第26話
屋敷に戻った僕は護衛の騎士たちと共に父さんの執務室に向かうことになった。
「父さん、ただいま帰りました。」
「おかえり、カナタ。それで初めての魔境はどうだった?」
「凄かったです!」
初めて歩く街の外、馬車移動ばかりだから歩いたことのない街道、初めての魔境に森の中、初めてのこちらを殺そうとするモンスターの討伐、本当に初めてばかりのことで凄かったと言う感想しか思い付かないほどだった。
「あ、それでこれが今回の探索の成果だよ!」
魔境・獣の森で採取した素材やモンスター素材が入ったマジックバックを父さんに渡した。
「これは私の方で捌こう。他にも話したいことがあるが、騎士たちには聞かないといけないことがある。カナタは湯浴みをしなさい。話は夕食の時にしよう。」
「はい!分かりました!」
僕は一度父さんに頭を下げてから執務室から退出した。
そして僕の専属メイドに湯浴みの準備をするように言うと、湯浴みが出来るようになるまでの間の時間をゆっくりと身体を休めて過ごした。
それから時間は経ち、湯浴みを済ませた僕は夕食の時間になり食堂へと向かい、時間になって夕食が始まった。
「それでカナタ。騎士に聞いたのだが大量のスライムを獣の森に放ったそうだな。」
「はい。そうです。駄目でしたか?」
「ああ、奥で大人しくしているモンスターが動き出す可能性がある。今後はそんなことはするなよ。」
「はい。分かりました。」
これは僕の考え足らずの行動の結果だ。父さんに怒られても仕方がない。もし父さんの言う通りの事態にならば、仮想の強いモンスターが表層や中層に現れるかも知れないのだから。
夕食を終えたらすぐに獣の森の探索をしているスライムたちを送還することにしよう。流石に食事中にそれをするのは止めて置いた方が良いと思うからだ。
それからの夕食では俺が獣の森で倒したモンスターの話や採取した物の話を行ない楽しく夕食は終わった。
夕食後、僕はすぐに自室に戻って獣の森を探索しているスライムたちを送還する準備を始める。
「リム、獣の森のスライムたちと情報のやり取りって出来る?」
『うん!出来るよ、マスター!』
「それなら頼むよ。向こうが送還することが出来るようになったら教えてくれる。送還するから。」
『分かったよ!』
プルプルと身体を震わせながら情報のやり取りをしているリムを眺めながら、僕はいつでも獣の森のスライムたちを送還することが出来るように準備を済ませていく。
これであとはリムからの合図を待つだけになった。まだなのかとリムを眺めていると、プルプルと震えていたリムが突如動きを止める。
『モンスターも採取した物も吸収したから送還して良いよ!』
「よし!」
リムの合図で獣の森を探索している全てのスライムたちを送還することに成功しガッツポーズを取ってしまう。
「リム、スライムたちは何処まで進んだのか分かる?」
『分かんない!でも強いモンスターと戦ってたよ。かなり苦戦したみたい!それにまだ見たことのない草も食べたって!』
「これは新しいスライムにも期待出来るかも。見てみよう。」
早速僕は召喚可能なスライムの数が増えていないかを確認した。すると、召喚可能なスライムの数が増えていた。増えていたスライムはこのスライムたちだ。
スライムプラントフラワー
多種多様な植物の花や蕾を捕食した事で進化した特殊なスライム
土色の体色をしている身体が見えないほどの花や蕾で覆われており、魔力を消費して花や蕾生やしている。
ただし生やす事が出来るのは植物の花や蕾は捕食した事のある植物だけだ。
また、魔力を消費する事で周囲の植物に特に花や蕾に干渉して成長させたり、植物を特に枝部分を操ることが出来る
光合成を行なう事で捕食行動を行なわなくても死なない
攻撃方法
体当たり
体内に取り込んでの消化
花の部分から花粉を飛ばす(花粉の種類は生成可能な花に寄って効果が変わる)
魔力で強化した蕾での殴打(蕾に寄って威力や効果が変わる)
植物操作(特に花の部分)
光合成
体長30センチ
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