愛して、愛して、愛しているの
猫月蘭夢@とあるお嬢様の元飼い猫ショコラ
綺麗な姉さん、だーい好きだよ。ほら、ね?
真っ白で照明がひとつだけある二人きりの空間で、弟は言った。
「僕はね、姉さんを誰よりも愛しているんだよ」
「だからさ、姉さん。僕の元に堕ちてきてよ」
「ずっと僕と一緒の世界を見て?」
「綺麗な姉さんが堕ちた姿もまた別の美しさがあると思うから」
「姉さん、早く堕ちてきて?」
うるさいうるさいうるさいうるさい。私はこんな子知らない。私にこんなこと言うこの子を知らない。この子はそんなこと言わない。いつも私の後ろについてくる子しか知らない、私は知らない。私の知ってるこの子は明るくて温厚で穏やかな子、こんな子知らない、私は知らない。いっつも笑顔で優しくて陽気な子しか知らない、こんな子私知らない。私が大学に行ってた頃のこの子の変化を知らない。手を広げて優しく言ってくる、この子を知らない。
「あなたは誰?」
お前なんて、知らない。
「…………そっか。姉さんは拒否するんだ」
知らない子は悲しげな表情を浮かべて迫ってくる。
いやっ。やめて何するの怖い……。
視界が眩む。照明の光も眩しい。
「大好きだよ、姉さん。バイバイ」
(…………これからはずっと一緒だよ、姉さん。)
愛して、愛して、愛しているの 猫月蘭夢@とあるお嬢様の元飼い猫ショコラ @NekotukiRmune
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます