第461話 大森林その後(2)
「クヴェタ殿。その、創造とは……」
ディートフリート様が切り込んだ。クヴェタさんが
「私にもよくわからないんですわ? ただ『表の世界』を作るために生まれたのが、私やお兄様で」
クヴェタさんから語られた内容は、にわかには信じがたいものだった。元々アフレガルドは独立した世界だったが、ある日突然、神の意志で拡張が始まったらしい。
と、信じがたい話に耳を傾けていたところ、クヴェタさん家の玄関から無遠慮な侵入者が。
「クヴェタ、客人か? ――おお、久しいなクラウス」
「あらお兄様。今日はもうお酒はいいんですの?」
「珍しく
「まぁっ。またお兄様は冗談ばっかり」
いろんな意味で冗談ではない。不思議そうな顔をしているグイディさんたちには、しばらくこの街の詳細を伏せておかねば。
「私も詳しいことはわからん。なんせ生まれた時には、既に新世界の土台は整いつつあったのだ」
クヴェタさんと一緒になって、過去の思い出を語るクレーメンス師。しかしその内容がとんでもなかった。
「まず世界の境界をノームが食い破り」
「待って?」
「なんだ」
「その、世界の境界を食い破るというのは」
「ああ。彼奴ら、あむあむとなんでも喰ろうてしまうからな」
こっわ。ノームって、世界の拡張のために生み出された生物兵……神秘的な種族だったのか。
「そうして開けられた四つの大穴から、四つの大陸が創造されたようですわ?」
「私たちは島国の祠に祀られ、宝玉を奪おうとする者を阻む守護者として鎮座していたのだ」
うーん、壮大な話だ。あっちの世界で似たようなゲームをプレイしたことがある俺だが、実際それが起きた世界では重みが違う。
「てか、大穴って四つあったんですか?」
「この大陸以外のものは、今は機能していないようだがな」
「ノルドクヴィストと呼ばれる大穴、あそこも以前はあちら側に通じていたのですわ?」
なんてことだ。
「それでは我らは一旦持ち帰り、トテン・ノヴェとの交易を正式に」
「大将、我らはこちらに残ってクヴェタ様の護衛を」
「嫌じゃい嫌じゃい! ワシゃ新しいダンジョンを探しに行くんじゃい!」
「まことです、御老公」
「父上、待たれよ。まずは母上に報告の上、公務の調整をだな」
「そんなことよりクヴェタさん、是非私に稽古をつけていただけませんこと?!」
ヤバい。世界の秘密を聞いた途端、一行が空中分解を始めた。まず密林の中に栄えた大都市について、ガルヴァーニ家への報告を急ぎたいグイディ大将。しかしクヴェタさんの魅力にやられ、なんとかしてここに残留したい将校三名。そして他にも深いダンジョンがあると聞いてダッシュで向かいたいお爺様とベルント様、自分も行きたいけどとりあえず根回しを済ませたいディートフリート様。そして、蛇神クヴェタと前々から手合わせしたかったエデルガルト様。いや、神と手合わせ希望ってどうなの。
「カオス」
「まあ、一つずつ消化するしかないのではないか?」
クレーメンス師が珍しく建設的な意見。そうだな、片付くところから片付けていかなければ。とりあえずグイディさんたちをギルランダ港に送り届け、ガルヴァーニ家に報告。ただし同時に、トテン・ノヴェはデスホムンクルスの聖地だと教えてやらなければならない。この広大な敷地に延々と立ち並ぶ街並み、これが実は一つ一つが墓標に等しいと知ったら、彼らの
それからお爺様たちを一旦デルブリュック城に運び、執務を調整した上で大ダンジョン攻略隊。チョコとコーヒーの生産をアフレガルドに任せ、今やノリノリでビジネスに邁進するギルベルタ様のことだ。むしろお爺様たちがいない方が、心置きなくボロ儲……販路拡張に精を出せるというものだ。よし、なんとかなりそう。
「やっと表情が晴れたな」
「はい、おかげさまで」
「それで、解決の道を示した私に渡すものがあるのではないのか?」
「……」
クレーメンス師がニコニコしながら手を差し出してくる。酒か……。
✳︎✳︎✳︎
2026.02.13
皆様いつもご愛読ありがとうございます。
貴重なお時間を割いて拙作を読みに来てくださり、いつも大変嬉しく存じます。
誤字脱字、不適切な表現へ親切丁寧なご指摘、大変有り難く感謝いたします。
ご返信や訂正などのご対応が大幅に遅れておりまして、心からお詫び申し上げます。
いつも温かく応援してくださって、本当にありがとうございます!
スキルが生えてくる異世界に転生したっぽい話2 ~和風な国に来たので花火打ち上げてみました~
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もしよかったら、どうか店頭でごろー✳︎先生のイラストだけでも見てってね♡(*´Д`*)
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スキルが生えてくる異世界に転生したっぽい話 明和里苳(Mehr Licht) @dunsinane
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