○はじめに

　８万字もあるので、結論を冒頭にも付け加えることにした。

○おすすめの作品集

　この企画を通じて、星新一の作品に触れたいと思った方がいたら、私が薦めるのは『未来いそっぷ』である。その次は『マイ国家』がよい。

　『未来いそっぷ』『マイ国家』は駄作が少ない点で、初心者の最初の一冊に適している。アイデアはほぼ及第点以上であり、なにより文章が非常に安定している。その点で『ボッコちゃん』よりお薦めである。

○星新一私選集『透徹の星々』

　星新一好きの青切吉利が、『星新一 ショートショート1001』(新潮社)に収録されている1049作品の中から36作品(３％)を以下に選んだ。

　最初、31作品選ぶつもりであったが、まあ、多少の超過はいいだろう。

　以下に36作品の一覧を並べて、この企画をはじめる。

　星新一への理解が深まり、作品集を手に取っていただける機会となればうれしい。

○作品一覧：作品名(収録作品集)

おーい　でてこーい(ボッコちゃん)

生活維持省(ボッコちゃん)

鏡(ボッコちゃん)

空への門(ようこそ地球さん)

処刑(ようこそ地球さん)

殉教(ようこそ地球さん)

妖精配給会社(妖精配給会社)

味ラジオ(妄想銀行)

趣味(マイ国家)

マイ国家(マイ国家)

午後の恐竜(午後の恐竜)

時の渦(白い服の男)

牧場都市(おみそれ社会)

手紙(おみそれ社会)

女とふたりの男(だれかさんの悪夢)

一日の仕事(だれかさんの悪夢)

おカバさま(未来いそっぷ)

オフィスの妖精(未来いそっぷ)

企業内の聖人(未来いそっぷ)

ある夜の物語(未来いそっぷ)

ものぐさ太郎(なりそこない王子)

ミドンさん(なりそこない王子)

魅惑の城(なりそこない王子)

過渡期の混乱(さまざまな迷路)

コーポレーション・ランド(さまざまな迷路)

ベターハーフ(さまざまな迷路)

城のなかの人(城のなかの人)

かぼちゃの馬車(かぼちゃの馬車)

すなおな性格(ごたごた気流)

門のある家(ごたごた気流)

黄色い葉(夜のかくれんぼ)

一家心中(夜のかくれんぼ)

ご用件は(夜のかくれんぼ)

背中の音(夜のかくれんぼ)

出勤(安全のカード)

木の下での修行(これからの出来事)