Y中学校七不思議

城峰

第1話

 あっ、そういえば部活の先輩から聞いたことあるよ。いや、その話が七不思議のひとつなのかは知らないよ、ていうかわたしが直接聴いたわけじゃなくて先輩同士がそれっぽい話をしてたのを横で聞いてただけなんだけどね。

 …んー、なんかわけわからん話。怪談なのかなあれって。別に怖くないよ、意味がわからないだけで。短いし。

 え、それでもいいから聞きたい?いいけど…すぐ終わるよ、短いから。全然怖くなくてもおこらないでね。










「深夜2時にY中学校の正門前に行くと閉まっているはずの門がなぜか開いていることがあります。もしその時に門をくぐってしまうと家に帰れなくなります。199〇年7月29日ある女生徒がくぐりました。彼女はまだ帰れていません。これは本当にあったことです」




 







 …これで終わり。短いでしょ。それに意味がわからない。怪談なのかどうかも。幽霊とか出てこないし。だからわたしも聞いた後すぐ忘れてたんだ。今日まで。

 私が知ってる話はこれだけ。

 

 

 あ、先生来てる。じゃあまた後でね。なんかおもしろい話あったらわたしにも教えてよ。あ、それとね








「女の子がいなくなったのは本当です」




 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る