ゲームエンドのその後で(>ω<) Sweet child of mine
C&Y(しーあんどわい)
覚醒前( ´ ▽ ` )ノ
何、その絶望エンド(>ω<)
どうしても明日までに終わらせないといけない宿題があるのに、部屋の片付けをしたくなったり、読みかけの漫画の続きを読んじゃったりする時あるよね。
追い詰められてるのに現実逃避。
宿題は結構な量だしテストも近いのに、どうしてもどうしても手につかない。
おまけに部屋の収納の掃除なんかし始めて、奥から古いゲームを見つけた。
ダウンロードコンテンツじゃない、アナログなハンディゲームだ。
元のゲーム機なんて当の昔に売り払われて手元にない。
で、互換性のある奴だったから、復刻版のゲーム機にセットして、止せばいいのに遊びだした。
これがねぇ買ってから放置してた奴だった。
ちびっ子だった頃は、単純なゲームが面白く感じていたから、こう暗い雰囲気の重いお話って感じの奴は無理だった。
今もアホだけど、ちびっ子の頃は更にアホだったのもある。
単純で派手で友達と話が合えばいいって感じだね。
で、改めて手をつけたらクソ面白かった。
主人公はバリバリの暴力大好きなアウトローで、運び屋の仕事をしている。
あぁそうそうSFね。
で、オリオン散光星雲域に構築されたとある資源採掘惑星の軌道宇宙ステーションで事故に巻き込まれる。
っとまぁお話はよくあるエイリアン襲来って感じのパニックホラー。
そりゃもうグロくて生き残る為に友人だろうが女子供だろうが、見捨てて見捨てて逃げるまでが話の大筋だったりする。
自分の解釈だと、どうみても主人公は冷酷非道な男だ。
けれどこれ、きっとアホであまちゃんのヒーローだと絶対死ぬって状況のお話でもあった。
必ず、己か他人の命を天秤にする選択、それか大勢の命をとるか、眼の前の人間の命をとるかの選択肢がでるんだよね。
このゲーム、どう考えても子供がやるゲームじゃない。
で、当時の反応をネットで調べると案の定、子供向けで出していたのに、内容が酷すぎて後にレイティング設定にクレームが入ったそうだ。
自分が購入していたのは、そのレイティング回収版だったようだ。
改修版じゃないよ、回収ね。
つまり駄目じゃんこれ、子供に提供するゲームじゃねぇよ。
どうしたの倫理委員会様って話だった。
子供向けに改定するより大人向けでパッケージ変更するって話だったけど、どうやら制作元が倒産してオクラになったらしい。
今、このゲームは結構な値段となっている。
売るの?
という話ではない。
内容がね、もう数年前のゲームで制作元も無くなっちゃって、権利が何処に行ったかもわからんゲームだから無駄なんだけど。わかってんだけどさぁクレームつーか不満?
この脚本書いたの誰だよって話。
どうしてもさ、エンディングが納得できんのよ。
マルチエンディングだと思うじゃん?
相次ぐ非情な選択の数々、登場人物は携帯ゲームとしてはスペック最大を使い切っためちゃくちゃできあがったグラフィック。
サバイバルホラーお約束の武器生成やらシューティングやら、アクションとまぁゲームとしては面白かったのだ。
欠点?
なのに欠点だらけだった。
ほぼ、ストーリーがね。
ゲームの操作性とかは抜群だし、グラフィックも良かった。
当時としてはね。
なのになのにだ。
何でこんなに絶望でディストピアなの?
何でヒロイン、顔面破裂して死ぬの?
何で飼い犬の腹からクリチャー出てくんの?
相棒は爆散するし、同行していた相棒の妹は肉片になんの?
勘弁してよ。
救いがねぇし、何よりもだ。
主人公が死ぬ。
死にゲーってだけじゃない。
ほんと初見殺しだけじゃなくて、選択肢、エゴな奴しか選べない。
全部、死亡で、バッドエンド。
それも文字だけ。
マルチエンディングの顔した、
聞いてくれる?
なんて一晩徹夜でゲームした翌日。
見事に宿題はダメ出し、寝不足で授業はボロボロ、体育は倒れた。
馬鹿じゃねぇの?
って担任のオバちゃんにヘアスタイルを乱された。
言うの忘れたけど、オバちゃんって小幡先生のあだ名で、定年間近のオバちゃんでもある。
外見は相応の御婦人だけど、サブカルに理解のある人なので放課後、反省文を書きながら愚痴ってみた。
で、オバちゃんの意見としては、脚本は元々、ひとつのストーリーで書かれたものじゃないのか?って。
つまり一本道のSFのストーリーで、ゲームとしての選択肢は、物語のエンディングには影響を及ぼしていないだろうって。
整合性はあるのか?
って聞かれて、選択肢は常に自分が死ぬか、他人が死ぬかだ。
自分が死ねば、ジ・エンド。
物語はそこで終わって何も残らない。
そう残された周囲のお話も知り得ない。
けれど物語を最後まで進めても、結局は主人公が死んで終わる。
それまで多大な犠牲を強いて更に後味の悪い選択をし続けた結果が、己の死だ。
じゃぁ最初に自己犠牲で死んだのとかわらんじゃん。
こんなの楽しくないじゃん!
..楽しいゲームじゃない。けど確かに、選択肢は結末に影響を与えてはいない。
主人公は死ぬだけだし、ストーリーは変わっていない。
彼は、あの宇宙ステーションで死ぬ運命だ。
す、救われねぇ。
じゃぁあの選択肢は何だ?
オバちゃん曰く、プレイヤーに対する影響のみを狙った物だって。
つまり後味の悪い選択をするゲームなのだ。
主人公は悪人だ。
けれどプレイヤーにとっては悪人であっても、どこか共感できる人間だろう。
さらに言えば、切り捨てる相手は善人や無害な者、尚且つ絶対に死んでほしくないような立場の者だろう。
それをあえて死なせなければ、自分が死ぬ。
つまりその状況を味わう作りになっている。
悪趣味だー!
と、私が言うとオバちゃんが笑った。
古今東西創作物には、バットエンドやデッドエンドなど、救いようのない終わりに至る物が多くある。
哲学的な考察もできるだろうし、その救いようのないお話を喜劇とも悲劇とも受け取る事ができる。
と、まぁそこまで言っておいて、オバちゃんは付け加えた。
そのゲーム、ただのシナリオ選択だけとは思えない。
アクションパートでの謎解きも含めて死にゲー周回ありきなんじゃないの?
隠しパラメーターもありそうだ。
つまりジ・エンドの次に、本当のお話ってのが隠れてるんじゃないの?
レトロゲーに多いんだよね、滅亡後に周回プレーで舞台設定を拾い集めてハッピーエンドに持ってくやつ。
それから自己犠牲の選択肢を選んで、全部、同じ文字だけエンディングだったのなら、それも怪しい。
正しいエンディングがひとつあったとして、主人公が結局は死ぬ。だけのゲームを制作会社としては中々作れないだろうって。
続編もつくれないしプレイヤーを甚振るだけのゲームとか、そんなの商売にならんだろって。
倒産したの、その所為じゃないの?
と、思ったが、高々一晩プレーしただけだし、もしかしたら攻略法がネットにあるかもしれない。まぁ色々やってみようかと考える。
だが、ここでオバちゃんからストップがかかった。
寝不足で貧血起こしたの家に連絡する。
更に宿題いい加減にして、ゲームしてたのも連絡する。
更に更に、宿題と次のテストの点数を見てよくなかったら、家の母親にゲームを粗大ごみにしてもらうよう連絡する。
これはパワハラではありません。
勉強をしましょう。
健康に気を配りましょう。
節度ある遊び時間を捻り出すのは、学生の義務を果たした後にしましょう。
と、いうお説教をもらった。
連絡ノートにはびっしりと現状も書かれ、現在の成績や授業態度など進路に関することまで綴られた。
まぁ帰ったら、更に母親から説教された。そしてゲームは自己管理できるまで、小学生のように母親に没収となった。
***
で、そんな事があったのも過去の話。
社会に出て一人暮らしをしております。
どうして今、こんなゲームの思い出を話しているかと言うと、そのデットエンドゲームがダウンロードコンテンツにあったのですよ。
運営の最新コンテンツを見ていたら、なんとあのゲームのタイトルがあったとですよ。
実は、あのお説教の後、少しづつ暇さえあれば、色々とあのゲームをいじっていたのですが、結局、主人公が死ぬ事は回避できなかった。
ただ、どうも選択肢によって、主人公が最後に見る景色が変化する事だけはつきとめた。
そしてネットの攻略では、死亡エンドは変わらずとなっており、その景色の変化には言及されていない。
因みに主人公は、最後の脱出の場面で、唯一残された脱出手段を使わずに死ぬ事を選ぶ。
その脱出手段を使うと、別ルートで逃げ延びようとしていた人達が死ぬからだ。
それまでゲームの選択肢には、常に自分と誰かのどちらの命を優先するかの選択肢が出ているのだが、この最後だけは選択肢が無いのだ。
無慈悲にも見上げる景色には、建物が崩壊し瓦礫が降ってくるのを見て終わる。
ゆっ夢も希望もねぇ。
で、じゃぁどうやったら変化が出せるのか?
単純にそれまでの選択肢の入力時間を変える事だ。
2つの選択肢の入力時間は明かされていない。
けれど躊躇いなく選択するか、ある一定の間、何も入力しない。他はボタンの長押しなどを色々試した。
そしてある一定時間、選択をしないようにしてから、他者に犠牲を強いるとエンディングで見上げる景色が変わったのだ。
選択をしない時間を作る、だいたい二分ぐらいかな。
躊躇う時間ってのを加えると、最後にエンディングの景色が、天井は透明になり外の宇宙空間が見えるのだ。
そして巨大な影が目前に見えて終わる。
これには感動した。
巨大な影は救助船って奴だったからだ。
多分、死んだろう主人公だったけれど、最後の善行によって誰かは確実に助かったのだ。
で、ここまで変化を突き止めたんだけど、結局、主人公が助かるエンディングは見つけられなかった。
そして当時の私は、家庭の事情ってやつで、お気楽な子どもの時間は終了した。
当然、娯楽の品は手放してしまったし、今日の今日まで忘れ去っていたのだ。
単に今日もぼや〜っとネットを見ていた訳で、ゲームをするというより最近の話題のゲームってなんだろうなぁって眺めてただけなのだ。
そして見つけた。
やはり借金でもあった元のゲーム会社が売り払っていたのだろう、別会社のレーベルでダウンロードゲームとして売り出されていた。
価格は推して知るべし、ワンコインだ。
ただし、グラフィックは携帯ゲームの頃より数段上のスペックに変更されており、説明書を読めば部位破壊表現と血飛沫表現の変更とある。
なになに、確実に歯の一本まで再現された部位破壊と、時間経過による血液の酸化までをリアルに追求とある。
頭オカシイのが権利を買ったようだ。
流石である。
きっとこのゲーム会社は、元のこのゲームのコアなマニアなのかもしれない。
価格が安くなっているが、購入は成人からだ。
よく販売が通ったと思う。
が、まぁそれはいいのだ。
グラフィックに手が入っているとして、内容はどうなのだろうか?
という事で、ワンコインで購入して即座に週末をゲームで潰した。
***
神はいねぇ。
と、学生の頃と同じ状況に至る。
死に際の最後の景色だけはやっぱり変化できたが、死んだ。
ストーリーも同じだった。
グラフィックが綺麗になって余計にトラウマ量産してくれた。
大人じゃなきゃ涙で前が見えないよ。
もちろん土曜日だったから良かったが、これが日曜だったら月曜は欠勤してただろう。
半端ないダメージが心に刻まれた。
相棒の死に方にバリエーションもたせんなよ。
表現が細かくなった分、トラウマも増大。
なにより主人公が鏡にうつりやがるのだ。
主人公、思ったより若い兄ちゃんだった。
無精髭はやしてボサボサの髪してる筋肉な兄ちゃんだけど、若かった。
残酷じゃねぇかよぅ。
と、土曜いっぱいダウナーに過ごして、攻略サイトはないかと探す。
あったけど海外のサイトで、翻訳ソフトが奇天烈な感じで訳してくれる。
やはり同じようにトラウマ量産されて、何度も何度もエンディングまで周回してる奴ばっかりだった。
Question :主人公死なないハッピーエンド無い?
Answer :そんにゃんあったら、にゃ〜もここにいないにゃぁ(ΦωΦ)
何で猫なんだよ、海外の同志よ。
という訳で、一応、自分のラスト変更の技を伝えた。
めっちゃ感動された。
そしたら海外の二次創作ゲームに誘導された。
怪しいコンテンツかと思ったら、小さなゲーム会社が許可とって作った二次創作でデッドエンドにならん世界線のミニコンテンツだった。
二頭身のキャラがアホみたいに平和に会話して、喧嘩して、エイリアンをぶっ殺して宇宙ステーションから脱出していた。
あぁ皆、万国共通鬱話にうんざりしていたんだぁという感想だけだったけど、まぁ皆本当にトラウマになってんだなぁとわかった。
ただ、まぁこのミニコンテンツは全然別の話である。
主人公がこんな風にラストを迎える事はありえない。
そりゃもう攻略サイトに張り付いてる頭のオカシイ住人、私も含めてヌルい慰めは臍で茶が沸くってなもんである。
あのサバイバルとクソな選択肢をした上で、私達は生き残る選択肢が欲しいのだ。
Question:何で主人公は、最後にエゴを封じちゃったの?
Answer : えっ、今更なのにゃ、気がついてなかったのかにゃ?
真エンディングの同志にしては手抜かりにゃ(゚д゚)!
ゲーム画面をよく見るのにゃぁ(>ω<)
解像度上がってるリメイクなら分かりやすいにゃ(ΦωΦ)
どこを見るのかにゃって?
そりゃぁ主人公氏の背後、それも右手下の方だにゃ(>ω<)
いや、攻略板にいるの(ΦωΦ)人しかいねぇのかよ?
という疑問は置いておいて、日曜の朝もはよからゲームを立ち上げる。
今夜は寝ないと明日は仮病で休む事になるが、職場の人手は限界なので休めんのだ。今日は早寝をせねばな。
と、最初からゲームをしてみたら、理由がわかった。
最後に選択肢が出なかった理由とずっと利己的と思えた選択の意味がだ。
神はいねぇ(泣)
***
んで、販売元のソフト会社に感想プラス質問をした。
Question:相棒以外の連れの存在は、どうして見つかりにくくしてあったの?
カスタマーサポート:ゲームの内容に関してはお答えできません。
Question:あの子の名前を知りたいです。
カスタマーサポート:ゲームの..
Question:回収前の製品では登場も説明もされていません。後付設定なのでしょうか?
と、延々とBotのように質問し続けてたら、こんな返答が来た。
内容についての変更はしておりません。
グラフィックやゲームシステム向上の為のパッチなどは随時行っておりますが、メインストーリーその他キャラクター等には一切の変更は行っておりません。
つまり、だ。
主人公の側には、ずっと小さな猫人がいたのだ。
猫耳の女の子じゃない。
二足歩行の猫人類だ。
主人公は非情非道な選択をしているようだったが、仕事として移送任務を請け負っていたのだ。
背後にはいつも小さな猫の人がいて、彼は身をはって助けていたのだ。
辛い選択をし続け、仲間も見捨てた。
そして最後に彼が死ぬ選択をしたのはだ、仕事を全うしたからだ。
死ぬ瞬間、彼の後ろには誰もいない。
彼は猫の人を逃す為に、救助船が来る時間を稼ぐために残ったのだ。
日曜の午後は布団の中で過ごした。
月曜は顔色悪いまま一日過ごした。
なんていうか、大人になってこんなに落ち込んだのは久しぶりだった。
それも創作の世界なのにだ。
Question:あの猫の人のお名前は何というのですかにゃぁ(ΦωΦ)
Answer:おぅチミも猫になったのだにゃ、我々は主人公を助けたいのにゃ。
因みにあの猫は、ドミトリウス3世にゃ。
シナリオライターのスナドリネコ氏のホームページは、もうずいぶん前に閉鎖しておるのにゃ。我々の魚拓を貼っておくので、同志も見るがいいにゃ(ΦωΦ)
で、原案ライター氏が公開していたキャラクター設定を見せてもらう。
主人公
名前:ラヴァリ(テラ系人類)26歳
軍を除隊後に運送業を始める。
高速艇などの操縦が得意。
軍隊経験でおおよその移送手段と武器に通じている。
で、長身で筋肉質、肉体改造をされており軍の強化兵でもあった。
その他の登場人物一覧をずらずらと見ていくと、最後にいた。
依頼主
名前:ドミトリウス3世(ロフマ系猫人)12歳
テラ星系の端にて近似種として人類と交流のある亜人類種。
種は激減しており貴重な幼体としてテラ星系中央政府から保護対象とされている。
今回、そのテラ星系への移送と護衛を担っていた船が故障、人員も多くが死傷しており、ラヴァリを頼る事となった。
謎のエイリアン攻撃によって移送軍船が大破して、軍下請けのラヴァリに任務が引き継がれたのだろう、それが始まりって事だ。
このあたりはゲーム上殆ど語られていない。
絶体絶命のところから話が始まるからだ。
宇宙港が爆発、バランス崩してステーション崩壊の危機に、エイリアンである。
子供の頃に買ったゲームがさ、こんな大人になってさ、大ダメージを与えてくるとか思わんでしょうが。
スナドリネコ氏と元のゲーム会社の人。
これ絶対、続編ありきで作ってたでしょ。
何で馬鹿みたいなグロゲームを子供用にして売り出したのさ。
まぁ今更なんだけどね。
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