遥の恋人

 考えていると、私とこの人間に誰かが割り込んできた。

強い衝撃を感じると同時に、温かいものに包まれるのを感じる


 遥だ。そのまま、私は奏に抱き着かれる。遥の胸に抱え込まれるように抱きしめられているから、何も見えない。それと、すごくいい匂いがする……あと、


「この子、私の恋人おんななので引っ込んでもらえます?」


 遥が発した言葉は聞いたことのないくらい冷たい声だった。遥の声は何回も聞いているのに、こんな声出せるのかって驚いてしまった。


 結局、この人は何かをぶつぶつ言い残して去っていった。遥ならともかく、私を狙うなんて。もっとも私の全てを知ったら逃げられるのがオチか。



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