隠密行動

「はえーー口コミで見て分かってはいたけど、建物のでかさがここらへんの建物と比べて一回り大きいや」


 確かに他の建物と違って装飾も豪華だな。

 なんでだ?


「まぁとりあえず中にはいってみますか?」


「そうだな、中に入ったら謎も解けんだろ」


 扉に手をかけゆっくりと手前に引く。


「うぉっ外も豪華なら、中はより一層豪華なのかよ!!どんだけ金かかってるんだ?」


「まぁ間違いなくうちの寮よりかは金かかってるよね……」


 カジノってだけであってシャンデリラは天井に数個付いてるし、色々ピカピカしてるな。

 目がチカチカする……

 それに扉が目の前に3つもあって、どこから行こうか迷うな。


「とりあえずどうします?賭け事をするにも、僕達チップも何も持ってないですよ?」


「じゃあポイントを換金しないとね!!」


「どうやって換金するんだ?やり方なんてどこかにあったか?」


「口コミによると、壁際の方になんか機会があるらしいからそれで換金するらしいね」


「壁際って言ったらもしかしてあのATMみたいな機械か?」


 なんというかここだけカジノっていうより、銀行みたいな感じだな……


「あ、それっぽいね、じゃあ早速換金してするぞーー!!ちなみに1ポイント1000円らしいから気をつけてね。じゃあまた後で」


 そう言って五色は扉を開けてまた別の部屋へと言ってしまった。


「おいまた後でって……行っちまった」


「まぁいいんじゃないですか?また後で合流すればいいんですし」


「それもそうだな」


 全くはしゃぎ方がおもちゃをやってもらった子供なんだよな。


「それで僕達はどうしますか、別々に行動します?」


「俺は別にどっちでもいいけどこの広さを考えると、別々に動いて何があるか見たほうがいい気がするな」


 俺も一人で見て回りたいしな。

 もともとそれが目的でここにきたわけで、別にポイントを使う気なんてサラサラないからな。


「それもそうですね、じゃあまた後で」


「おう」


 そう言って緋呂斗と俺は別々の扉に入った。


 さーて、とりあえずカジノを見て回るか無駄にポイントを減らす必要もないしな。

 この部屋だけでも色々あるな……適当に近いところから行くか。


「それにしても一年生一人もいねーな、まぁそりゃあそうか安全にポイント稼ぐならこんなとこ来る必要なんてないし、それにまだ殆どの一年生がポイントを稼ぐってことに気づいてないだろうからな」


 にしたって一年生が少ない気もするが……

 まぁ俺の目的はカジノの中を調べることだし、とりあえずゲームでも見て回るか。

 見た感じこの部屋は、ルーレットが主な賭け事みたいだな。

 他にわかるといえば、まぁなんか全体的に胡散臭い気がする。こういう場所だからしょうがないのかもしれないけど。

 それにここにいる生徒は金持ちそうなのばっか、ジャラジャラいろんなもん身につけてるな。いかにも金持ちって感じだ。

 居心地わりいな……


「おい!!ふざけんな!!今のはおかしいだろうが!!球の軌道が変だったぞ!!」


 うぉっなんだなんだ?急にでかい声出しやがって、驚かせんなよ。

 喧嘩か?


「今の軌道は完全に黒に2番に入る軌道だった、それが急に隣の場所に入りやがったんだ!!イカサマしやがったな!!」


「まぁまぁ落ち着いてください、お客様。私はルーレットの台にすら触れてはいませんでした、イカサマなどこれっぽちもしていません。どうか一旦落ち着いてください」


 うわーーなんだ、クレーマーかよ。恥ずかしいな。


「ふざけんな、テメェ!!舐めやがって!!」


 男が大きく手を振り上げる。


 うぉっ!!やばあのディーラーあぶな――


「お客様、店内での暴力行為はおやめください」


 急にディーラーの気配が冷たくなる。

 その刹那、クレーマの男に拳が飛んだ。


 ”ドゴッ”


「ガハッ!!クソが……」


 男は、全身の力が抜けるようにその場に倒れ込んだ。


 ”ドサッ”


「連れて行け」


 その声とともに、黒服の男が複数人入ってきた。

 クレーマーの男は、担架にのせられて部屋の外へと連れてかれた。


「やっば、エグいもん見ちまったよ。ていうかあのクレーマーの男どこに運ばれたんだ?」


 あっちの扉は出口にはつながってないはずだろうに……裏口でもあんのか?

 それとも……あっちになんかあんのか?

 ちょっと怪しいな、ついていってみるか。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 まだつかねーのか?だいぶ歩いたぞ俺……

 一定の距離を保ちながら進むのに割と疲れてきた……


「はーー全く副部長は部員の扱いが酷いぜ、今日でこれ何回目だよ。まぁあの仏頂面で色々言われたらムカつくのもわかるけどさ、もっと副部長は愛想よくすればいいと思うんだよな。そしたら俺達への扱いもだいぶマシになると思うのにな」


「ほんとそれな。俺等にとばっちりくんのマジでおかしいと思うわ」


 副部長?部員?何の話だ、ここってもしかしてただのカジノ施設じゃないのか?

 てっきり学生の中からバイトみたいな感じで集めて経営してると思っていたけど、そこからまず違ったのか?

 まぁ何にせよ、ついていけば何かしらわかるだろう。


「あ、ついたついた。これどうやってあけてたんだっけ?久しぶりすぎて忘れたわ」


 ん?何だ?黒い扉の前で止まったぞ?見た感じ普通のドアだけど……

 いやVIPルームって書いてあるけど、どういうことだ?なんでいちゃもんつけてた客がVIPルームに連行されてんだ?


「ばか!!カードキーで開けるんだよ、どけ」


 男はポケットから黒いカードを取り出した。

 それをドアの横にある機械にかざすと、扉がひとりでに開いた。


「ほら早く入るぞ」


 男達は、開いた扉の中に担架ごと入っていった。


「行ったか?ふぅーーあぶねぇなんとかバレずにここまで入り込めた。本当はこのままついていきたかったけど、なんかカードキーとかがいるらしいからなここらへんで引き返しておくか」


 まぁ色々情報はあるし無駄足ってことはねぇだろ、この後は一旦二人と合流して話し合ってどうするか決めるか。


「さーてあの二人どこにいんのかな?」

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