ミッドナイトタウン LowB

W4Zem4

久遠の夜

暗き久遠クオンの夜。

神、あるいは上位者、それらが課したツグナいの為の悪夢。

そして、真実を追い求めた人類我々ハカナい夢の産物である。


それらがモタラした、永い夜。


我々はこれを永夜と呼称する。



3400年前。

人類はある大罪を犯した。


この世界を、真実の解明を目指した。


聖域を侵し。


聖体を侵し。


知を求め、その真実に、神の領域に手を伸ばした。

知の獣。そう言った方が正しいだろう。

知の麻薬のような依存性に憑かれ、血すらイトわなくなった。


スエ、永夜と116万1960人を代価に。ユエ、魔力を統べる術、魔術を得た。



救済キュウサイ、そして導き。それはとても甘美カンビなものだった。


もはや、人の域を超える。

病気も、飢餓キガも、老いも、旧人類の絶望が存在しない。


魔力という完全なる物質、概念ガイネンに導かれた結果。


これは、いわば完全。

旧人類の望んだ先。



―この世界。それは魔力による進化を受け入れた人類が営む世。

魔力を操る術、魔術、そして奇術。

神から与えられたモノで神に背き、この長き永夜を終わらせる。

知に満ちた、血に満ちた。この世を終わらせる。


道は苦痛と絶望に満ちたものだろう。

その道を歩んででも、我々は…私は償わなければならない。


今はただ、知らないふりをして。

いつか、きっと救われるから。


いつか…きっと。



夜を終わらせる。それだけだ。


――――――


産み堕とされた星の子は、今も彷徨サマヨう。

そのタットい生命を燃やし、そのオゾましき願望を、その終息を叶える。


貴き命、尊き生命、その躯体クタイにとても似合っている。


匂い立つ。


その暗澹アンタンの眼差し、その悍ましき奇術。


やがて一人に、一つになる。

不完全になれなかった完全よ。

その赤きメで何を見る。

その黒きヒトミで何を見る。

その黒き躯体で、

その完全で何を成す。


その崇高スウコウなる手で救いを、救いを。救いを。救いを。救いを。救いを。救いを。


私を。僕を。


殺してくれ。

その手で。

殺してくれ。殺してくれ。殺してくれ。殺してくれ。殺してくれ。殺してくれ。



星の子よ。忌まれし子よ。見捨てられた子よ。絶望の子よ。


あぁ、哀れな求導者キュウドウシャ達よ。

神すら愛さぬ、悲しき、哀しき、存在よ。

訪れぬ終わりに、どうか絶望してくれ。


末に訪れる。

まだ見ぬ地獄で、せいぜい足掻アガいてくれ。

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