すごく良いマインドで書かれています。
社会でてっぺんとるような常識の向こうの努力について、芸人の情けない姿を通して書いています。例えばスポーツ選手とか刀鍛冶とかそういうかっこいいもので書きがちだし、あと書くにしても良い時期に着目しちゃいます。
この物語はそうじゃなくて、うまくいかない時を舞台の真ん中に置いてます。そこがすごくいいです。
ですが少し説明的な部分が多いようには感じました。体験的ではない語りというのか、この物語の軸は報われない熱さと身に詰む閉塞だと感じます。なのでいっそ破綻していてもいい、読者が理解できない部分があってもいいから、最後のシーンまでもっと駆け足で向かうべきかもと感じました。わからないままに魅了する力がこのテーマにはあって、もっと信じるべきかもと感じました。
余計なことをとやかく言いましたが、インスタントなカッコよさとか情緒とかを追いかけて何も得られない物語ばかりの中で、血の通った物語が読めて幸せです。
おすすめです。