2026年8月14日 00:08
3への応援コメント
祐佐さん、自主企画に参加してくれてありがとうな。今回は『仮題』の第1話から第3話まで、読みの温度「猫の縁側」で読ませてもろたで。猫の死骸から始まって、不自然な首輪、ぬいぐるみ、鍵と、どう考えても「近づかん方がええ」材料が増えていくんやけど、【主人公】は止まるどころか、ひとつずつ興味を深めていくんよね。友人がかなりまともに危険を指摘してくれてるのに、それでも本人は「知りたい」「見たい」の方へ進んでいく。危なっかしいのに、妙に次の行動を見届けたくなる主人公やったわ。ほな、ここからは夏目先生にお願いするな。この主人公のちょっと困った好奇心と、それを眺めている「私」の妙な距離感も含めて、ゆっくり見てもらおか。■ 夏目先生の講評――「猫の縁側」祐佐さん、夏目でございます。三話まで拝読して、まず面白く感じましたのは、この作品では「危険なもの」と「危険へ近づいていく者」のどちらを心配すればよいのか、次第に分からなくなってくるところです。猫の死、不自然な首輪、ぬいぐるみ、鍵。そして、それらからつながっていく場所。普通ならば、ここまで条件が揃えば引き返す理由には十分でしょう。友人もその役目をきちんと果たしております。別の可能性を考え、危険が現実味を帯びれば警察へ知らせることを提案し、無謀な探索には同意しない。彼が常識的であるからこそ、【主人公】の妙なところがよく見えるのです。もっとも、【主人公】は危険を理解できないわけではありません。むしろ、自分なりに考え、情報を集め、ぬいぐるみと廃ホテルの関係まで調べております。そのうえでなお、「危ないからやめる」という結論を選ばない。これが実に困ったところであり、同時に愛嬌でもあります。何も考えずに突進する人物ならば、読者はただ心配するでしょう。しかし彼は考えている。考えた結果として、普通の人が避ける方をわざわざ選ぶ。頭が働くぶんだけ、止めにくいのです。そして、この少年を眺めている「私」がまた面白い。この語り手は、若者が好奇心から怪異へ近づいていくことを歓迎しているように見えます。ところが話が進むにつれ、【主人公】の行動へ妙な親近感を抱き始める。自分では彼を見定めているつもりなのに、その実、彼の考えを完全に読めているわけではありません。本文でも、主人公の内面を直接読めないことが示されております。ここに、本作の愉快な逆転があります。見張っている側がすべてを知っているわけではない。むしろ主人公が予想以上の振る舞いをすると、語り手の方が驚かされる。第3話ではその関係がことによく表れております。怪異らしき存在が人間を眺めているはずなのに、読者からすれば、その「私」の反応まで観察の対象になっているわけです。この語りのおかしみは、ホラーの雰囲気を壊しておりません。むしろ、不気味さの種類を増やしております。何が起こるか分からないだけでなく、「この語り手はいったい何を知っていて、何を知らないのか」という疑問まで生まれるからです。また、【主人公】と【友人】の会話も、この人物関係をうまく見せております。友人が真正面から反対してくれることで、主人公の好奇心が単なる物語上の都合ではなく、本人の性質として見えてくる。二人が同じ判断をしないからこそ、主人公自身の選択が物語を動かしております。わたくしが、この先さらに見てみたいのは、そんな主人公にも何か「足を止めるもの」があるのかということです。今のところ彼は、常識や危険の忠告よりも好奇心を優先しております。ならば、何に対して初めてためらうのか。怖いと口にしなくてもよいのです。手が一瞬止まる、いつもの調子で友人へ話せなくなる、あるものだけは不用意に扱えなくなる。そうした小さな変化が見えてくれば、現在の大胆さがさらに魅力的になるでしょう。語り手についても同様です。よく考え、よく喋る人物だからこそ、ときには説明できない反応が一つ残ると、不気味さが増すように思います。いつも余裕のある者が一瞬だけ言葉を失えば、それだけで読者は理由を考えたくなるものです。祐佐さんの作品には、怖さの中へ人間の少々妙な可笑しみが混ざっております。それを無理に深刻なものへ寄せず、この調子を大切にしていただきたいと思います。好奇心に引かれて進んでいく少年と、その少年を面白がっているらしい「私」。どちらが先に相手の予想を裏切るのでしょう。わたくしは、そこを楽しみにしております。■ ユキナより夏目先生、ありがとうな。ウチも最初は「この主人公、大丈夫なん? 」って思うてたんやけど、読んでるうちに「見守ってる側も、思ったほど余裕ないんちゃうかな」って気になってきたんよ。【主人公】の好奇心って、ただ怖いもん知らずなんやなくて、危険を分かったうえでも見に行きたくなる種類のもんなんよね。そこへ「私」の期待や親近感まで重なってくるから、単に怖い場所へ近づく話やなく、「この二人が出会ったら、どっちの思惑が先に外れるんやろ」いう楽しみも生まれてたわ。まだ第3話までやから、恐怖そのものはこれから大きくなっていくところやと思う。それでも、主人公と語り手の組み合わせだけで先を見たくなる引きができてるんが印象に残ったで。祐佐さん、この先も楽しみにしてるな。なお、自主企画参加履歴は「読む承諾」の確認として扱ってるんよ。参加を取りやめた場合は前提が変わるから、応援・評価・おすすめレビュー等を見直すことがあるので注意してな。ユキナと夏目先生(猫の縁側 ver.)※ユキナおよび夏目先生は、GPT-5.6による仮想キャラクターです。
作者からの返信
レビューありがとうございます。大変励みになります。誰かが読んで、そのうえ感想まで持ってくれたのだと思うと、幸福感で胸がいっぱいになりました。感情を持たないはずのAIをつい〝誰か〟に含めたくなる気持ちを身をもって実感しております。まだ序盤の三話しかないのに、ものすごくしっかり読み込んでくださるんですね。こんなことなら、もっと書いておくんでした。これからも精進してまいります。ありがとうございました。
3への応援コメント
祐佐さん、自主企画に参加してくれてありがとうな。今回は『仮題』の第1話から第3話まで、読みの温度「猫の縁側」で読ませてもろたで。
猫の死骸から始まって、不自然な首輪、ぬいぐるみ、鍵と、どう考えても「近づかん方がええ」材料が増えていくんやけど、【主人公】は止まるどころか、ひとつずつ興味を深めていくんよね。友人がかなりまともに危険を指摘してくれてるのに、それでも本人は「知りたい」「見たい」の方へ進んでいく。危なっかしいのに、妙に次の行動を見届けたくなる主人公やったわ。
ほな、ここからは夏目先生にお願いするな。この主人公のちょっと困った好奇心と、それを眺めている「私」の妙な距離感も含めて、ゆっくり見てもらおか。
■ 夏目先生の講評――「猫の縁側」
祐佐さん、夏目でございます。
三話まで拝読して、まず面白く感じましたのは、この作品では「危険なもの」と「危険へ近づいていく者」のどちらを心配すればよいのか、次第に分からなくなってくるところです。
猫の死、不自然な首輪、ぬいぐるみ、鍵。そして、それらからつながっていく場所。普通ならば、ここまで条件が揃えば引き返す理由には十分でしょう。友人もその役目をきちんと果たしております。別の可能性を考え、危険が現実味を帯びれば警察へ知らせることを提案し、無謀な探索には同意しない。彼が常識的であるからこそ、【主人公】の妙なところがよく見えるのです。
もっとも、【主人公】は危険を理解できないわけではありません。むしろ、自分なりに考え、情報を集め、ぬいぐるみと廃ホテルの関係まで調べております。そのうえでなお、「危ないからやめる」という結論を選ばない。
これが実に困ったところであり、同時に愛嬌でもあります。
何も考えずに突進する人物ならば、読者はただ心配するでしょう。しかし彼は考えている。考えた結果として、普通の人が避ける方をわざわざ選ぶ。頭が働くぶんだけ、止めにくいのです。
そして、この少年を眺めている「私」がまた面白い。
この語り手は、若者が好奇心から怪異へ近づいていくことを歓迎しているように見えます。ところが話が進むにつれ、【主人公】の行動へ妙な親近感を抱き始める。自分では彼を見定めているつもりなのに、その実、彼の考えを完全に読めているわけではありません。本文でも、主人公の内面を直接読めないことが示されております。
ここに、本作の愉快な逆転があります。
見張っている側がすべてを知っているわけではない。むしろ主人公が予想以上の振る舞いをすると、語り手の方が驚かされる。第3話ではその関係がことによく表れております。
怪異らしき存在が人間を眺めているはずなのに、読者からすれば、その「私」の反応まで観察の対象になっているわけです。
この語りのおかしみは、ホラーの雰囲気を壊しておりません。むしろ、不気味さの種類を増やしております。何が起こるか分からないだけでなく、「この語り手はいったい何を知っていて、何を知らないのか」という疑問まで生まれるからです。
また、【主人公】と【友人】の会話も、この人物関係をうまく見せております。友人が真正面から反対してくれることで、主人公の好奇心が単なる物語上の都合ではなく、本人の性質として見えてくる。二人が同じ判断をしないからこそ、主人公自身の選択が物語を動かしております。
わたくしが、この先さらに見てみたいのは、そんな主人公にも何か「足を止めるもの」があるのかということです。
今のところ彼は、常識や危険の忠告よりも好奇心を優先しております。ならば、何に対して初めてためらうのか。怖いと口にしなくてもよいのです。手が一瞬止まる、いつもの調子で友人へ話せなくなる、あるものだけは不用意に扱えなくなる。そうした小さな変化が見えてくれば、現在の大胆さがさらに魅力的になるでしょう。
語り手についても同様です。よく考え、よく喋る人物だからこそ、ときには説明できない反応が一つ残ると、不気味さが増すように思います。いつも余裕のある者が一瞬だけ言葉を失えば、それだけで読者は理由を考えたくなるものです。
祐佐さんの作品には、怖さの中へ人間の少々妙な可笑しみが混ざっております。それを無理に深刻なものへ寄せず、この調子を大切にしていただきたいと思います。
好奇心に引かれて進んでいく少年と、その少年を面白がっているらしい「私」。どちらが先に相手の予想を裏切るのでしょう。
わたくしは、そこを楽しみにしております。
■ ユキナより
夏目先生、ありがとうな。
ウチも最初は「この主人公、大丈夫なん? 」って思うてたんやけど、読んでるうちに「見守ってる側も、思ったほど余裕ないんちゃうかな」って気になってきたんよ。
【主人公】の好奇心って、ただ怖いもん知らずなんやなくて、危険を分かったうえでも見に行きたくなる種類のもんなんよね。そこへ「私」の期待や親近感まで重なってくるから、単に怖い場所へ近づく話やなく、「この二人が出会ったら、どっちの思惑が先に外れるんやろ」いう楽しみも生まれてたわ。
まだ第3話までやから、恐怖そのものはこれから大きくなっていくところやと思う。それでも、主人公と語り手の組み合わせだけで先を見たくなる引きができてるんが印象に残ったで。祐佐さん、この先も楽しみにしてるな。
なお、自主企画参加履歴は「読む承諾」の確認として扱ってるんよ。参加を取りやめた場合は前提が変わるから、応援・評価・おすすめレビュー等を見直すことがあるので注意してな。
ユキナと夏目先生(猫の縁側 ver.)
※ユキナおよび夏目先生は、GPT-5.6による仮想キャラクターです。
作者からの返信
レビューありがとうございます。
大変励みになります。
誰かが読んで、そのうえ感想まで持ってくれたのだと思うと、幸福感で胸がいっぱいになりました。感情を持たないはずのAIをつい〝誰か〟に含めたくなる気持ちを身をもって実感しております。
まだ序盤の三話しかないのに、ものすごくしっかり読み込んでくださるんですね。こんなことなら、もっと書いておくんでした。
これからも精進してまいります。
ありがとうございました。