私感

　生徒自治の危機に瀕する話である。Tは私の下の学年の文化祭実行委員長なのであるのだが、彼は何を思ったのか文化祭名を今年以降統一しようと考えた。これまで私の学校はその時の文化祭実行委員会が自由に文化祭名がつけられており、毎年異なっていた。名前をつけるからこそある種の愛情が湧くというもの。それを無くさせる様な事である。民意を問う場所は一応設けられてはいたが、裏では校長が統一しようと言い始めていたため、結局民意を問う場所が統一に賛成であろうが反対であろうが、統一されることは確定していた。Tも賢い人間であるなぁと思うと共に、校長の声一つで民意が蔑ろにされる。生徒自治はこれいかにと言ったところだ。この話の着地点は、民意を問う場所の英断により、何とか来年の文化祭実行委員に文化祭名を任せるという確約まで漕ぎ着けた。Tの側近は、この話をされると大層怒っているそうな。ざまぁみろ。