【完結】イピトAIは仮想空間をイネーブルする~未確認AIに高校生活を乗っ取られたら、もふもふワンコが助けに来てくれました。なぜか美少女アサシンに好かれてます~
Episode38 ファイナル版もプロトタイプのノアに及ばない事もある
Chapter8 本質の意味は? 隠された少女はプリンセス?
Episode38 ファイナル版もプロトタイプのノアに及ばない事もある
ふと奥を見ると、内部の機械が露出している分解中のコックピットがあった。下からスラックスを履いた足だけが見えている。
呆然と眺めていると、林教授がローラシートを転がして仰向けのまま整備士のように下から這い出してきた。
「祐輔のシステムのハードウェアは、全部僕が造るって言っていたのに。こんな面白いものを他の奴に造らせるなんて……」
ぶつくさと文句を言っていたが、
「
林教授は、
「おじさん、どうしたの?」
「
「バカかよ。どんだけ心配したと思っているんだよ」
林教授は「こんなに信用無いと思わなかったよ」と頬を緩ませていた。
アグリがコックピットより降りてくる。
よくよく見ると整った顔立ちに、
「何かわかったことはありますか?」
林教授は切り替えるように息を吐き、顎に手を当てる。
「うん、専門家としての意見を言わせてもらうよ」
林教授はまるで講義をするように少し俯き、歩きながら話を始める。
「正体不明の男。
シアンは、開発者の子供である
だが、どこから漏れているのかが掴めなかった。そのため仕方なく
「僕は
まだ確認中だが、数日前に
それを踏まえて林教授は
林教授は2年以上に渡りシアンと共同で、
その工程の中で、既存の
手元にある
事故を起こした原因となるチップが搭載されていたのは、事故を起こしたその一台だけだったからだ。
「違う側面からもう一度考えてみよう」
林教授は立ち止まり、
シアンはイピトAI周りの情報が漏れていることに最初に気付いた。
漏れないはずのUbfOSの次期所有者の情報がコピーされ抜き取られている痕跡は発見したからだ。
蒼井夫妻を監禁していた組織のセキュリティは頑健だった。イピトAIを含むUbfOSの開発チームの管理は特に徹底している。
インターネットからの情報のインプットは可能だったが、アウトプットに関しては厳重に管理されていて、外部の人間との接触は不可能と言っていいだろう。
また、最初にアグリに接触したブラウは、
ブラウは
つまり、その外部への接触が可能となる欠陥は、意図的につくられたものと考えるとすべての辻褄が合う。
結論からすると、恐らく
複数ある
使用履歴なので、UbfOSについては詳しく知ることができない。
ウイルスのように潜むICチップを利用して、積極的にデータを抜くことを試みた結果が、今回の事故に繋がったと結論づける事ができる。
林教授は
「僕は
「お父さん? かもしれない人には『misora』で逢ったよ」
「そうだね。祐輔だけでは無く、お母さんの
予感はしていた。
枯れたオアシスの国のイシュタルに実態が感じられなかったのだ。明るくて綺麗なイシュタルはもう居ないと漠然と感じていた。
「おじさん、僕はもう覚悟できているよ。話して」
試作第二号機である、問題の
なぜなら
その日、
悪夢のような出来事は、
突如
情報の逆流が起こり、ブラウの持つデータを探し始める。探しても
仕組みはノアが地下墓地で繋がれたときと同じだ。
だが、一つだけ違っている。
生きている人間の脳を経由していた。
人間の脳がそんな情報の逆流に耐えられるはずは無い。
ブラウを形成している情報を抜き出される前に、
結果、情報の流出は止まったが、
具体的に言うと、ブラウの情報が
事実を聞き
肩に優しく手が置かれた。
「気休めにしかならないかもしれないが、祐輔と僕を中心に医療チームが結成された。僕と祐輔が絶対にお母さんを助ける」
林教授はそれに頷き返し、白衣のポケットからヘッドセットを取り出し、
「これは、僕が作った最新型の
前のものよりはるかに小型になり、デザインも洗練されていた。装着するとノアが目の前に現れる。
「さすが林教授。比べ物にならないくらい
「ノア!」
「ああ、そうだ。機能追加しておいたから後で共有しておいてね。ノア」
「教授、ラジャー!
「うん」
「シアンとオレではプラン実行の実績が違う。AIは経験がものを言う。シアンには負けない」
アグリが慌てて
「
「これは、僕では無いと解決できないことです。ノア、ヒューマノイドは無力化した?」
「もちろん」
普段の
「
「この広い東京のどこに行けば、妹に逢えるのだろうか」
ブロウが接触してきたときは、半信半疑だった。
映像を見せられて確信した。
彼女はベルトラン家特有の髪と瞳の色をしている。おまけに母親によく似ていた。
「アグリのおっさん、まずはイネーブルしてみろよ」
とっくに
「おっさん? 私はまだ
「そんな若くてICSPOの刑事になれるの?」
「家族を奪った犯人を見つけ出したくて、努力して飛び級したからな」
アグリは
---続く---
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