エピローグ

「はいっ! 今日の分!」

「ん。ありがとう」

 意気揚々と差し出された交換日記を受け取る。まさか今日も渡してくるとは。……てっきり、3、4日もすればやめると思っていたのに。

 でもそれも今日で終わりだろう。今日は実幸が続くだろうと自己申告していた──7月31日。まあ、よく続いた方だ。

 実幸が書いた分を読み、ノートを閉じる。明日から8月……確かに、時間というのはあっという間に経っていく。ついこの前、7月になったばかりだと思ったのにな。

 その心の声は、帰ってからノートに書いて実幸に渡すとして。俺はノートを鞄の中にしまうと、鞄を掛け直した。

「ねぇねぇ夢っ、遊びに行かない?」

「別にいいけど……何しに行くんだ?」

「夏を見つけに!!」

「既に夏の真っただ中だと思うんだが……?」

 行動に移すのが遅すぎる気がする。

「別になんでもいいの! 夢と遊びたいの! 駆けずり回りたいの!!」

「駆けずり回りたいとか言う女子高生初めてだぞ。ていうかそれ俺が引きずり回されるの間違いじゃ」

 一応そんな文句のような、苦言のような、そんな言葉を繰り出すが、彼女の瞳の中に宿るキラキラは全く消える気配はない。……まあ、こう言ったものの、断る気とかは全くないんだけどさ。

 俺はため息を吐く。そして微笑むと。

「……鞄置いて着替えてくるから、待ってろ」

「! うんっ! 私も着替えてくる~!」

 そう言うや否や、俺は右、実幸は左にある家へ足を向けて。


「じゃ! また後でね!」

「ああ、準備が出来たら、またな」


 手を振り、約束を交わし、俺たちは別れた。


 さて──どんな夏が見つけられるのかな。



(お題:またね)


【終】

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夢と実幸の仲良し❗✨夏休み交換日記 秋野凛花 @rin_kariN2

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