終末シナリオを舞台にしながらも、重たいSF一辺倒ではなく、日常感覚を持った主人公の眼差しから物語を追えて、読みやすいスタートです。序盤はまだ英雄譚というより導入編で、読者もリンと同じ立場から未来への違和感や不穏な空気を体感していくように感じました。第2章まで読了した時点でのレビューです。これから追いつきながら、物語のテーマがどのように掘り下げられていくのかを見届けたいと思います。
「シミュレーション」と言われると、硬い印象を持たれるかもしれませんが、主人公のリンと、個性的な仲間とのやり取りが、生き生きとして楽しいです。迫りくる危機は、宇宙人やモンスターではなく、リアルな脅威。魔法とかトンデモ技術などを使わずに、この厄災にどう立ち向かうのか?そして、その過程で、どのような葛藤が生まれるのか?この先の展開に注目したい作品です。