謎の敵出現

 甲田信次が乗っている船に、小さな船が近づいてきた。斥候が乗っている。

「申し上げます!敵襲です!」

「なんだと?上杉軍は撤退を始めたんじゃなかったのか!?」

「織田軍です!」

「織田軍だと?」

 武田軍の別働隊の船も到着した。

「お館様が巨大クジラに変貌したと聞く」

「まことなのか?」

 信玄が海から現れた。

「まことであった!」

 上杉軍の船までやってきた。

「信玄殿!我々も織田軍の襲撃を受けた」

「私には理由はわからない」

 向こうから鉄甲船がやってきた。

「理由なら、説明してあげる」

「織沢信景!」

「なぜあんたがここに居るんだ?」

「あなたたちはわかるはず、信長様はご存命の時に武田信玄と上杉政虎に裏切られた。その復讐というわけよ」

「一体ここは何時代なんだ!」

「中新世中期よ。リヴァイアサン・メルビレイがちょうど絶滅した頃ね。リヴァイアサン・メルビレイは超音波を使うことができるにもかかわらず、私を倒すために仲間を呼ぶことができない」

 一人の人間が現れた。その人間は西洋風の鎧を身につけている。

「余は織田信長!信玄と政虎の存在を、歴史上から抹殺するためにやってきた」

 織田信長は変貌した。サメとクジラの天敵、シャチの姿に。信長は超音波を使ってほかのシャチを呼んだ。そして、船に乗っていた村上義清をさらった。

「村上殿!」

「村上殿を連れ戻そう!」

「そんなことしている場合ではない。織田信長を先に倒さねば!」

「織田軍の目的は我らを殺すことであって、村上殿を殺すことではない。織田信長を倒すことさえできれば、村上殿を救出することができる」

「そうしよう」

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