夢現のあわいにて展開し、縁の糸の縦糸が別の未来模様へ繋げる見事な物語。

薬屋りんさんのシリーズになりますが、他を未読でも楽しめます。
逆に後で知った方が「そういう関係性!?」と楽しめたりするかも。

わたしも後でりんさんの正体を知って、
(淡々としてるけどその視点から人を眺めてたのかあ)
と、視座が変わって面白かったので。

物語は普通の世間話から始まり、話題の人物の過去に飛びます。
蜃気楼やかげろうなど、夢のような幻のようなものが物語のキーになるのですが

──いやぁ、伏線回収が見事で爽快! すっきり鮮やかな読後感だったなぁ。

幻を扱っているからといってふわっとした終わりかたではなくて、本当に鮮やかに着地するので拍手喝采したいぐらい素敵な物語なのです。

ただ物語の展開される神社のご本尊の先行きが個人的に少し残念。
わたしは形態に拘りはないので、現在まで続いていて求人があるなら応募してみたかったかも。

居心地良さそうだし、夢を現実にできる可能性があるなら、ブラックでも求人倍率そこそこありそう、なーんて思ったり。

爽快だし、見事だし、終身雇用形態ですがちょっと就職してみたい物語なのです(※男性は期間雇用で一名採用となってます笑)。

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