第19話 セナフの冒険者ギルド
―side エドワード―
--GRAAAAAAA!
「オークか。雑魚だな」
目の前にはオーク。Cランクのお肉が美味しい魔物だ。
「エドワード様の手を煩わせるまでもない。ここは私が」
「えっ……いやいや!悪いよ。ここは俺が」
「いやいや、護衛としての任務を全うさせていただきます」
そういって、ザッカーバーグは目の前のオークを真っ二つにする。
「あっ……!ずるっ……!」
こいつ、澄ました顔をして守ったふりしてるけど、やっぱり戦いたいだけじゃねえか!
ピーンッ!そうしているうちに気配探知で背後からワイバーンが来ているのに気づく。
「おー後ろにはワイバーンが、オークを追ってきたのかな?これは俺がいただくよ!サンダーストーム!」
「あっ!私も戦いたかった」
――ギャアアアアアア
ワイバーンはぶっ倒れた。というか。
「本音が出てるぞ。ザッカーバーグ」
「はてさて、なんのことやら」
ザッカーバーグは相変わらずポーカーフェイスですっとぼける。
しかし、俺にはわかる。絶対こいつワイバーンと戦いたかったなーとか思っている。
まあ、オークはCランク、ワイバーンはBランク。どっちも雑魚ではあるが、どうせならより強い方と戦いたいと思うのは、戦闘狂としては当然だろう。
「まあ、まだ最初だからな。これからどんどん出てくるだろう」
「ですねえ!それにしても、オークにワイバーンですか!良いお肉が手に入りましたねえ!」
「本当だな!ちょうど近くに冒険者ギルドもあるという事だし、持ち込んで調理してもらおう!」
早速この魔物を調理してもらいに近隣の冒険者ギルドに行ってみよう!
ついでに、久しぶりに冒険者ギルドのレビューもしたい。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
「こんにちは〜!」
冒険者ギルドは歩いて10分ほどのところにあった。事前にセナフの冒険者は魔物の森に隣接しているため、レベルの高い冒険者が集まると有名な冒険者ギルドと聞いている。楽しみだ。
今の所の暫定評価はこんな感じだ。
外観の綺麗さ:⭐︎2
冒険者の質:⭐︎4
立地:⭐︎5
参考:魔の森というお金になる最高の狩場が近くにあるので、立地は最高。歩いている冒険者の質も悪くない。外観は魔の森にあるから仕方がないが、もう少し綺麗なのが望ましい。
俺がレポートを書き終わったのを見計らってザッカーバーグの方を見ると頷く。
「入るか」
ザッカーバーグが扉を開き、俺が挨拶すると中にいるみんなが一斉にこちらを見る。
ふーむ。確かに噂は本当のようだ。中にいる冒険者もみんなそこそこ強そうだ。
視線を無視して受付へ行く。
「素材の買取ってお願いしていい?」
「えっ……ええ。ギルドカードをお願いしてもよろしいでしょうか?」
「はーい」
「……って!Aランク!?」
--ザワザワ!
Aランクは国に数える程度しかいない。
強そうな冒険者が多いこのギルドでも、結構効果はあるようだ。
「グランドギルドマスターの依頼でこっちにきましたー」
そう言って、俺はグランドギルドマスターから貰った調査員の紙を見せる。
「た、確かに拝見しました。しょっ……上の者に確認しますので、少々お待ちください!」
受付の人はそう言って慌てて奥へ入って行った。数分後戻ってくる。
「お待たせしましたー。ギルドマスターがお呼びですので、応接室でお待ちください」
「はーい」
ギルドマスターがお呼びだ。
もしかしたら、俺たちにしか頼れないような高ランクの依頼を受けれるかもしれない。
飯も楽しみだけど、そっちも気になるな。
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家から逃げ出したい最強第七王子の気まぐれダンジョンレビュー〜精霊さんともふもふと自由気ままなダンジョン探索冒険者生活〜 幸運寺大大吉丸@書籍発売中 @book_hobby
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