第9話イエローバード
イエロー
家路について、鳥が、鳴く頃、日の落ちる時計に、ちらっと見たほほの白い少女が、公園で、独り、走っている。
イエロー
ブランコが揺れて、木々が黄金に光るなら、帰りを待つ家族の優しさが、流れる、あの雲のように。
イエロー
通りを出る時、砂利を蹴った今を生きる僕らの夢が、はかない幻に包まれて、寂しげな風が、背中を押したら、前に進む。
僕らの今が、走っている。
足早に
ついていけない速さで、鼻歌が、路上の花に乗っかるなら、明日が来る。
足早に
黄色い鳥が、小さな木から、飛んでいくと、僕らは、想う。
この時が永遠なら、生きることは、できると。
打ち砕かれた夢も、はかない現実も、夕日の眼差しにくべて、忘れていけばいい。
生きることが、忘れることなら、生きた記憶は、残る。
例え、夕日が落ちようとも、朝が来るから、おうちに帰ったら、ご飯を食べて、おやすみ。
朝、孤独でも、家族がいても、また日が昇るから、決して忘れないで。
あなたが独りじゃないことを
そしたら、僕らは、夢を見続けることができる。
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