第12話断章A
美しい鹿は、しなやかな舌を持っている。
食べ物を食むと共に惑って因大こそが、太陽の傾斜をかわし、サバンナを走り回る。その足の裏の力の反動が、少なからず、歩むのであり、走るのであり、止まるのであり、考えることは、足の裏から生じる。
生は大地に伏している。
生の実感は、ともなう。
それは鹿のように、我々も大地を蹴るように考えれば、あらゆるものが反動であることに気づく。
牛の歩みが止まる時、草木にまどろむ朝に、水がこぼれるなら、土に落ちていく生は濁っている。
その濁っている水を飲む牛は、水の中に泥の舌触りを感じてみんなでいきていることの実感を思う。
そのことこそが生の共同感覚であり、実感は我々人間にとっての牛と水の連関に相似している。
自由はある。
少なくとも、水が雨になって空から降り注ぐから。
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