第6話 結婚式

ドレス選びから数ヶ月。あっという間に結婚式となり私は朝早くから使用人達に身支度を整えられた。


「とてもお綺麗ですエストレッラ様」


「あ……ありがとう。」


「さぁそろそろ参りましょうかシエロ様がお待ちですよ」


使用人の言葉に私は軽く頷き宮殿内にある教会へと案内された。外から見ても綺麗に飾り付けられていた。教会の扉が開かれれば中にはこの国の貴族の人達、そして中央には司祭様がいた。


「さぁエストレッラ様。皆様が貴女を待っています」


その言葉を聞いたあと私はゆっくりと歩き教会の中央へと進んだ。小さく聞こえる貴族の声には聞こえないふりをして私はシエロの隣へと並んだ。



「とても似合っているよエストレッラ」


「……ありがとうございますシエロ。」


小さく告げてきたその言葉に瞬きをしたあと私はそう告げた。私はゆっくりと司祭様の方へと向けば司祭様は口を開いた。


「天の星々が輝きを重ね、地の精霊が祝福を囁くこの日、我々はここに集い2つの魂の永遠の契りを証する。古の神々の名において汝らの誓いは風に乗り炎に刻まれ水に流れ土に根差すであろう。この誓いは闇を照らし運命を紡ぐ。互いの心を盾とし愛を剣とし共に未来を切り開くことを誓うか?」


「神々の名において誓います」

「……誓います」


私はシエロに続くようにそう告げれば司祭様は小さく頷きもう一度口を開いた。


「されば聖なる契約は成された。星々の導きと神々の加護のもとに汝らは1つの魂として永遠に結ばれる。ここに集いし者たちよこの喜びを歌い祝福を響かせたまえ。今、宴の時ぞ!」


司祭様のその言葉を聞いた貴族達は立ち上がり拍手を響かせた。私は瞬きをしながらシエロを見つめれば目が合い、シエロは軽く笑みを浮かべたあとそっと私の手を握った。


「これからよろしく頼むよエストレッラ」


「……はいシエロ。」


私はそう告げて握られた手をそっと握り返し貴族達の祝福を受けながらシエロと教会を後にした。

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心が凍った氷雪姫の心を溶かしたのは夜空の瞳を持った王子様でした 綴音華柏(つづねこはく) @kohaku_1105

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