⚪︎⚪︎してはいけない病を持っています!

夏だ!海だ!なんていう考えの人ってけっこういるんですか?暑いし、日焼けするし、ベタベタするし、暑いし、海の中でちょっとヌルッとしたら気持ち悪いし……そして暑い。


 その点、M美は、祭りが好きだ、花火が好きだ、海が好きだ。夏を謳歌していると言っても過言ではない。


 ん?M美って誰だって?あぁ、M美は陽キャ美容師ですね。何度か登場してますが、めちゃくちゃウェ〜イな人です。


 シャンプーの実力?う〜ん洗ってもらったことないからなぁ……でもまぁ上手いとは思いますよ。なんでも器用にこなすから(天才肌)。


 よく遊びに誘われるが、何か理由をつけては断っている。海に行こう、花火に行こう、飲みに行こう……誘われるのはありがたいが、遊びに行ったらいけない病が発動します(ウソップと一緒)。


 まぁ、何回に一回は行きますよ。さすがにここを断るともう友達でいられない……というギリギリのところまで読んで泣く泣く参加します(失礼なシャンプーマン)。行ったら行ったで楽しいんだけど、行くまでが……ねぇ。


 山P写真集のときみたいなのは、めっちゃ楽しいんですけどね〜。飲みがとくに苦手……飲まないから。


 根っからの「いん」なんでしょうね。


 でも、うちのイタズラ少年が、夏らしいことをしたいと言い出した……はぁ?勘弁してくれ、友達にさえギリギリまで断っているわたしが、どれだけ夏を避けてきたか……。


 でも、そのイタズラ少年は何をしたらいいのか、分からないというのだ。なんじゃそりゃ、自分で言っておきながら何も決まっていない……相変わらずのアホっぷり(オーナーに失礼なシャンプーマン)。


 ふっと、目が合ったので無視して目を逸らす……やめろ……わたしに構うな……サプライズプレゼントとはわけが違うぞ!わたしなら面白いこと言ってくれるんじゃないかという目でこっちを見るな!


 ハスハスすな!わたしからは何も出ない!陽キャの考えなんて専門外だ!あぁ、声をかけてくる……くっ……やめろ……近付くな!


「⚪︎⚪︎ちゃん……なんかない?」


「う〜ん……コスプレとか、どうですか?」


 だぁ〜!とんでもないことを口走った〜!なんてこった……求められたら咄嗟に出てしまう、わたしの悪いクセ!(杉下右京もびっくりだぜ)


「いいね〜!さすが、⚪︎⚪︎ちゃん!」


「……」


待て、まだ修正は効くはず。冷静に考えるんだ……コスプレはマズい。う……女性スタッフからの視線が痛い……違うんだ……なんか出ちゃったんだよ。


 べ……別にわたしがコスプレしたいって思ってるわけじゃないんだからね!ってそんなツンデレみたいなことを考えてる場合じゃない!


 解決策を!解決策を絞り出すんだ!あのイタズラ少年の心を振り向かせるような!


 は!……キタ……これだ!


「コスプレというより、浴衣で仕事しましょう!夏らしいし!お祭りの日限定で!」


「浴衣……いいね!」


 どっ!と沸く店内。よくやったとアイコンタクトでわたしに目配せをする女性スタッフ一同。ヨ〜シ!なんとかコスプレを回避した!一時はどうなるかと思ったぜぇ……ひゅ〜……あぶねぇ……あぶねぇ……。


「じゃあ、10月はコスプレで仕事ね!」


「「「あ……」」」


 そういう風になるのね……なんちゅう店だ!イタズラ少年恐るべし(ほとんどはシャンプーマンのせい)


 浴衣で仕事か……仕事終わったら、たまにはM美を誘うかな。

 

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