第40話愛と

「はいは~い!あなただけの性奴隷☆愛はコチラいますよ~~~☆」


「…街中でそんな大声でそんな事を叫ばないでくれる?愛の事は見れば分かるから」


「ふふっ…これは嬉しい事を言ってくれますねぇ☆愛の事は見るだけでイかせてるだなんて…軽く私の性感度が1000は上がりましたよ?」


「な、なるほど…ってそこは普通は好感度では!?まず見るだけでイカせられないし、そもそも性感度ってなんだ!?」


「素晴らしいツッコミをありがとうございます☆私は嬉しゅうございますよ?宜しければ全部この体を使ってご説明しますが」


「とりあえず愛とも約束したし、借りは返さないといけないしな…行くか?」


 ボウリングから数日後。今度は愛と出かける事に。


「はい。そうしましょう!時間は有限ですからねっ☆まずは…そうですね…あっ、あそこなんていかがです☆」


「んっ…何処?」


「あそこの寄り道バナナとイカリングと書かれているところです」


「んっ…あそこな…何の店か分かんないけど行ってみるか!──って、ラブホじゃないかっ!?何言ってんだ、愛はっ!?」


「ちぇ~っ ホントに駄目ですか?」


「駄目だろうよ…。そういうところは好きな人だな…。それに俺が本気にしてたらどうするつもりだったんだ?俺も男だからな?狼になっても知らないぞ?」


「そんなの骨の髄まで愛してもらうだけですがソレが何か?」


 さも当然みたいに言うのは止めて欲しいものだ…。このまま愛に任せていたら大変なところに連れて行かれてしまいそうなので俺が率先して動く事にするか。俺は愛の手を取り…


「じゃあ…あそこから行ってみようか?」


「…あっ…♡はい♡あっ…手を握られるのもいいですがこちらの方がわたくしは好きですよ?」


 ムギュッと豊満な胸を俺の腕に押し当ててくる愛。先日の日和の時もそうだったんだけど、これじゃあまるで…


「恋人同士みたいでございますね☆」


 だよなぁ…。愛も日和もそこら辺気にしないとな。


「ああ──っ!?って…ヤバっ…!?」


「──ちゃん…しぃ~ 声がでかいよ!?」


 なんだか…また聞き覚えのある女性達の声が聞こえたのだが?俺は後ろを振り返ろうとして…


「豊和様は今はわたくしとのデート中ですよ?そんな時に他所を見るのは無粋というものですよ♡」


 そう言って愛はウインクをパチリッ☆今日はどうやら愛に翻弄されそうな予感。まあ、愛が楽しそうならまあいいかと思いながら、まずは近くのお洒落な雑貨屋へと入る事に…。


 まあ、こんな風にはしゃいでいる愛を見ていると…あの時愛を助けられて本当に良かったと思えるよな…。





♢♢♢   


 愛はゲームには登場しない…。いや、正確にいうと登場したのはその名前だけ…。シナリオでいうと天音のシナリオで愛の名前だけが語られる。


 天音を襲う輩は捕まった体育の元教師の立物だけじゃない。覚えているかな?天音の元いた芸能事務所の存在を。まあ、とにかく…そこの社長達からみんなの慰めものにされ、一日中犯されて、誰の子か分からない子を孕まされて、リョナされた挙げ句亡くなったという話を天音が社長から直に聞かされるんだ…。お前もそうなりたいのかって感じで…。


 その亡くなった女の子が愛。



 結局ゲームではそれ以上、愛について語られる事はなかった。だけど胸糞悪い話だろ?だから悠介さんの協力を得てあそこを潰したんだよな。悠介さんの政敵とも繋がっていたし一石二鳥だったんだ。


 潰した時…愛はすでにその社長の元に碌でもない親に売られた後だったんだけど、まだ何もされていなかった。もう少しでヤバかったんだけどな…。直後に動いたのが功を奏したって奴だ。



 まあ、それでなんやかんやで悠介さんの元に養子に入ったんだよなぁ…。





♢♢♢



「──どうされました?わたくしとのデート中でございますよ?まさか他の女性の事を考えていませんよね?」


「…愛を助けられてよかったとあの時の事を思い返していただけだよ」


「っ!? そ、そうですか…。わ,わたくしの事ならしょうがありませんねぇ☆しょうがないついでに裸になりましょうか?お礼に処女は捧げますよ♡」


「とりあえずそれはスルーしようかな。まあ、あの時は悠介さんと麻美さんの娘になって優花の妹になるとは思ってなかったけどな」


「…それは…そうですね…でもお父さんとお母さん…それにお姉ちゃんはわたくしに寄り添って下さいましたからね…それに…」


「…それに?」


「一番はあなたの傍に居たかったからですよ?」


 ──パチリとウインクしながら、とびきりの笑顔でそんな事を話す愛。女性経験が乏しい俺をあまりからかわないでもらいたいんだけどな?


 さては自分の笑顔の破壊力を知らないんだな?


「おやおやぁ~ どうなされました?お顔が赤いようですが?」


「それは」


「それは?」


「愛が可愛いから…」


「…もしかして風邪でもひきましたか?熱があるやも知れませんね?では…失礼しますね?」


「…はっ?」



 すぅ~っと流れるような動きで俺の額に自分の額を重ねる愛。遠くから「「ああっ!?」」と、聞こえたのは気の所為だろう…。


「くすっ…熱はありませんね?」


「そりゃあ…ないよ…」


「いいですか豊和様…。からかうのはこれくらいはしないと☆」


 愛が口を開く度にその甘い吐息がかかる。これはホントに心臓に良くないな…。からかうつもりがめちゃくちゃからかわれてるし…。


 そんな事を思っているとバタバタとこちらに向けて駆けて来る足音が2つ。


「こ、こら、愛!豊和君からっ…は、離れなさいよっ!?何を額と額をくっつけてるのよ!」


「お姉ちゃんは先日手でいかされたうえに激しくディープキスしたでしょう?」


「んなっ、ななななななっ…」


「愛ちゃん離れて!豊ちゃんは豊ちゃんで何を赤くなってるのっ!?」


「凛様もすれば宜しいのでは…?」


「…はっ!?その手があるの…?」


「凛ちゃん!?愛に騙されないで!?」



 またこの二人は尾いてきたんだな…。


 ふと、愛は重ねていた額を離し、優花と凛へと視線を向けた。


「ところでお姉ちゃんと凛様はどうしてここに?邪魔はなしの筈ですよ?先日も日和様の邪魔をしていましたよね?」


「「そ、それはっ!?」」


「いいですか?今度誰かの邪魔をしたら二人のあられもない姿が誰かさんのパソコンのフォルダーに入るやも知れませんよ?」


「「うっ…卑怯な…」」


「卑怯でもなんでもありません。お二人とも反省して下さい」


「「…はい…」」 


「さて…邪魔が入りましたので今日の二人っきりのデートはどうやらここまでみたいですね?」


 優花とワイワイ話していた愛が再度俺の方へと近づいてきてそんな事を口にしながら─



「とりあえず…先日の分いただきますね?」


 先日の分をいただく…?一体何の事…っ…?



“ちゅっ…”



「…えっ?」

「んなっ!?あ、愛っ!?あなた!?」

「愛ちゃんっ!?」


「唇と唇は…今度ベッドの上でですね♡」


 頬にキスをされて…そして…イタズラが成功したかのように愛は笑っている。


 俺はというと優花と凛から隙が大きいと理不尽に何故か怒られる羽目に…。


 俺は何もしてないんだけどなっ!?






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