第24話
それからも森の中を素早く動けるスライムビーストや新しく召喚した上空から攻撃を仕掛けられるスライムバードとスライムインセクトを加えた結果、遭遇する獣系のモンスターは一度も僕のところまでたどり着いていない。
やはり数の暴力は凄いと改めて思う。1匹のモンスターに対して最低でも5匹は集団で攻撃するのだ。
いくら最弱の系統であるスライム系モンスターでも、数で囲めば魔境・獣の森のモンスターでも問題はない。
それが分かったのは今日の探索の成果の1つだろう。この場所なら大量のスライムを召喚させてスライムだけで探索させても余程のことがなければスライムたちの全滅はなさそうだ。
「スライムたちだけで探索させても良いと思う?」
「どうでしょうか?少し話し合ってみます。」
護衛の騎士たちだけで話し合いをしている間に、僕は探索させるならどのスライムたちでグループを作るのかを考える。
今現在でさえかなりの数の種類のスライムを召喚することが出来る。だからこそ召喚するスライムをどうするのかで悩んでしまう。
ハイスライム、ラージスライム、スライムファイター、スライムマジシャン、ウォータースライム、アーススライム、スライムプラント、スライムプラントリーフ、スライムプラントウッド、スライムビースト、スライムバード、スライムインセクト、スライムスネーク、スライムリザード、ポーションスライム、パラライズスライム、スリープスライム、ミートスライムを召喚しようと思う。
ほとんどは戦闘用のスライムだが、ラージスライムは倒したモンスターの素材を運ぶ用に、ポーションスライムはスライムたちの回復だ。
パラライズスライムとスリープスライムはモンスターを動けなくする状態異常の為に、ミートスライムは完全な囮にする予定だ。
ウォータースライムとアーススライムは戦闘だけではなく、魔境・獣の森の水と土を吸収させることも頼んでいる。
スライムプラント、スライムプラントリーフ、スライムプラントウッドは魔境・獣の森で育っている植物を捕食させて生成可能な植物を増やす予定だ。
ウォータースライム、アーススライム、スライムプラント、スライムプラントリーフ、スライムプラントウッドは今回の探索で少しでも生成可能な物を増やして欲しい。
その為、戦闘や採取の為にも1つのグループに3匹ずつ召喚するとして54匹は最低でも召喚しないといけない。
でもこれくらいなら問題なく召喚することが出来る。今の僕の最大魔力の10分の1も使わないくらいだ。
だから許可を得られれば5グループくらいは作って魔境・獣の森の探索をスライムたちだけでやって貰おうと思う。
「カナタ様。我々で話し合った結果、冒険者たちが攻撃して来ても反撃しない、必要以上に魔境を荒らさない。この2つを守るのなら大丈夫です。」
「採取するのはまだ捕食させてない物にするよ。でもモンスターを倒すのは良いんでしょ?」
「モンスターは構いませんよ。倒しても倒しても湧き続けますから。ですが、普通よりは早いのですが植物はすぐには育たないので。」
「うん。スライムたちには言っておくよ。」
そうして許可を取れた僕はスライムたちを召喚する。一度に召喚するのは1グループまでだ。説明自体はリムを通じて全てのスライムに届くので問題はないだろう。
1グループ、2グループ、3グループ、4グループ、5グループと召喚して探索に向かわせれる。
その行動を見て護衛の騎士たちは小声で獣の森のモンスターが全滅するんじゃないかと話しているが、スライムたちも探索の途中でモンスターに負けるスライムもいるだろうし、そこまで酷い事態にはならないはずだ。
5グループ全てが探索に向かったのを確認すると、僕たちもこの場所から移動してスライムたちが向かった方向とは違う方向へと探索を再開する。
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