第2話 出会い
ガラガラガラ
すると友達と話していたであろう子たちは悠翔を一斉に凝視した。
そして、少しの間をあけ、再び話に夢中になった。
一瞬、僕に視線が集まるこの瞬間。
とても嫌いだ。
小学生のころからこういったクラスの扉を一人で開けることに抵抗を受ける。
しかし、高校二年生になった僕はもうそんな風には思わない……。
と言いたかった今日この頃です。
◇◆◇◆◇
私は学校が嫌いだ。
私はこんな自分が嫌いだ。
毎日、人気者の
かわいくて、かっこよくてみんなの人気者。
はじめのうちは確かにいい気分もした。
しかし今では、そんな自分が嫌い。
偽ってばっかの自分が嫌いだ。
高二にもなって自己嫌悪に陥るとは思わなかったけど、毎日楽しむように生きている自分は好きだ。自分を好きにはなれるが、どうしても他人を好けない。
こんな私は、一生恋愛ができないのだろうと悟った今日この頃です。
◇◆◇◆◇
スタスタと自分の席に急ぐ。
自分の席を窓際の一番後ろに見つけ、安堵する。
隣の席に座っていたのは、桜井さんだった。
すでに彼女の周りには人だかりができ、笑顔で友達の質問に答えていた。
桜井さんとは、棲む世界が違うのだろう。
去年も入学当初から男女問わず人気だった。
そのかわいさとあどけなさが功を奏したのだろう。
「はーい。みなさーん。席についてくださーい」
といつの間にか入ってきた担任の一声に呼応して、続々と生徒たちは席に着き始めた。
「みなさん。おはようございます!今年の担任務める南 陽介です。よろしくなー」
ぱちぱちとまばらに拍手をしていると
「おいおいー。なんだーその拍手。今年もこの陽介が担任だぞー?」
「わーい。やったー」
「めっちゃうれしー」
「そんけーい」
「あのなーお前ら。感情がなさすぎない!?先生悲しいよー」
そして、教室は笑いで包み込まれる。
今年も南先生でよかったな。
去年も楽しかったし、今年も楽しくなるでしょ。
◇◆◇◆◇
「じゃあねー」
「うん。また明日ー」
「お前らこの後カラオケ行かね?」
「えめっちゃいい」
「いくぜー」
始業式やLHRが終わって、みんな帰るみたいだ。
みんななんとなく友達出来てるみたいだなー。
出遅れてるなー。
まあそのうちできるでしょ。
――1か月後
「友達ができない」
終わった。
ここ1か月、学校にも慣れて友達できるかなって思った僕がばかだった。
まあ話せる人はできたにはできたけどさー。
なんか話すだけというか。
それ以上はないというか。
非常にまずい。
とてもまずい。
一刻も早く友達を見つけなきゃ。
と足早に、食堂に向かっていると、ふらっと物置になっている階段の方へ向かう姿が見えた。
「あれ?あそこって生徒って行っちゃダメなはずなのに」
気になって、そこへ向かうと。
「ぐすっぐすっ」
泣きじゃくる桜井さんがいた。
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未だ知らない恋をする ねおらいと @user-all-res-3156
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