元々は「こえけん」用に創作されたこの作品は、場面の合間に小さな音の説明が挟まれ、主人公は作品を読むあなた自身です。雨の降る下校時にひとりの女の子と出会い、読み手は彼女と会話をしながら物語が進んでいきます。
この女の子が、めちゃくちゃに可愛いんです!ただのぽやっとした天然ではなく、さまざまな不思議系ワードを繰り出してくる斜め上っぽい会話がとにかくかわいい。意味がよくわからないながらも、こんな子とならずっと一緒にいたい!といつしか読み手はぐっと心を掴まれてしまうことでしょう。ラストのやりとりにもきゅんがいっぱい詰まっています。
雨の小さな帰り道の、ふんわり温かいやりとり。ぜひお楽しみください!
タグに「間に合わなかった元こえけん短編」とあるように、こちらの作品は第3回「G’sこえけん」音声化短編コンテストへの応募のために書かれたもの。SE///表記や原稿を彷彿とさせる書き方から、音声・映像として視聴することを想定して執筆したときの名残が垣間見えます。
音や声だけで癒せる作品にするのは、ものすごーく難しいことでして。3年連続で応募作品を書かれている作者さまだからこそ、セリフに元気なヒロインの可愛らしさを載せるのが自然に見える芸当ができるのです。
傘を忘れてしまった女の子に、声をかけた主人公。一応、隣のクラスの子ではあるものの、特に接点がある訳でもない……。それでも傘だけ渡して去ろうとする心意気は素晴らしいです。
当然ヒロインは主人公が濡れたら大変だと引き留め、一緒に帰る流れになるのでした。
どんよりとしてしまう雨の日に紡がれる、可愛い女の子との素敵な時間を見届けて。