第23話 離れられない二人

「あ、ごめん。」


僕は離れようとする。だが、


「ん?あれ?離れん。愛理ちゃん掴んでる?」


「掴んでないのらよ?あとちゃん付け恥ずかしいからやめてのら。大久保でお願いのら。」


「分かった。でも掴むのやめて。」


「だから掴んでないのら!」


すると、アナウンスが入ってくる。なーんか嫌な予感しかしないアナウンスなんだよなぁ…


『皆!一心同体って知ってるかな?一心同体をグーグル先生で調べてみると、二人以上の人間が心を一つにして、一人の人間のように結びつくこと。って書いてあるんだよね!それをね!更に調べてみたんだ!そうしたらね!

[解説] 明治時代には、多く「いっしん」を「一身」と書いて、ひとまとまりになった全体、一体の意で用いられました。

って書いてあったんだよ!だからね!私達の考えは明治時代にスリップしたんだ!ハハッ!だから、二人を一纏まりとしてカウントしたんだよね!つぅまぁりぃ!一番近くにいた二人はくっつきました!

この二人組みを終わらせる方法は二つ!一つ目は単純にどちらかの陣営が勝つ!そしてもう一つ!ここの東京の何処かにある鍵を見つければ二人組みを解除することができるぞ!

なお!今二人組みになっているペアは片方が死んだらもう片方も死ぬ双子状態になるから気をつけてね!それじゃ!』


めちゃくちゃ早口でまくし立てられる。あ、絶対にこの人疲れてんな…って、そうじゃなくて!


「じゃあ私達、鍵見つけるか、勝たなきゃ駄目…ッテコト!?」


「なんかそんなY◯UTUBE見たことあるな…まぁいっか。このままじゃ二人離れられないのら。探しに行くのらよ!」


僕は大久保さんに連れられて歩く。向こうでゴンザレスさんと、雁木さんがペアになっていたので、このあとの展開はお察しいただけるだろう。


鍵を見つけるために僕たちは歩き続けているが、全然見つからない。


「どうなってるのら。全然見つからないのらよ?」


「そりゃ東京だからね…小さいとはいえ、かなりの面積があるからね。」


「ひまのら。なにかやろうのら。」


「じゃあ、しりとりでもする?」


「いいのらよ。じゃあ私からいくのら。しりとり」


「陸」


「クルミ」


「ミルク」


「口紅」


「二足」


「…クラン」


「ンガゴグ。あ、これ濁点取らなきゃ駄目ね。」


「明らかにく攻めしてるのらよね!?どんだけ知ってるのら?」


「いちいこうく、かんぜんちょうあく、くんそくのあく、せいせいかいく、ぜひぜんあく、たいげんたいく、ちょうしんそうく、ひようそうく、あいいく、あいいれなく

、あいきゃく、あいく、あいくるしく、あいこく、あいこくがくえんじょしたんきだいがく、あいざっく、あいしんけいきんぞく、あいじゃく、あいすすけーとりんく、あいせっく、あいそく、あいたいずく、あいちいかだいがく、あいちがくいんだいがく、あいちがくせんだいがく、あいちきょういくだいがく、あいちけんりつかんごだいがく、あいちけんりつげいじゅつだいがく、あいちけんりつだいがく、あいちこうぎょうだいがく…」


「分かったのら。もう大丈夫のら。それにしても変な特技持ってるのらねぇ…」


「く攻めだけを極めてきたからね!11636個ぐらいは知ってるよ。」


「無敵のら!絶対にしりとり挑まないのら!…でも、こんな時間も必要だったかもしれないのらね。」


「そうだね…」


僕は『あること』を話そうと思った。


「ねぇ、大久保さん。僕ね。役職【恋人】なんだ。」


「そうのらか〜え?ちょっともう一度言ってくれないかのら?」


「別に敵対すること無いんだけどさ、僕の役職が【】なんだ。」


「……ぇ?」


フリーズしている大久保さんに僕は恋人の役職の概要を伝えるのであった。


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