第2話 冒険者登録

 ルナはエイルについてギルドの受け付けに来ていた。


 「この子の冒険者登録お願いします。」


「まず、こちらの用紙に記載お願いします。あと入会金5000ゴールドお預かり致します。」


「あのぉすみません。今待ち合わせがなくて・・・先に素材の買い取りお願い出来ますか?」


「すみません。会員でない方の素材は買い取り出来ないので・・・」


「あっ僕が代わりに売ってあげるから貸して。」


「お願いします・・・」レッドドラゴンの鱗を渡す。


「こっこれっ超高級素材だよ・・・」オドオドしながら受け取り、受付にわたす。


「これは、800万ゴールドになります。」金貨の山ができた。


 このお金から入会金を払い、手続きを終えた。次はステータスチェックである。


 ルナは逃亡中に外していた魔封装備を全てつけて自分の魔力を最大限抑制、なにもなかった様にステータスチェッカーの前に立つ。


 魔法球に触れると魔法球が眩しく光る。


 「あなたは、魔力が高いですね。しかも属性も闇属性と無属性・弱いが聖属性の3属性持ちとは天才ですね。」驚く受け付け嬢は慌ててギルド長に報告しに行った。


 ギルドマスターは訝しげにはなす。


 「ほほう、魔力は高いが攻撃力・防御力はほとんど無いじゃないか、これで魔法剣士は無理じゃないか?」


 ギルドマスターは続ける。「魔導師で登録した方が良いんじゃないか?ま、どちらにしてもEランクからだな。」それでもなんとなく魔法剣士として冒険者登録は完了した。


 「よかったねこれでルナも冒険者だね。」


 「今まで護ってくれてありがとう。」


 エイルははにかみながらルナに話しかける。「どうかな?できれば一緒にパーティくまない?」


 「・・・」ルナは考えた。


 自分は追われている立場である。そのために本来の適正、能力は全て隠していたのだ。それに追われる自分の近くにいればエイルもいつ命の危険に晒されるか分からないのだ。


 ただ、一方でエイルをスキャンする限り特別な能力も無く、今後生きて行けないほど能力も無く、実際冒険者として生きていくのは難しいとすら思えるのだ。


 「・・・いいよ。一緒に強くなろうか。」


 早速パーティの相手が決まった。ルナはエイルを育てる事を決めたのだ。


 そんなルナの姿を見ていた冒険者達は、色々な事を考えていた。


 『あぁあんないい女を、あんなショボイ剣士が持って行くのかよ』『あーあぁ俺のパーティに入れて、良いように使い潰してやろうと思ったのに。』『これは掘り出し物かも知れない。我が勇者パーティに入れた方がいいか?』色々である。


 「ちょっと、待ってくれないか?私はレオン・ジル・レキオン・ド・ラグシャール。この国の第二王子だ。君を我がパーティに招待したい。」


 ステータスチェッカーの評価意外にも、ルナの美しさ、物腰、仕草から大変気に入ったらしい。

 

 レオンは聡明かつ有能な王子であり次期王太子候補No1なのだ。


 「殿下、私のような者では役不足で御座います。それに、今ほどパーティを組んだエイルは、私の命の恩人です。裏切れません。」


 「そうか、だが諦めんぞ。またの機会に声をかけるとしよう。」残念そうではあるが逆にその義理堅い所も気に入ったようである。 


 「ルナ!こんな良い話断っていいの?僕に気を使わないでいいよ!」


 「ううん、私はエイルと一緒が落ち着いていいの。」


 そんな二人を狙って「新人殺し」の罠がかけられていたのだ。


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