第32話優花と凛と…

「今日はどうしたの?」


「ああ…うん…色々あったから…優花ちゃんとちょっと話しておきたいなって…」


「…色々?」


 凛ちゃんから電話があった。直接会って話したい事があるって…。それならと凛ちゃんを私の家に招いたわけなんだけど…凛ちゃんが言った色々っていう言葉が妙に引っ掛かるのよね…。

 

「…色々って言っても豊和君に関する事よね?」  


「…ま、まあ…その…うん」


 豊和君の名前を出しただけで頬を染める凛ちゃん。コレは豊和君が何かやらかしたのよね?


 ま、まさか…つ、付き合うようになったとかは言わないよね!?

  

「そ、それで…な、何があったの?」    


「えっとね。話すと長いんだけど──」



 私は話を聞いてとりあえずホッと息を吐く。それにしてもやらかしてるわ…かなりやらかしてるわよ豊和君…?ホントにあの馬鹿っ…。


 凛ちゃんからの話を最後まで聞いて思ったのは安心とそれだった。


 凛ちゃんが苦しい嫌な思いをしていたと聞いた時は…


『──っ…な、何で私に相談してくれなかったのっ!?』


『恋敵ではあるんだけど…その前に私達親友じゃない!凛ちゃんがそんな事になってたなんて…私っ…』


 

 ─と、私の思った事をありのまま凛ちゃんに伝えたんだけど…問題はその後なのよね。


「はっ…?はぁーっ!?添い寝したっ!?しかも抱きしめられたまま眠ったっ!?」


「えへっ…♡…うん…そうだよ…」


 いやいや…えへってそんな可愛く笑われても…


「しししししし、しかも…凛ちゃん豊和君と…その…き、キス…したって言うのっ!?」


「…うん…でも…豊ちゃんは…知らないんだけどね…。眠っている豊ちゃんの額に額を合わせてたら…偶然顔がね…動いちゃって…ちゅっって」


「アウトっ!アウトッ!アウトよっ!?完全にそれって凛ちゃんもやらかしているじゃないのっ!?」


「…だ、だって…助けられて…想いが溢れちゃったんだもん…」


「うぐっ…だもんって…それは…そうなるだろうけど…」


「そ、そもそも…私だけじゃなくて優花ちゃんもしょっちゅうやらかしてるよねっ!?」


「そ、それは…その…じ、事故だし…」


「しかも…お互いファーストキスって認識してるんだよねっ!?」


「…そ、そりゃあ…私はそう思ってるけど…豊和君は…そう思ってないと思うし…」


「どっちにしても優花ちゃんもアウトだよねっ!?」   


「…も、黙秘させて…」


「都合が悪くなったら黙秘しないでよ!?」


「で、でも…流石に胸の谷間を見せるのはアウトでしょっ!?しかも…膝枕までしてあげて。そして気絶した豊和君に何度も唇を重ねたんでしょっ!?それはアウトよ!反則よ!反則以外ないもん!?」


「…胸を持ち上げて見せもしたよ!」


「そんなの持ち上げて見せないでっ!?」


「えへへっ」


「えへへじゃない!私より大きいからって…」


「ええと…ごめんね?」


「謝らないで…そのうち私も大きくなるもん…」


「うん」


「…まあ、なんだかんだ言っちゃったけど…」


「うん?」


「…同じ人を…豊和君を好きになっちゃったから…仕方ないよね…」


「…うん」


 親友でもあり…恋のライバル…。ううっ…私自身豊和君以外はあり得ないし…かといって凛ちゃんに悲しい思いはしてもらいたくないし…


「…ままならないね?」


「…うん」


 凛ちゃんも同じ様に思っていたみたい。でも…


「「負けない」」


 私達の声が重なり…私と凛ちゃんは笑い合う。


「じゃあっ!ハーレムを作ればいいんじゃないですかっ☆」


 その時…私の部屋のドアが開き…そんな馬鹿な事を言う女性の姿が視界に入る…。


 妹の愛だ…。


「…愛は何言ってんの!?しかも勝手に部屋に入って来ないでくれる!?ノックくらいしなさいよね!?それに私は今、凛ちゃんと話してたんだけどっ!?」


「部屋に入るなとお姉ちゃんが言うのは励んでいたら困るから?」

 

「なっ!?ち、違うわよ!は、励んでなんかいないし…じょ、常識だから言ってるのよ!?」   


「励んでいたじゃないですか?先日壁尻を体験した後にっ☆」  


「か、壁尻言うなぁぁー!しかもなんであんたがそれを知ってるのよっ!」


「ちょ、ちょっと!?私それ聞いてないよ優花ちゃん!?どういう事かなっ!かな?」


「ち、違うのよ!?あ、アレはお母様が…」


「お姉ちゃんは私が知る限り三度は達していましたよ☆」


「愛は余計な事言わないでくれるっ!?さ、三度も達してなんかいないわよ!?」


「ほう~☆ホントに?ホントのホントにっ?」


 くっ…愛が物凄くウザいわ。この顔は全て知ってる顔よね…。


「…と、とにかく──」

 

「優花ちゃんが話を誤魔化そうとしてる」


「誤魔化しきれていませんけどね☆」


 と、とにかく…愛が来たことによって話はもう滅茶苦茶…。この後は主に下ネタのオンパレードとなる事に…。



「そ、そりゃあ…私も…た、たまにはするけど…」


「私は毎日してますよ☆」




 そ、それはそうよね…。せ、性欲はあるんだもん。だ、だから…私もするのは当然なんだからね…? 



 まあ、結局…話は豊和君の事ばかりに…





 みんな…豊和君が好きだから…仕方ないことなんだけどね…。



 豊和君の馬鹿…。 




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