自分を育ててくれた魔女が危篤だと聞き、最期に会うために田舎町へ向かった主人公。そこで明かされる魔女の真実は、残酷で悲しいもので……あっけらかんとした明るさのある魔女とその娘である主人公、2人を通して物語はつづられ、不穏な空気の中でこの世界の真相が明かされていきます。陰鬱なのに美しい情景描写や不思議で印象的な会話が魅力の作品でした。
灰色の空、灰色の海。落ち着いた語り口のよく似合う、少し寂しい空気のお話。ただ悲しい結末では決してない。じんわりと心に響く思い出話