第16話 調査獣団VS煌めきファッション

「折角だしキイとフウマで新カード回してよ。」


 龍ケ崎の一言により、二人のビートが始まった。

 正直二人ともどんな回し方をするのか知らないから楽しみだ。



「「ビートを刻め!」」



キイ一ターン目


「僕のターン。エレメントを置いて、デクレイション"解れた糸"!手札一枚を山札に戻してシャッフルして、山札の一番上から一枚ドロー。

 ターンエンド。」

 

 あの手札交換強いなぁ。


フウマ一ターン目


「俺のターンドロー、エレメントをセットしてトラップを設置!ターンエンドだ!」


 見た目的に速攻かと思ったけど違ったか。


キイ二ターン目


「僕のターン。ドローしてエレメントを置いて、トラップカードをセット。

 ニコストで"クリスタル・ティアラ"をプットオン!」

 

 すると、カードに描かれていたクリスタル・ティアラが纏身の頭に装着された。

 ……………………?また知らんギミック出てきやがった…………………カードが現実に干渉するのはパートナーだけじゃないのか?

 他のやつらは何にも反応してないし、こういうのもあるんだなぁ。


「装備効果により、一枚ドロー、ターンエンド。」


フウマ二ターン目


「俺のターンドロー、エレメントをセットしてニコスクリエート、親愛なるネフス!」

「どこ行くっちゅ?」

 旅行かばんを背負った丸眼鏡二足歩行のネズミ。

「効果で俺の種族、インヴィスティゲーター・アニマルズの使用コストを一下げられるぜ!

 ターンエンドだ。」


 

キイ三ターン目


「僕のターン。ドローしてエレメントを置いて、三コストでオックス・ブーティをプットオン!」

 今度は纏身の靴が変化した。

 なんかおしゃれそうなやつだ。

「ターンエンド。」



フウマ三ターン目


「俺のターンドロー、エレメントをセットしてクリエート、捜索者・ハットドッグ!」

「やるか…………」

 白いブルドッグがカウボーイハットを被りながらホットドッグを咥えていた。

 どういう状況?

「こいつはスピード状態だから即攻撃が可能だぜ!」

「ライフで受けるよ!」

キイライフ六→五

「いつもみたいに展開が遅れないと良いな?ターンエンドだ。」



キイ四ターン目


「一言余計だよ!僕のターン。ドローしてエレメントを置いて、四コストでドレスアーマー・アリスクイーンをプットオン!」

 纏身の宣言により、煌びやかな金色のドレスアーマーが、纏身に装着された。

「アリスクイーンは上半身と下半身二つの効果を持つから、これで条件クリア!

 装備した三つのカードを繋げて一つのファミリアとして扱う!」

 

 纏身の身に付けていた服が光ると、それが消えて纏身のような顔をしたファミリアがさっきの纏身と同じ格好でクリエートされていた。

 なるほど、こうやってファミリアを出していくのか。


「更に、アリスクイーンの効果により、山札の上から四枚を裏向きにして、コスト一、パワーディフェンス共に百のトランプ兵として扱うことができる!

 さぁ、アリスでアタック!」

「ライフで受けるぜ!」

フウマライフ六→五

「ブーティの効果で、攻撃の終わりに手札を捨てることで一枚ドロー出来る。ターンエンド。」


 

フウマ四ターン目


「俺のターンドロー、エレメントをセットしてトラップを設置。からの一コスト軽減で四コストでクリエート!調査団のまとめ役・メリサ!」

「やっほー!」


 赤いリボンをつけた茶髪の少女が双眼鏡を首から下げながら現れた。アニマルズは人間も含んでるのか?

 あ、よく見たら狐耳だわ。


「登場時効果で、山札の上から三枚を捲り、好きな順番で山札の上と下にセットできるぜ!

 続けてハットドッグで攻撃!」

「ライフで受けるよ!」

キイライフ五→四

「メリサは味方の攻撃時にも登場時効果を使うことが出来る!」


 す、すげぇ………あのメリサ強いな…………そして可愛いしデカイ………………どこがとは言わんが。


「ターンエンドだ。」



キイ五ターン目


「僕のターン。ドローしてエレメントを置いてコスト五で"エンハンスパワー"!フィールドにいる自分のファミリアにこのターンパワーをプラス3000して、攻撃時一枚ドロー出来るを付与する!

 トランプ兵で一斉攻撃!」

「そこでトラップ発動!"密林の地雷"!山札から相手のファミリアの数だけ自分の山札を捲り、ファミリアが出た枚数分相手は自身のファミリアを指定して破壊する!

 出たのは三枚だ!」

「っ!トランプ兵を三体破壊、だけど一体は残ってるし、四枚も引けたよ?

 ターンエンド。」

フウマライフ五→四



フウマ五ターン目


「だからどうしたって話だがな。俺のターンドロー、エレメントをセットして………御披露目の時間だぜ!

"未開の探求クエスチョンアンサー・アイノス"!」

 フィールドに砂塵が舞い、何処からともなく黒髪を七三分けをしたアリクイがメガネクイをしながら優雅に現れた。

「あなたの資格、見極めさせていただきます。」


 この世界のレア、そんなのパートナーカードしかねぇよなぁ?


「登場時効果で、自分と相手の山札の上から五枚を見て、俺が好きなように山札の上と下に入れ替える!」

「そんな!」

 おぉ、カードが浮かんでやがる…………流石ぁ。

「そしてハットドッグで攻撃の時メリサの効果発動!三枚を入れ換える!」

「ら、ライフ!」

キイライフ四→三

「ターンエンドだ。」



キイ六ターン目


「僕のターン。ドローしてエレメントを置いてコストをあわせて六支払い、"至高のビキニアーマー"、"鞣革のブーツ"、"早暁のネックレス"をプットオン!

 条件クリア!」

 すぐに条件を達成したためか、現実の纏身に変化は無かったが、代わりに纏身のアバターは現れた。

 もちろんビキニアーマーで……………

「ビキニアーマーの効果で手札を二枚捨てることで、相手のディフェンス値が三千以下のファミリアを二体破壊!対象はネフスとメリサだよ!」

「ちゅちゅ………」

「きゃー!」

「そしてアリスアーマーで攻撃時、手札を一枚捨ててもいいんだ。捨てられた時、相手のトラップを一枚墓地へ!」

「な!?」

「ハットドッグを攻撃!」

「やられちまった…………」

「ターンエンド!」



フウマ六ターン目


「フッフッフッ………どうする?フウマ。」

「はん!ンなもん当たって突破だ!俺のターンドロー、エレメントをセットしてレコードワーカー・トウキをクリエート!」


 一見ショタだ………が、彼にも動物耳が付いてるのか?


「い、行きますぅ!」

「めんどくさいの出してきたね…………」


 む?…………あぁ、そうか。こいつら日常的にバトってるのか。


「トウキの登場時効果で、山札の上から一番上のカードのコストを宣言する。それが合致していれば、即発動!

 宣言するのは九!」

「最悪……………」

 フウマが手にしたのは九コストのカード。

「意外な仲間・スフィンコスをクリエート!」


 うん、どう見てもスフィンクスだね。

 著作権配慮か?


「スフィンコスの登場時、相手のトラップとファミリアを一枚ずつ破壊!」

「残念、トラップ発動!"防臭対策"!場のカードが破壊される時、発動できる!その効果を無効化し、一枚ドロー!」

「フッ。」

「な、何がおかしいの?」

「いや、昔の俺ならここで慌ててただろうなって、考えてたのさ。」

「だろうね。」

「だが、俺にはこいつがいる!アイノスで攻撃時、山札からスペルを一枚使用してもよい!

 俺は"追憶の石板"をデクレイション!墓地にある三体の無念を力に代えるぜ!ネフス、メリサ、ハットドッグのパワーディフェンス値をアイノスに加算!

 アリスアーマーを攻撃し、アイノスはオーバードライブ持ちのため、プレイヤーにも攻撃!」

 

 ディフェンス値の高いアリスをぶち抜いたな。

 それにオーバードライブか、最近よく見かけられる能力らしい。

 効果はそのままファミリアを攻撃して破壊成功した場合のみ、相手のプレイヤーにも攻撃できると言うものだ。


「くっ!」

キイライフ三→二

「更に!スフィンコスの能力でトウキを破壊し、アイノスをスタンバイ状態に戻して、打点を一プラス!」

「ヒュッ………」

 風間の宣言に纏身は声すら出せなかった。


「まぁ、及第点としましょうか。良きビートでした。」

 アイノスが最後までメガネクイをしながら纏身に迫った。

「うわあぁぁ!」

キイライフ二→ゼロ


「勝ったぜぇェェェ!」

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