第3話 エターニア宮殿
馬車に揺られること数時間。ようやく目的地である宮殿へとたどり着けば私は軽く伸びをしてから馬車を下りた。
「お待ちしておりましたエストレッラ様。ようこそエターニア王国へ。歓迎致します」
「……えぇ。よろしくお願いいたしますわ」
私は宮殿の使用人であろう人に荷物を持ってもらい宮殿の中へ案内されながら周りを見渡した。自分の国とは全く違う帝国の景色や服装。全てに気を取られながらも自分の部屋として案内された先はとても広く綺麗で豪華な部屋だった。
「ここが……私の部屋ですか…?」
「お気に召さなかったでしょうか……」
「……いえ。素敵な部屋をありがとうございます。あの国王陛下にご挨拶をしたいのですが」
「かしこまりました。陛下の執務室へご案内致します」
使用人はそう告げたあと私を国王陛下がいる執務室へ案内してくれた。部屋の扉を軽くノックをして「エストレッラ様をお連れ致しました」と告げた。部屋の中から「入りなさい」と声がかかり私は「失礼致します」と告げて開けられた部屋の中に入った。
「ようこそエストレッラ嬢我がエターニア帝国へ。心より歓迎しよう」
「ありがとうございます国王陛下。お会いできて嬉しく思いますわ」
「そう畏まらなくても良い。これからはこの城に住むんだ。楽にすればいい」
「はい国王陛下……ありがとうございます」
私はそう告げて軽く頭を下げたあとゆっくりと顔を上げればドアが勢いよく開けられた。
「……シエロ。少しは落ち着いたらどうだ?」
「も……申し訳ありません……!エストレッラが到着したと聞いて……」
そこには私の夫となる人物……シエロが少し息を乱しながら立っていた。私は少し瞬きをしたあと彼の方を振り向き軽く頭を下げた。
「シエロ様。ご挨拶が遅れて申し訳ありません」
「い……いや気にしないでくれ。出迎えもできなくて申し訳ない」
私たちがお互い謝っていれば小さな笑い声が聞こえてきた。その声に釣られるように私たちは顔を見合せ小さく笑みを浮かべた。
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