第10話 供養作品 ~カードゲームのラスボスは友達でした~ あらすじ

 前園慶次は10歳の時にヴァルモ王国の行った勇者召喚の儀式に巻き込まれて異世界転移してきた。召喚された勇者の後田光彦は人間族を滅ぼそうとする魔王を討伐するために旅に出る。一方、慶次は特殊な力を持っていない子どもということで孤児院に預けられた。だがそれは勇者である光彦を国に縛る鎖としての役割も兼ねていた。


 孤児院に預けられはしたがそこで孤立していた慶次は町へと出掛けた時、トレーディングカードゲームTCGで遊んでいる同じくらいの歳の少年と仲良くなる。少年の名はクラウド・シルウェット、彼はお忍びで町へとやってきては大好きなカードゲームを遊んでいる侯爵家の令息だった。慶次の境遇を知り友達の証として相棒ともいえるお気に入りのカードを彼に渡した。代わりに渡せるものがないという慶次に対してクラウドは『ならこのカードはお前に預けた。返しに来るときは最高のライバルとして勝負してくれ』と言った。


 その約束を胸に、渡されたカードと一緒にもらった市販の初心者用デッキでTCG【脳金筋トライアングラー】を慶次は遊び続けた。異世界で初めて楽しいと思えたカードゲーム遊びに夢中になっていると暗躍するTCG犯罪組織の話が耳に入る。勇者である光彦を羨ましいと思いながらも見送ることしかできなかった慶次はカードの実力を上げながらTCG犯罪組織【傾国物欲スラッシャー】を壊滅させるために行動を始めた。


 【傾国物欲】の技術によりカードの具現化をして戦う【裏・脳金筋】での死闘を潜り抜け、ついに組織のボスと対面する。そこにいたのはあのクラウドだった。

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