第33話 予定調和

「ね、眠いのら…」


大久保さんが、そう言葉を漏らす。それはそうだろう。今、一日と18時間ぐらい起きっぱなし…、じゃないねぇ!大久保さんと氷室さんは!


「寝てたでしょ。大久保さんは。」


「いや、そんなに寝てないのらよ?実際4時間ぐらいしか寝てないのら。」


「僕Zero時間。」


「ごめんのら。」


疲弊した笑顔で話しかけてみると、すぐに謝ってきた。理解度ヨシ!


すると、突然、視界が真っ暗になり、足元ぐらいしか見えない状態になった。なんで?


「マジシャンの能力だ!今まで出てなかったのに…とにかく、離れないようにしよう。離れて、誰かがタッチされたとかなったら洒落になんねぇ!」


そう言って氷室さんが周りに氷を張る。すごい便利だよね。この能力。


30秒が経って、視界が晴れたが、氷に何かが当たったような跡はなかった。何だったんだ?出れないから、この氷を溶かしてもらおう。


「とりあえず、大久保さん。この氷、水で溶かしてよ。氷は水で溶けるでしょ。」


「そうのらが…普通に面倒くさいのら。体力も使うし。」


「じゃあ、その木刀で氷を壊してよ。その木刀なら壊れるでしょ。」


「これは形見のら。だから使いたくないのら。」


「じゃあ水で溶かしてよ。その間僕は寝てるから。」


「はぁ…分かったのら。貴方寝てないしね。仕方ない…」


バシャバシャと水をかけ始める。よし。これで僕は寝れ…


『自爆魔が死にました。よって、これから、脱落者を発表します。』


ダニィ!寝れないやん!これ、僕が死ぬ可能性ってめちゃくちゃ高いよね!?頼む…まだ死にたくない…


何故このようなことが起こったのか。それは、2分前に遡る。


【雁木視点】


「クッソ…遂に囲まれたか…」


自分一人だったらこんなのは楽に突破できたのだが、今は繋がれたままの足手まといがいるからな…あーもう!誰だよ!市民陣営を全員殺そうとして、変ないべんとを発生させた馬鹿は!


「まずいデスね…このままでは二人捕まってしまいマス…」


「あぁ!?早く鍵を見つければよかったじゃねぇかよ!まじで死ぬぞ!?」


「仲間割れ…ですか…。まぁ、そうなってくれていたほうが殺りやすいんですけどね。」


激昂している俺のところに、見覚えがある顔が近づいてくる。あぁ、こいつは。


「何だっけ?木刀だけでやられちゃったのか。鬼陣営の恥、霜村くんじゃないかぁ〜。へぇ〜?市民陣営に寝返ったんだねぇ〜、ご苦労さんなこと。」


「はぁ…やはり貴方の煽り性能は長けてますねぇ…ここには、15人ほどの市民陣営がいるんですよ。まぁ、捕まえたほうが手っ取り早いですね。」


何故だ?霜村が捕まえればいいだけの話なのに、一向に捕まえてくる気配がないぞ?なんか不気味だなぁ…


「さぁ、皆さん、予定通りに行きましょうか。忍者はタッチできませんからね。」


一斉にこちらに走ってくる。へぇ…


「なぁ、ゴンザレス。一緒にさ。予定調和の未来をぶっ壊してやろうぜ!」


「そうですね!」


俺達はそれに対抗するように走っていった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

予定調和の未来をぶっ壊してやろうぜ!


どうもこんちは。むぅです。初めて雁木視点を作ってみたんですけど、やっぱり、いっつもキレている人のことを書くのって難しいですよね。キレているにも、いろいろな種類があるじゃないですか。だからそれが難しいですよね〜。


以上!(オチがない)

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