第6話
──光ト陰ガ明滅スル林道ニ、前カラ黒イ炭酸飲料水ガ泡ト一緒ニ吹キ上ガル、前方ノ悪フザケハばいくニヘバリツキ、後後川ノ水デ洗車シナケレバナラナイ糖分ノしゃわぁぁガ互イニ噴射サレル、清涼飲料水ノ青臭イ制服ト部活動デハナイ、黄色イえなじぃぃどりんくハ野球選手ノ物ダ、郊外カラ脱出シタ勉強ノ不出来ナ輩ハ、すぷらっしゅナ飲ミ物ダケデ弾ケ、ブッ飛ベル──。
──旧車カラ新車マデ、昭和ノ形状カラ平成ノふぉるむマデ、時代ヲ隔テナイばいくノ群ハ尽キナイ爆竹ノママ七福神ノ埠頭ヘ走ル、夢見心地ノ速度感ハイツマデ続クノカ、さぁぁびすえりあニ着イタラ終ワッテシマウノカ、終着地ヨリモ経過ニ長イえねるぎぃぃガ放出サレル、止マッテシマエバ、マサニオ仕舞イダ──。
──孤独ナ彷徨ハ盛リ上ガラナイ、素面ノママデハ、友人トイウ熱源ガ傍ニイナケレバ、一人薬物ヲ共ニシナイト、冷静ガ現実ト未来ヲ暗ク見ツメテシマウ──。
──過ギ去ッタ高校生ノ夏ハ、一年モ二年モ永遠ダッタ、ソレカラ学期末ニナリ……、大学ハ、二ノ舞三ノ舞ダ──。
──無人ノがそりんすたんどニアッタ冷蔵庫カラびたみんどりんくヲ何十本ト盗ミ、仲間内デしゃんぱんふぁいとシタ夜中ノ谷間ノ近ク──。
──かっぷる二組自動車ノ中デ怯エテイルカラ、鉄ぱいぷヲ背負ウ群ノ一台ヲ真似シテ、えんじにあぶぅぅつデ扉ニ蹴リヲ加エタ──。
小田急線のレールが見える前から、山間の雰囲気が思い出を突き上げた。何十回と通った路線ではないが、幼い頃から目で映じてきた決定的な自然風景は旋律を持っていた。うねる四十八瀬川と交差して走る電車に道路も加わり、異なるアングルから外気の音と空気を味わった。電車の速さで進まなくても、小さなバイクで走った道志川へ向かう山道のように曲がりくねり、渓流の自由な動きに沿って縫うビッグスクーターのスピード感は、煌びやかな水と光が萌え出した草木も一緒に歌っていた。数日前から期待に湧いた心は後ろめたさなど一切残さず、学業と学費だけでない空費を屑箱に放ると、開放感が未来の在りかを断言した。
──電話ガ鳴ッテ、救イノ誘イニ縋ッタ、一年デ仕上ゲル予定ノ詰メ込ミガ突如制度改正サレ、最低二年ハカカル苦役ニ行キ詰マッタバカリダッタ──。
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