとか。
そしてその中では大地竜が一度だけ卵を産んだところがあると言う話があり、私はその話を聞きながらついに見つけ竜の力を手にすることができた。
だからこの男がそれを知れば私もそうだけどルルにも未来はない。
ルルは私だけのものだからあなたにも渡さない。
「よーネアンテ元気だったか」
「...」
「だんまりかよ。未来の旦那様って言うのにつれねえな!」
ブルーはその場にあった料理を置かれた机を蹴ると料理が飛んでいく。
それをメイドや執事たちが颯爽と片付けようと近づく。
するとブルーは急に立ち上がりいつものように机を蹴り上げ今度は机を破壊した。
メイドや執事には悪いと思うかもしれないけどこの男だったら私が庇った瞬間に皆に危害を与えるかもしれない。
それだけは許されない。だから私はこの何年間もこんな調子でこの男からの多岐に渡る嫌がらせを受けてきたのだ。
「おい!ネアンテてめえが拾え」
「...わかりました」
ブルーは私に指図すると他のメイドや執事が何か言いたそうにしたがそれを少し後ろを向いて制する。
この男は面倒だ。行動はまるで野盗の首領のような男だが頭がキレる。
メイドたちや執事の失言で首どころでは済まなくなってしまうかもしれない。
「ごめんなさい。皆一回出てもらえる?」
「御意に」
私は皆を下がらせるとそこに残ったのは私直属の暗殺者1人と私とブルーだけだった。
暗殺者は一応護衛という形で置いているけれどこの男は剣だけでなく魔法すら使うことの出来る。
壊れた机を壁に寄せるために魔法を使おうとするとこの男が私の腕を掴んで離さない。
そのまま強引に壁に叩きつけられそうになると私の身体が急に何かに包まれる。
「なんだこれは!!」
私が目を開くとその瞬間に広がっていたのは私の周り以外に存在しているツタだった。
ツタが部屋中に伸びるとブルーの身体を段々とツタが拘束していく。
ブルーは部屋の中で魔法を使うが全く聞いている様子はない。
それどころか火魔法ですら燃えずそのままひたすらにブルーの身体を覆うようになっていく。
「ルル!もういいわ!」
「離せクソ雌オンナ!!」
ブルーが暴れ回ろうとするが全くツタの勢いがやむことがない。
部屋獣にツタが伸びきるとそこから花が咲きそのまま何か出てくる。
花だったものが急に人型になっていくとそのままブルーの方向に指みたいなものを向ける。
「汚らわしい人間風情が大地竜様の契約者を害そうなど言語道断。始末する」
「待って!!」
「なぜだ。この男はあなた様を」
「殺すともっと大変なことになってしまう。だから簡単にトラウマを植え付けるぐらいで」
「わかった。しかし貴様が選ばれたのは癪だがな」
ツタが伸びるが終わると先ほどの精霊なのか魔物かわからない生き物はそのままブルーの方に向かう。
「なんだこの魔物!!助けろ雌!!」
「...さようなら。かわいそうな人」
「な?!」
私はそこからはただ見ているだけだった。
この緑の生き物がブルーに近づくとそのまま額に手を当てる。
するとそこから黒いも靄のようなものが出てくるとそのままそれがブルーの頭の中に入っていく。
「植物魔法・悪夢霧」
それからは急に痙攣を始めたり急にビクッとなりながら様々な精神攻撃を受け手いるのがわかった。
「あわわ。あわわ。あわわ」
精神攻撃が始まって数分が経つとそのままブルーはまるで廃人のようにコクコクとしか反応を示さなくなっていった。
「人間、無用意にその力を行使するな。国を滅ぼしたくないのならな」
「...あなたは一体」
「私は森の精霊ドリアード今は亡き大地竜ガイア様の眷属だ」
「大地竜ってまさかルルのこと?」
「さあ、だがあの御方を害するようなことがあればたとえお前であっても容赦しないと覚えておけ」
「わかりました」
それだけ言うと今度はまた花に戻るとツタと共に森の方角に去って行った。
部屋にあったツタはまるで最初から何もなかったように片付くとそこには口から泡を吹いたブルーが倒れていた。
脈をはかるがどうやらしっかりと生きている様子だった。
とにかくこの者だけどうにかして色々と整理をしないと。
「ネアンテ様見えますか!!」
「なにそんなに慌てて」
「ルル様がいません!!」
「なにを言って」
ルルが部屋から出るなんてありえる訳ないじゃないあれだけの干し肉を置いておいたのよあの子がそれを食べずに出て行ったなんて。
「それでルルは!」
「森の方に飛んで行く竜を見たと証言が」
「わかったわ。森に行くから馬を手配して」
私はメイドや執事に命令を貸すとそのまま服をすぐに着替えるとそのまま用意された馬に乗り森に向かって走っていく。
「待ってなさいルル。絶対見つけてみせるわ」
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