第47話Side水前寺水樹②
「ああ…俺達三人とも城咲に守ってもらわないといけないんだよ!」
「「………はい?」」
幸が言った言葉の意味がウチと風花には全く分からない。百歩譲って幸はまだ分かるよ?誰かに狙われてるんだよね…?狙われてるなら城咲君じゃなくて警察に言わないと駄目なのでは?それになんでウチと風花も守ってもらわないといけないの…?何が起こってるの…?
ウチより先に風花が口を開いた。
「あんた何したのっ!」
あっ…風花は幸が何かやらかしたと思ってるみたい。まあ、話の流れからしたらそう思っても仕方ない…のかな…?
「俺は何もしてねぇーよ!?」
「あんたが何かして私と水樹が巻き込まれたんじゃないのっ!?」
「ちげぇって!?俺が何かしたわけじゃないってっ!」
「だったらどうしてそうなるのよ!?城咲様に守ってもらうのは…それは…まあ、いいわよ」
あっ…城咲君に守ってもらうのはいいんだね、風花…。まあ、それに関してはウチも同じかな。騎士に守られるお姫様になったみたいに思えてちょっと素敵だなと心の中で思ってしまったし。
尚も風花の言葉は続く。
「でも私と水樹に狙われるというか巻き込まれる理由はないわよね!?逆恨みとかされる理由もない筈よ!だから早くその理由を答えなさい!三秒以内よ、三、二、一、答えるのが遅いっ!」
ポカリ…と、殴られる幸。風花落ち着いて?一応幸は怪我人だからね?
「数えるのはぇーよっ!?それにいてぇーよ!?俺は一応怪我人だぞ」
「あんたが早く答えないからでしょっ!」
「答えようとしただろ!」
「じゃあ早く答えて」
「それはだな…」
「「それは?」」
「俺達がヒロインだからだ」
「「………はい?」」
またしても幸からおかしな言葉が出てきた。
「あ、あんたねぇ…真面目に答える気あるのっ!」
「だから答えてんだろっ!?その振り上げた拳を下ろしやがれ!暴力振るう女なんて城咲に、き、嫌われちまうぞっ」
「…うっ…」
風花が振り上げた拳を下ろす。風花がやらないならウチが一発入れとくべきかな…?どうもふざけてるところもあるっぽいし…ウチは拳を振り上げ…
「待て待てっ!?水樹もやめろ!?俺はこれでも真面目に答えてるんだ!いいか?俺達はヒロインなんだ!そこまではいいな?」
「そこまではいいなって全然よくないんだけど!?そもそもヒロインって何よ…私達は城咲様のヒロインとでも言いたいの…?しかもちゃっかり自分もヒロインに入れてるのは流石馬鹿幸だとは思ったけど」
「ウチも思った。ヒロイン枠に自分もちゃっかり入れてるなって」
「だよね」
「へ、変に揚げ足取らなくていいから、二人とも最後まで俺の話を聞けってっ!」
「…あんたがツッコませてんだけどね…」
「と、とりあえず最後まで聞いてみよっか…」
ウチと風花は顔を見合わせ一応最後まで幸の話に耳を傾ける事に…。
「ヒロインという言葉はこの際どうでもいい!ただ、このままいくと俺達は見知らぬおっさん達に犯されて孕まされる事になるのは間違いないんだ!俺はこのナイススタイルを、水樹はその巨乳ロリ体型を、風花は貧相なちっぱい体型をそれこそ隅々まで何度何度何度も味わわれてしまうんだぞ?そんな事にはなりたくないだろ!?だから城咲に守ってもらう必要があるんだよ!城咲は強いし、色々と頼りになる。昨日会ったばかりだがあいつは信用できる!それに城咲はすでに俺達みたいな悲運を背負っている輩を何人か助けているみたいなんだよな。んで、そんな城咲なら…俺達のそんな未来を変えてくれると確信したわけよ!」
耳を傾けたウチ達に幸はウチ達が見知らぬ人に犯されると言った…。犯されるって…その…え、エッチな事されると幸は言ってるんだよね…?しかも孕むってアレだよね…?に、妊娠しちゃうって事かな…。援交をさせるつもりなのかな?
「…うん、とりあえず話は終わったのよね?まずはこの馬鹿を殴ってもいいかな?水樹?いいよね?」
「うん。ウチも殴り…いや、とりあえず殺りたいかな」
「…そうだね。殺ろうか…」
うん…まずは殴っていいよね…。エロゲームやエロ同人誌を見過ぎたのかも知れないって理由でとりあえず殺ろうかな…。だって人が気にしてる体型の事を口にしたんだよ…?コレって重罪だよね…?ギルティだよ!しかも何気に自分はナイススタイルとか言ってるしっ!ウチより胸は小さい癖にっ!
ウチと風花はゆっくり立ち上がり、幸の前で腰を落とし構える…
「お、おいっ!?二人ともなんで腰落として本気の正拳突きを俺にかまそうとしてんのっ!?俺は二人の事を思って言って────へぶしっ…!?」
♢♢♢
「…どう思う、水樹?」
「幸の馬鹿が城咲君をいかに頼りにしてるのかは分かったけど…」
「そうなのよねぇ。城咲様が頼りになるのは分かるんだけど…私達が犯されるというのが全く分からないのよねぇ」
「そこだよね」
「…くっ…い、いいか?昨日襲われただろ?」
あっ…ウチ達にダウンさせられた幸が復活した…。
「それが…?」
「あれは言うなれば序章みたいなものだ。ああいう事がまた確実に起こる。分かるだろ?城咲が助けてくれなかったらどうなってたか」
「…それは…」
「…さっき…幸が言ったみたいな事になってたかも知れないとは考えられるけど…」
「かもじゃない。絶対にそうなってたよ。100%断言してやる」
幸が言った事を否定できない…。昨日のイカツイ男の人達の言葉を思い返すとウチ達の体が目的だったようにも思えてきた…。
「忠告はしたぞ?水樹と風花はなんだかんだで付き合いが長い俺の大切な幼馴染だ。だからこうして話してるんだ。注意するようにな。後はまあ、自分で考えろ。俺なら…城咲に付き纏う」
「付き纏うって…城咲様に迷惑なんじゃ…」
「そ、そうだよ…城咲君に迷惑だよ」
「知らん!俺は俺の身を城咲に守ってもらうと決めたからな。約束…は、していないが、城咲なら守ってくれる筈だぜ!今の俺は非力だしな。昨日も不意打ちで放った蹴りが通じなかったし、マジヤバかったしな。まあ…そういうわけだ」
♢♢♢
そんな話をして幸の家を後にした。ウチの家は幸の家の左隣。風花の家は少し離れている。
「気をつけて帰ってよ、風花?」
「大丈夫よ、五分と掛からないし。また明日ね水樹」
「うん、また明日」
風花とそう言って別れた。
その後すぐに…風花は…
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