第二部 —透明な歌声にそよぐ百合の花—

序章

白き宮に火が舞い、夏の日差しも相まって、そこは灼熱地獄のよう。


「はぁ……はぁ……」


「立て。白彩はくあが連れていかれてしまう……」


「わかっている……」


先刻まで相まみえていた二人はお互いを睨み付け立ち上がる。


煌龍こうりゅうさま……真白まさら様……」


黒い瞳の男に囚われた白彩は、自分を助けようとする婚約者と自身と同じ力を持つ人たちを憂いる。


「澄みゆく歌声に、揺蕩う佐葦さい


白彩は彼らの為に透明な歌声を響かせた。

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