桜桃の味への応援コメント
全体を通して美しく繊細な言葉選び、細やかな心理描写、陰のある物語展開が読者の心を引き込み、圧倒的な語彙力によって描き切っていました。魅力的な登場人物も読者を感情移入させるのには十分で、人物の背景には優しさが漂っているように感じました。Yさんが亡くなってしまったことは残念ですが、主人公にとってその出来事が人生の大きな転換点になっていたことは間違いないと思います。死を間近に感じた者だけが会得する感情・人生観が描かれていて、主人公の心の成長が希望を持って書かれており、最終話に相応しい内容だったと思います。いつかYさん側から見た同じ話も読んでみたいなと思いました。
夕暮れへの応援コメント
一般的に家庭がある主婦は、自ら命を断つ選択をしにくいと言われています。家族がいる事でそれが抑止力となり、思い留まることができるからです。主人公には夫がいますが、今までの関係性から言って防波堤の効果はなく、ただ自分の苦しい想いを募らせてしまう結果になったのでしょう。他に思い留まらせてくれる大切な心の支えもなく、Yさんという自分を肯定してくれる人物と出会ってしまい、さらに想いを実行に移すことに躊躇がなくなってしまったのかもしれません。主人公の生きることへ執着をなくしてしまった苦しい気持ちと、Yさんの苦しい過去への想いが悲しくも繋がってしまった様子が、説得力を持って描かれていたと思います。因みに、私の母はよく「人は病気で死ぬんじゃない、寿命で死ぬんだよ」と言っていました。また、「人生に起こることは、予め決まっている」と高齢の方から最近聞きました。もしかしたら、自分で決めたと思っていることさえも、初めから決まっていたことなのかも?と思いました。
助走への応援コメント
Yさんにとって自分自身の過去を語ることは、辛いことだったに違いありません。心の中にある井戸の蓋を取り、暗くて深い井戸の中をどこまでも潜っていかねばならなかったからです。自分の心の中を辿って行く途中で怪我をしたり、先も見えない暗い底に落ちてしまう可能性もありました。にもかかわらず、主人公の前で全てを話すことになったのはなぜでしょうか?それは、全てを話すことが、自分自身を癒していく過程で必要なことだったからかもしれません。人は心に負った傷を癒そうとする中で、たくさんのことを学び、気付き、今まで見えなかったものが見えるようになることがあります。Yさんは、無意識に井戸の蓋を開けて、自分の過去と思いを全て曝け出し、主人公に聞かせたことで、過去に負った傷を癒そうとしたのでしょう。その想いを受け止めた主人公は、咄嗟に車に乗り込み海へと向かう途中しりとりを始めます。このしりとりにも、昂ったYさんの心を静める作用があったように感じます。Yさんの心を癒し、過去が自分の糧になっていると感じられるまで昇華させてくれるのは、主人公なのかもしれません。
桜桃の味への応援コメント
お疲れ様でした。tiktokで流行るようなキャピい作曲をしたいと思います。終始文章と言葉の美しさに感嘆いたしました。あなたの穏やかな生活を描写する能力は非常に秀でていると思います。特に最終話は今までストーリーの累積もあって肌に伝わるような生活の暖かさを感じ、読者もまた主人公と同じような意識変化の下で日常の景色を眺めることができるような素敵な描写でした。