第十夜 バカ丸だしフレンチトースト

「では、この方針でよろしいでしょうか?……竹内さん?おーい?」


「……はっ!す、すみません!最近寝不足なもので……」


私はそう言いながら苦笑いして後頭部をかく。


「もう、きちんと寝てくださいね?悪魔族の方も睡眠が必要と聞きますから。」


「は、はい……以後気をつけます……」


うぅ。久々に先輩に怒られちゃった……ココ最近ずっとボーッとしてる気がするのよね〜……何だか会議とか仕事に集中出来ないって言うか……

私はそう悩みながら自分のデスクに戻る。


「花子先輩珍しいですね。仕事のことで怒られちゃうなんて。」


「そうなのよ〜。なんか最近すごく眠いっていうか……うーん眠く無いんだけど、集中が続かないっていうの?なんか脳みそに血が回ってない気がするのよね〜……」


と、私は悩みながら樹奈子ちゃんにそう打ち明ける。すると樹奈子ちゃんはうーんと悩んで一言


「人間から血を吸ってみては?」


「樹奈子ちゃん。私吸血鬼じゃないから血なんか吸えないわよ……あと、血って不味いし……」


そう言うと樹奈子ちゃんは「そうですか……」と再び考え始める


「え?てか花子先輩血飲んだことあるんですか?」


「幼い頃両親に沢山飲まされたわ。死ぬぐらい不味い。あっ、人間の血じゃないから安心してね。多分ゴブリンとかそんなのよ」


「そ、そうですか……」


自分で聞いといてなんでドン引いてるのよ……


「あっ。甘いもの。甘いものとか足りないんじゃないですか?」


と、樹奈子ちゃんは指パッチンをして思い出したかのように私にそう言った。


「甘いもの?」


「はい。花子先輩最近甘いものとか食べてないんじゃないですか?」


そういえばここ2週間ぐらいそんなに甘いもの食べてない気がする……私どっちかと言うとしょっぱいもの派だからそもそもあんまり甘いもの食べないのよね〜。


「確かにあんまり食べてないかも。気付かなかったわ。」


「糖分は脳みそとかしっかり使うためのエネルギーになりますからね〜……炭水化物だけじゃ足りなかったのかもしれませんね!」


樹奈子ちゃんが人差し指を立て、そう私に解説してきた。


「なるほど〜。ありがとう樹奈子ちゃん。帰りになんか甘いものでも買ってくわ。」


そう言うと樹奈子ちゃんは「いいですね!」と、自分の仕事に戻った。


──────────────────


「って、お菓子買おうとコンビニ寄ろうと思ったのにそんなこと忘れて家帰って来ちゃったわッッ!!」


私は寝巻き姿でソファーに座って頭をかかえる


(疲れすぎて眠くなっちゃったからとっとと家に帰って来ちゃったし、なんならもう夜の1時!!もうコンビニ行くには暗いし、めんどくさい!)


と、悩んだが、仕事に支障が出るのは嫌なので自分の家にあるもので何とかしようと考えた。


「冷蔵庫になんか……パン……厚切りの……あっ。久々にフレンチトーストとか作ってみるか!」


私はそう言うとすぐさま残ってる牛乳と卵、賞味期限が今日のバター砂糖を取り出した。


(佐藤は粉砂糖じゃないけど大丈夫でしょ。早速作るわよ〜!)


まず、パンが入る大きさのタッパーの中に牛乳と卵を溶き入れます。

そのあとパンを2枚溶き入れた牛乳の中に入れて浸します。


(普通は30秒くらいがいいんだけど今回は分厚いパンだから1分追加して浸してくわよ!)


浸し終わったらバターを溶かしておいたフライパンの中に投入します。


(今回は分厚いパンだからフライパン2枚使うわ。)


ちなみに今回はフライパンにヒタヒタにバターを溶かしてあります。しょうがないね。賞味期限今日だから1本丸ごと使うのが義理ってもんでしょ?


「さぁ、焼けたわ焼けた!うひょ〜!バターまみれ!美味しそ〜!」


私は出来上がったギトギトフレンチトーストをお皿に移す。


「さてさて、砂糖まぶしますよ〜……まぁ、量少ないから全部かけちゃお。えい。」


私は袋に入っている砂糖を全てトーストの上にかけた。


「まぁ、コップ一杯分の量だし問題ナシよね!さてさて!メープルも沢山かけましょ!」


今度はメープルシロップを取り出し、中身を全てかけた。


「うわwシロップの海出来た!ヒタヒタになってて甘そ〜!ちょうどホイップもあるわ!私お菓子作りしようと思ったんだっけ?都合よすぎね!」


そうして私は2分の1も残ってるホイップクリームを全て出し切った。


「完成!花子ちゃん特製フレンチトースト!てかほぼホイップクリームね。普通の人間からしたらまじバケモノね……多分。まぁ、とっとといただくわ!」


と、私はナイフとフォークで1口サイズに切ったトーストを口に運ぶ。


(あんまぁぁぁぁぁい!トーストがすごいまろやか!バターの香りがすごい際立ってるわ!まるでパンがケーキに変わったみたい!自分が作ったにしてはよく作れたわ!!そして、そのあとに襲ってくる甘さ達の暴力!!粉砂糖じゃない、粒状の砂糖だからジャリジャリとした食感は気になるけど、砂糖の甘さが直接舌に直撃!!メープルシロップのトロトロ感と程よい甘さがまたクセになるわね〜!そしてホイップ!これがものすごく甘い!口に入れた瞬間。溶けて甘さが身体中に大移動!糖分たちが脳みそを直接刺激してる感じがするッッ!脳みそ大絶頂ッッッッ!)


私はあまりの甘さに体を震え上がらせる。

その時私は実感する。


「あぁ……!甘いって最高……!復活する……!私の悪魔の部分が……!」


私はそんなことを思い恍惚の表情を浮かべる。


「……ん?何かしら……これ」


私はリビングの机に置いてあった缶を手に取った。


「あっ。昨日買ったちょい酔いするサワーのメロンソーダ味……」


私はそれを見た瞬間、悪魔的な考えをする。


「かけたら美味しくなるかな……やってみましょ。えい。」


私はカシュッと開け、フレンチトーストにぶっかける。


「うーん!シュワシュワといい音……これ美味しくなりそうね!早速いただくわ!」


と、魔改造されたトーストを1口運ぶ。


(うお?!おぉ?!な、何だか不思議な感じになったわ!!美味しい、美味しいけど何だか……爽やかになったかしら??重くなくなった?食べやすくなったわ!これならいくらでも食べれそう!程よい炭酸と鼻を通るメロンソーダの味がよく合ってるわ!)


そして私はこのバカ丸出しのフレンチトーストを食べ進め、何とペロリと完食してしまった。


「ふぅ〜〜!食った食ったわ〜!」


と、私は膨らんだお腹をポンポンと叩く。


(甘いものってやっぱり最高ね!しょっぱいもの派とは言ったけど、甘いものも最高すぎたわ!また作ってみようかしら。今度はパンケーキとかホイップケーキとかね!)


と、私はまたいつかお菓子作りをしてみようかと考え、明日に備え、眠りについた。


──────────────────


「花子先輩……」


「き、樹奈子ちゃん……なぁに?」


「顔色……悪くないですか?」


「う、うん……ちょっと具合悪いかも……」


食べすぎた。甘いもの。深夜テンションでバカになってたから全部の調味料使ったけど普通に使いすぎたわ……朝起きて頭痛すぎたし、吐き気凄すぎたし……


(あっ!ヤバッ!また吐き気が……)


と、私はトイレへ直行した。


「あぁ、花子先輩……可哀想……」


と、樹奈子ちゃんが心配してる近くでこんな会話が聞こえてきた


「なんでホイップクリーム食べすぎると気持ち悪くなっちゃうんだろうな。」


「あ〜。胃の圧迫とか普段から脂っこいもの食べない人とか食べると気持ち悪くなっちゃうらしいよ。あと乳糖不耐症にゅうとうふたいしょうとかも原因のひとつなんだって。」


「へ〜」




【あとがき】


更新遅れてすみません。コヨミちゃんです。

10話まで何とか来れました。皆さんこれからも応援よろしくお願いします。




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