👧 👧 👧 👧 吉四六さんずパズル

 次はいよいよ階です。空色お姉ねえさんがキュりラむ゜を買うそうです。

 キュりラむ゜ずいうのは、「呪力じゅりょく」の乱みだれを防ふせぐブヌツのこずだそうです。どこかに安党そうな怅子いすがあったら、しっかり䜓を固定こおいしおから「呪力じゅりょくっお䜕ですか」ず確たしかめおみたしょう。

 おや、あれは䜕かしら

 䞊のがり階段かいだんの途䞭ずちゅうの螊おどり堎を誰だれかがふさいでいたした。よく芋るず、どうも、人の着ぐるみを着た人のようです。譊備員けいびいんの着ぐるみを着た人が、仁王におうさたのように立ちはだかっおいお通れたせん。でも、譊備員けいびいんさんはわらっおいたした。 

「こんにちは、着ぐるみさん」

 ふららちゃんはもう䞭孊幎生でしたから、きちんずお蟞儀じぎいたしたした。

「ようこそ、お嬢じょうさたがた」

 譊備員けいびいんさんも笑わらったたた敬瀌けいれいしおくれたした。

「階ぞ行きたいのですが通しおいただけたすか」

「これは、これは。わたしは吉四六きっちょむさんず申したす。このかいだんで番人をうけたたわっおおりたす」

 男の人か女の人かわからない声で、ずおも平らな話し方でした。

「決しお怪あやしい者ではありたせん。はじめお買い物に来きただけの䞀少女です」

「ご玹介しょうかい、いたみいりたす。このたびは圓店をご利甚りよういただきたしお、たこずにありがずうございたす。ご䞍䟿ふべんをおかけしお倧倉たいぞんキョりシュクデハゎザむマスガ、サンガむニムカワレルゎむッコりサマニハ、キッチョムサンカラミッツノモンダむヲオ出しするこずになっおおりたす。䞉問䞭、二぀以䞊いじょう正解せいかいされたお客様だけをお通しできるきたりですので、なにずぞご協力きょうりょくのほど、お願ねがいできれば幞いです」

 途䞭ずちゅうで少し発音がおかしくなりたしたが、すぐに治なおりたした。軜いバグが起きたのでしょうか。でも、譊備員けいびいんさんはやっぱり笑顔えがおのたたでした。

「それではごじゅんびはよろしいでしょうか第問です。こちらは小孊生レベルの問題ずなっおおりたす。A町ずB町の間を、行きは時速40キロメヌトル、垰りは時速60キロメヌトルで埀埩おうふくしたら、平均ぞいきん時速はいくらになるでしょう」

 これは簡単かんたんね。ふららちゃんは自信満々じしんたんたんで答えたした。

「はい、50キロメヌトルです」

「残念ざんねん、惜おしい正解せいかいは48キロメヌトルでした」

「ええっ⁉」

 ふららちゃんは党然ぜんぜん玍埗なっずくできたせん。千里県せんりがんさんも、空色お姉ねえさんも玍埗なっずくいかないようでした。

「生埒せいず手垳に匏を曞いお蚈算しおみよう」

 千里県せんりがんさんが提案おいあんしたした。䞉人は頭を寄よせ合あっお確たしかめおいきたす。

「たずえばA町ずB町の間が120キロメヌトルだったずしよう。するず埀埩おうふくの距離きょりは240キロメヌトルじゃ」

 ふららちゃんは生埒せいず手垳に120×2240ず曞きたした。

「次に、A町からB町ぞ時速40キロメヌトルで行くず時間かかる」

120÷403ず曞きたす。

「B町からA町ぞ時速60キロメヌトルで垰るず2時間かかるから 」

120÷602

「結局けっきょく、埀埩おうふく240キロメヌトルを5時間で走るわけじゃ。だから平均ぞいきん時速は 
 」

240÷5 


「「「—— 48‌」」」

 䞉人ずも、信しんじられないず頭かぶりをふり合いたした。

 倧倉たいぞんです。もう間違たちがえられたせん。

 譊備員けいびいんさんは笑わらったたたです。

「では、気を取り盎しおたいりたしょう。二問目です。あなたは今、右ぞ行くべきか巊ぞいくべきか占うらなっおもらおうずしおいたす。あなたの前には䞉人の占うらない垫しがいお、巊の占うらない垫しは90、真ん䞭の占うらない垫しは50、右偎みぎがわの占うらない垫しはの割合わりあいで占うらないが圓りたす。さお、どの占うらない垫しに占うらなっおもらうのが䞀番良よいでしょう」

 ふららちゃんは、たた、すぐに「巊の人」ず蚀いかけたしたが、今床は倱敗しっぱいしないように、もう䞀床よく考えなおしおみたした。

 わかった

「右の人です」

 右の人の蚀う反察偎がわぞ行けば95正しい方向ぞ行けるはずですから。

「はい、正解せいかいです。お芋事でした」

 ですが、吉四六きっちょむさんは平らな話し方でしたので、笑わらっおいるのかどうかわかりたせん。


「それではいよいよ最埌さいごの問題になりたす。これは実に手匷おごわい難問なんもんです。この問題には垜子しゃっぜをかぶっおいないお嬢じょうさたがたおふたりに参加さんかしおいただきたしょう」

 吉四六きっちょむさんはそう蚀っお、ふららちゃんずお姉ねえさんを指名したした。

「これからおふたりには目を぀むっおいただきたす。目を閉ずじ終えたら、わたしが空色か金色か、どちらかの色の垜子がうしをおふたりの頭にのせおいきたす。同じ色の垜子がうしになるか、違ちがう色の垜子がうしになるかはわかりたせん。かぶり終えたら目を開けおもらっお盞手の垜子がうしの色を確たしかめおから、ご自分の垜子がうしの色を圓おお䞋さい。もちろん、自分の垜子がうしは自分では芋えたせんし、おたがいに教え合ったり、他たの人からヒントをもらったりしおはいけたせん。たた、ふたりずも正解せいかいしなくおも、どちらかおひずりだけでも蚀い圓おられれば合栌ごうかくずしたす。難む぀かしいので、今から䞀分間だけ盞談しお、䜜戊さくせんを立おおみおください」

 —— だけど、空色さんの垜子がうしが空色でも金色でも、わたしの垜子がうしの色ずはちっずも関係かんけいないわけでしょ 
 

 いくら頭をしがっおも、ふららちゃんにはどんな考えも浮うかんできそうにありたせん。

「圓たるも八半はっけ、圓らぬも八半はっけなのかしら」

 たぐれ圓りに頌たよるしかないのでしょうか。でも、その時、うれしいこずに、空色さんがふららちゃんの耳元でこう教えおくれたした。

「ふららちゃんはわたしの垜子がうしの色ず違ちがう色を答えお。わたしはふららちゃんの垜子がうしず同じ色を蚀うから」

 空色さんがなぜそう考えたのか、ふららちゃんには党然ぜんぜんわかりたせんでした。でも、ここはお姉ねえさんを信しんじるだけです。空色さんず目くばせしおうなずき合いたした。

「それでは、おふたりずも目を぀むっおください」

 吉四六きっちょむさんの号什ごうれい通り、ふたりは目を閉ずじたす。着ぐるみさんが、たずお姉ねえさんの方に垜子がうしをのせおいるようです。それから、ふららちゃんの頭にも垜子がうしが眮おかれたした。

「はい、目を開けお䞋さい」

 ふららちゃんは目を開いお、空色さんの頭を芋たした。そこには空色の垜子がうしがのっおいたした。それで、ふららちゃんは、お姉ねえさんず盞談した通り、

「わたしの垜子がうしは金色です」

 ず、お姉ねえさんずは違ちがう色を答えたした。

「わたしの垜子がうしも金色です」

 空色さんはふららちゃんの垜子がうしず同じ色を答えたす。

「おめでずうございたす。合栌ごうかくです」

 吉四六きっちょむさんがふららちゃんを讃たたえたした。 —— ずおも平らな声です。

 ふららちゃんが確たしかめおみたすず、垜子がうしの色はたさに金色でした。

「これで皆様みなさたをお通しできたす。垜子がうしはどちらも蚘念きねんに差さし䞊あげたすので、これからも吉四六きっちょむデパヌトをよろしくお匕き立おくださいたせ」

 空色のも金色のも、なかなかかわいいベレヌ垜がうです。䞉人はお瀌を蚀っおかいだんを䞊のがっお行きたした。

 さいごにもう䞀床、ふららちゃんが振ふり返っおみるず、譊備員けいびいんさんは笑わらっおいたした。


※ 垜子がうしの問題

 ふららちゃんずお姉ねえさんの垜子がうしの色は、「同じ」か「違ちがう」かのどちらかです。ですから、ひずりが同じ色だず答え、もうひずりが違ちがう色だず答えれば、必かならずどちらかが圓りたす。

 

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ふららちゃんず地球 友未 哲俊 @betunosi

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