学校の米飯

小学校と中学校の給食では、アルミパック容器に入った米飯が出ていた。


僕はそれが食べられなかった。

大人になった今の僕でも、食べきれないほどの量だった。

一粒も食べられなかったのだから、量は言い訳にならないのだが。


昼休み、掃除、五時限目。

机の上には米飯のみが置かれ、僕は座り尽くしていた。

限りある人生にあって、なんとも筆舌に尽くしがたい無駄な時間を過ごすことになった。


それでも、僕は幼稚園から続く無遅刻無欠席の皆勤賞を継続し、中学三年生の時には健康優良児として表彰もされた。



米飯は食べられなかったが、僕はずっと健康だった。


では、あの時間は、いったい何だったのだろう。


今さらではあるが、思考のみを頼りに、ながい孤独の時間を耐え抜いた、過去の自分を大いに褒め称えたい。

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