第2話
あの体育祭から2週間がたった。
(結局あれはなんだったんだろう、、、)
と九間下くんに言われた言葉と表情を思い出しながら考えていた。すると
「おい」
と声をかけられた。
「矢代。小さなイベントとはいえ発表会は3日後だぞ。ぼーっとするな。」
雪島先輩だ。彼は私の憧れの人。
「あはは〜。すみません、、、」
彼もトランペットを吹いている。勉強は苦手だが、高校生活を吹奏楽に捧げているような人だ。口癖は
「俺の彼女はトランペットだからっ!(泣)」
である。(笑)
彼に憧れて私も毎日朝練、昼練、放課後練に参加している。先輩に会える。先輩と吹ける。そういう下心があったと言えばそうかもしれない。
「しかし、今年の1年生は楽器未経験の子多いな〜。」
雪島先輩が言った。
「そうですね、こりゃあ3日後つまらないかもですね(笑)」
未経験の子は入部後3ヶ月はイベントなどには参加出来ない。その為3日後の発表会はほとんどの1年生が出られない。経験値を稼ぐために裏方として全員でイベントには行くが、楽器を奏でることは出来ない。私たちの代でもあった事だが、出られなかったのはほんの2,3人程度だった。
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