その旅人、実は最強につき〜のんびり気ままに暮らしたいのに叶いません〜
真白いろは
0章 プロローグ
私は
爽やかな風が、私の髪を揺らす。
ザクザクと音を立てる土も、目の前で輝く朝日も、全てが新しく洗われたようだ。
私は旅人。言ってしまえば、ただの冒険者。けれど私の夢は、父のように世界中を旅して、広く深い知見を持つ人になることだった。幼い頃に母親とは死別し、今や父は腰を据えて商店を営んでいる。
この世界には、ダンジョンや魔物が存在している。故に私もちょっとは魔法が使えるが、魔法使いや僧侶ほどではない。武器も使えるが、勇者や戦士ほどではない。かなり中途半端な存在と言えるだろう。だから旅人は、魔力にも才能にも恵まれなかった人が多い。だが旅人は、生き抜く術を熟知している。土地勘のない場所でも、ダンジョンの中だろうと。そして少し、私には少し自慢できることがある。
私は現在15歳なのだが、旅人になって10年が経過しようとしているのだ。
いや、初めは父と一緒だったから正確的には8年だが、それでも人生の半分を旅に捧げている。
本来ならパーティにでも所属するべきなのだろう。なにか別の職業を探したほうがいいのだろう。けど、私にはこの生き方が合っているのだ。
さあ、今日はどこに行こう。
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