夜にしか咲けない花のように

真夜中のロードバイクが繋いだのは、偶然の出会いと秘密を抱えた絆。夏の夜風を受けて疾走する描写が瑞々しく、心に残るのは“夜にしか咲けない花”のような彼女の存在感。互いの違いを超えて心が寄り添っていく過程が、静かで温かい余韻を残します。月明かりと潮騒、そしてまだ見ぬ朝焼け――すべてが少女たちの一瞬の輝きを優しく包み込んでいて、静かな優しさとまっすぐな情熱が重なり合い、読み終えたあとには胸の奥に小さな光がともるような物語でした。

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