第45話転生者だよな?

「──ったく。母ちゃんには参るな…。母ちゃんの話は聞き流しておけよ?と、いうか忘れろ」


「あ、ああ」


「適当にそこら辺に座ってくれていいからよ」


「うん」


 紗理奈さんと話した後、俺達は部屋へと向かった。幸さんの自室だ。幸さんの自室はなんというか趣味に生きるといった感じの部屋。幸さんはそう言うとベッドにズカッと座り込んだ。



「んで…話って?」


「その前に…」


「なんだよ。ここまできて勿体付けじゃあねぇよ」


「違うから。勿体付けてる訳じゃあなくて…まずはその開いてる足を閉じてくれない。目のやり場に困るから」


「んあっ…?」


「んあっじゃなくて見えてんだよっ!!」


「っ!?み、見るんじゃねぇよ!」


「自分で見せたんだろ!?」


「うっせー」


 スカートで足をあんな風に開いたらそりゃあ見えるだろうに…。ちなみにどんな下着で何色だったか気になるって?ああ…うん…トランクスだったわ。トランクスを履いていたのは元男だからだろうな…。まあ、ブカブカしてるんで女性からしたらどうなんだと思わなくもないが…。


 それ以外にも見えたのは内緒な…?ブカブカしてるから見えちまっただけだから…。


「頼むからお勃っててくれんなよ?」


「勃てんわ!」


 ホントにコイツは…俺はゴホンとわざとらしく咳をしてから仕切り直すように口を開いた。


「話って言っても聞きたい事があるだけなんだけどな…まあ、とても大事な事なんだけど…」


「な、何だよ、大事な事って…?お前は一体俺と何の話をしたいんだよ…?」


「君は元…男なんだよな?」


「…あ、ああ、そうだぜ。俺は元は男だぞ。水樹達には言っても厨二病やらラノベの見すぎやらなんやら色々言われて信じてもらえなかったけどな…。──で、お前はそれを信じたわけか?そんなもん信じてもなんにもなら──」

「…──一度死んでこのゲーム世界に転生した転生者であってるよな?」


「なっ!?お前っ!?この世界がなんなのか知ってるのかっ!?」


「知ってる」


「じゃ、じゃあ…まさかお前は…」


 そうだ。お前と同じく俺は…


「神様か何かなのかっ!?お、俺をなんでコイツに転生させたんだよっ!?普通そこは男に転生させるところだろっ!?」


「ちげぇよ!?お前察しが悪いなっ!?そこはお前も転生者なのかってツッコむところだろうがっ!?」


「…はあーっ…?転生者…?」


「そうだよ。俺はお前と同じ転生者だ」


「…神様じゃなくて…?」


「違う。俺は神様じゃない。まあ、こんな世界に俺もお前も転生したんだ。そういう存在はいるかも知れないけどお目に掛かった事はないな」


「…そうか…お前も転生したのか…じゃあ…お前も一度死んだ…んだよな?」


「…ああ…」


「…そうか」


「ちなみに俺は令和◯年に二十歳の時にこのゲームを全シナリオ完全クリアした瞬間に意識が遠くなったからその時に死んだんだと思う」


「歳上かよっ!?あ、いや、敬語使った方がいいですかね?城咲さん」


「いや、タメ口でいいよ。今は同級生だし、その方が気楽だし。名前もさん付けしなくていいから」


「そ、そうか?じゃあさっきまでと同じタメ口で話すな?俺の事は幸って呼んでいいから。んで、俺は令和◯◯年に十六の時だったかな」


 幸は俺が死んでから十年ちょっと後に亡くなったのか…。ワ◯ピースはどうなったんだろうな?今度聞いてみないとな。


「同じようにこの『真・凌辱地獄』をしていた時だったかな…。友達の兄貴からオカズにって借りて「ちょっ!?ちょっと待ってくれ!」うん?」



「今…なんて言った…?」


「えっ…?友達の兄貴からオカズ…?」

「──それじゃない!真・凌辱地獄って言わなかったか!?」


「えっ…?ああ、そうだけど。それがどうかした?」


 嘘だろ…?



「…俺がプレイしていたのは凌辱地獄なんだ。真じゃない」


「それって前作って事?」


「…ああ。多分」


「そう言われると…真・凌辱地獄は前作をリメイクとか新シナリオやエッチシーンを大幅に追加とかなんとか謳ってた気がするな」


「マジかよっ!?」


「マジマジ…」


 マジかぁ…。かなり念入りに色んな事に対応できるようにしてきたんだけどな…。しかしやっぱり転生者という事を打ち明けて良かったな。


 こうなると自然と目の前の幸だけが頼りになる…。



「実はさぁ──」



 ──俺は幸に不幸な目に合うヒロイン達を助けたい事を説明する事にした。幸は黙って俺の話に耳を傾けてくれる。



「──なるほどな。まあ、思い返すとヒロイン達は碌な目にしか遭ってないし、なんとかしてあげたいと思うのも無理はないか…」


「…だろ?」


「…俺は生憎自分の事だけで精一杯だったから尊敬するわ!」


「それでなんだが…どこが前作と変わってるんだ?そこのところ詳しく聞きたくて」


「…ああ~ すまん。俺はあんまりシナリオ詳しくないぞ?」


「…はい?」


「シナリオなんてスキップしてエッチシーンだけ見てた類だから」


「…はあっ!?」


 この馬鹿っ!?エッチシーンだけ見てた類だったとは!?シナリオを見ろよなっ!?


「ほら、今の今まであんまりそういうの考えないようにしていたというか…。だってだぞ?真・凌辱地獄では俺こと本能寺幸の性別が女に変更されていて犯されるんだぞ!?そんなの思い返したくないだろ!?」


「馬鹿っ!?そこめちゃくちゃ大事なところじゃねぇかっ!?しかもそれって俺が助けなかったらお前犯されてたんじゃないのかっ!?」


「……えっ?」


「えっじゃねぇよ!」


「……マジかよ…。嘘だろ…」


「…多分間違いないだろ。今日起こった事はだいたい水前寺水樹のシナリオだろ」


「…そ、そういえば…俺と水樹と風花がイカツイ男達に犯されていたエッチシーンがあったような…」


「忘れんなよ!?大事なところだぞ!?」


 コイツ…馬鹿なのか…?


「な、なあ!城咲助けてくれよっ!?俺犯されたくねぇよ!?」

「ちょっ!?離れろっ!?」


 突然幸の馬鹿が抱きついてきた。


「頼むよ、城咲!た、確か、シナリオはそこまで大きく前作とは変わっていないとかなんとか書いてたような気がするし!?」

「そこはハッキリしろよ!?そこ分かんねぇーとどうにもならんだろっ!?とにかく一旦離れて──」

「──いやだぁーっ!?助けてくれるというまで離れねぇ」

「ああ、くそっ!?とにかく離れ──」


 ガチャ…!



 こんな時にガチャってなんだよ!?



「──幸!お茶とおやつを持って…きた…」



 あっ…幸のお母さんと視線がかち合ったわ…。依然として幸は離れるどころか逆にくっついてきやがるし…これは勘違い待ったなしだよな…。



「…ええと…避妊は計画的…にね?」



 

 ですよねぇ…。


 

















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