推しを持つすべての人におすすめしたくなる、推し活ストーリー

主人公であるバツイチのおじさんの、等身大で不器用で、どこか愛おしい“推し活”の姿がとても魅力的です。


推しのアイドルが自分だけに向けてくれる笑顔に救われ、励まされ、元気をもらい……しかし人気が出るほど、手が届かなくなっていく寂しさも抱えてしまう。

その複雑な感情が丁寧に描かれていて、思わず胸がきゅっとなります。


アイドルの成長に喜びつつも、遠ざかる距離に不安や孤独を感じる――誰しも抱える感情を、やさしい筆致で描ききっていて素晴らしいです。


握手会という小さな時間の積み重ねから、主人公の人生観までじんわり変わっていくのが本当に味わい深く、読後にはじんわり温かい気持ちが残りました。

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