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  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    改めて、生きることって問答無用だなと感じます。

    たまたまある程度幸せな人生を生きられている人もいれば、生まれた時点で全てを奪われたような人もいる。

    一般的な正しさでなくとも、生き抜いた物語りだと感じました。

  • バットエンドを避けるタチなので
    ちょっと敬遠しておりましたが

    恐る恐る1話目を読ませていただいて、
    その文章力に引き込まれました。

    娼婦の母が、息子を大切にしている姿が
    切なく感じました。きっと母なりに精一杯、心を砕いて
    いたことでしょう。
    その息子も、病身となった母を見捨てず
    ちゃんと働いて、食べさせている。
    貧民街という環境ではありますが、ちゃんとした家庭が
    そこにはある。

    一方、貧民街の奥に、突如現れた
    上等の服を着た、上流階級の子ども。しかも女の子。
    何故、この子がそこに居たのか。
    誰かが意図して迷路に迷い込ませたのか。女の子を。
    その女の子が、味わうかも知れない、死ぬより辛い事態を
    知っていながらそうしたなら……。

    色々な空想が膨らむ、次話が楽しみな物語です。
    ゆっくりですが、読みます。

  • プロがお書きになっているのかな?と疑うほどの文章力の高さ。

    これで残酷なのかぁ〜⋯⋯気合を入れて読まねば!


  • 編集済

    シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    思わず一気読みしてしまいました。
    今、涙が止まりません。

    デュランは、たくさんのものを奪われ、逆に奪ってきたかもしれない。
    それでも、最期まで奪われないものがあった。
    アネモネへの愛、彼女との眩しい思い出。
    それは、彼にとっての生きる支えになった。

    デュランは、生きていく中でたくさんの選択を誤ってしまったかもしれない。たくさんの人を傷つけてしまったかもしれない。
    それでも、母親を愛し、アネモネを愛し、ジニアの命を救ったという事実がある。

    彼の人生は悲惨なことが多かったけれど、彼の生き様すべてを否定することは、到底私には出来ません。

    デュラン、よく頑張ったね。優しすぎて不器用すぎる貴方には、ほんの少し生き難い世界だったかな。
    許されるなら、どうか空の上では温かい場所で、アネモネを優しく見守っていてくれたらいいな……なんて、そう願わずにはいられません。

    私はバッドエンドの作品が好きで、自分でも書くのですが、こんなにも心を揺さぶられたのはジャック様の作品が初めてです……!
    心に残る素敵な物語を読ませていただきました。ありがとうございました!

    作者からの返信

    夏様、拙作をお読みくださり、素敵なお言葉と、お星さままで賜り、本当に嬉しいです。ありがとうございます。私生活で少し落ち込む気持ちがあった時にこちらの応援コメントの通知が届き、とても励まされました。

    デュランは、決して清廉潔白ではなかったし、そういられなかったと思います。それでも本当に、アネモネとの出会いや、彼女と過ごした時間は、デュランにとっての光だったと思います。

    デュランの一番の望みは、愛している人たち(母親、アネモネ)に幸せになってほしいということだったと考えています。
    そして、その次に、デュラン自身も彼女たちのそばにいたかったのではないかと思います。

    デュラン自身は、自分自身の身を削って、削った分を与えることしか知らなかったこと。それが、悲劇のきっかけになったように思えてなりません。

    現実的に可能だったのかどうか、私にはわかりませんが、デュランは……愛する人たちだけでなく、自分の人生を大切に思ってもよかったのだよと伝えてあげたかったです。

    執筆当時の私にも、それができず、デュランにはつらい思いを強いてしまいました。
    だからこそ、夏様が、デュランに、温かいお言葉をかけてくださったのを見たときに、私の心の一部も救われたような気がしました。
    本当に、本当にありがとうございます。

    貴重なお時間のみならず、あたたかい心を尽くしてくださったお言葉に、どうお返事したらよいのかを迷って、時間が経ってしまいました。申し訳ありません。

    こちらこそ、夏様のお時間を使ってくださったこと、あたたかなお言葉を賜われたこと、忘れません。本当にありがとうございました。

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    自主企画の参加、ありがとうございました!!

    覚えているでしょうかね?覚えていなくても全然構いませんが見にきましたよ!!

    最初から最後まで心に響かせてくる文章とストーリー、細かく目に浮かんでくるような情景描写。本当に見習いたいです。

    二人の愛は呪縛となってしまった。そして呪縛と言う名の鎖にデュランは囚われ、繋がり罪を背負う。殺せば、殺される。けど殺されたとしても最後の最後まで愛した二人。
    もう、本当に深い!!まぁ勝手な解釈ですけど。

    とゆうか、なんですか『君のことなんて愛していない』って!!もう泣いちゃうじゃないですか!!子守唄もやめてください!!歌詞がこの物語と一緒にきて心に刺さるじゃないですか!!

    作者さんの凄さが滲み出る作品でした。
    これからも頑張ってください!!

    作者からの返信

    USSR様、この度は、お読みくださり、熱いコメントをくださりありがとうございます!
    覚えております!
    5話を一気に読んでくださり、お忙しい中コメントをくださったこと、印象深く覚えております。シリアスでハードな展開の続く5話を読んでくださっただけでも嬉しいのに、まさか読了いただけるとは、感謝感激です。ありがとうございました……!

    (私事ですが、家族の負傷によりカクヨム活動を縮小しておりまして、お返事が遅くなり申し訳ありませんでした🙏 家族の怪我がほぼ治りましたので、少しずつ復帰して参ります。ありがとうございます!)

    ありがとうございます……子守唄の歌詞は、デュラン、デュランの母、そしてアネモネに重なるように一生懸命考えました。心に刺さると仰っていただけて、光栄で、嬉しいです。ありがとうございます……!

    すごく落ち込むことがあったとき、USSR様のコメントをいただけて……すぐにお返事ができなかったこと、本当に申し訳なかったのですが、何度も読み返して、奮起したというか、踏ん張る気力を分けていただけました。本当に、ありがとうございました。これからも頑張ります!

  • この頃の2人が本当に本当に可愛くて、何度も会いに来てしまいます。
    無邪気なアネモネを見るとご両親も本物の余裕を持った良い人なのだろうなと感じます。
    また、母の面倒を見るデュランの姿から、幼いデュランもこうやって育てて貰ったんだと思うと……。
    読み終える度に「トラジェディ」に続かないでー!と思ってしまいますが、続かなかったらこんなに好きにならなかったと思うので悩ましい所です。

    作者からの返信

    月兎耳様、読み返してくださりありがとうございます……!
    実は、第一話、第二話、第三話……を書き終えたあたりでは、まだハッピーエンド……といいますか、デュランとアネモネの二人を幸せにできる方法があり、方針についてとても迷っていました。
    本当に、こんなことを起こしてしまっていいのだろうか、何度も何度も迷った末に……最終的には、トラジェディ(悲劇)の副題に沿った展開を選びました。
    あの時の私は、何かに取り憑かれたように書いていたと思います。
    そうでなければ、今たぶん、心穏やかにいられなかった……そう思います。
    そして、こちらでコメントしてしまうのも失礼かもしれないのですが、月兎耳様のこいぶみにいつも元気をもらっています……!
    作品世界を深く愛してくださって、本当にありがとうございます。

  • 加害の連鎖というか、地獄で育ったものたちの歪で、だからこそ愛情に飢えた物語に言葉が出ませんでした。
    ありえるはずのない夢の描写から、ネイサンとの邂逅まで…デュランのワンシーンワンシーンが焼け付くようでした。
    でもなんというか、デュラン自身が自分の人生に憐れみを感じてなくて、これが自分に相応しい終わり方だと納得している感じなのが、彼らしいありかただなと思います。こういう彼だからアネモネも惹かれたのかなぁ…色々考えてしんみりしております…。

    作者からの返信

    通院モグラ様、お読みくださり、応援コメントも本当にありがとうございます。
    デュランの人生は、デュランの母の人生は、マフィアのボスの人生は、ネイサンの人生は、何だったのだろうと……書き終えて時間が経った今も、考え続けています。
    デュランには(冷たい言い方になってしまいますが)、人生における選択権がないわけではありませんでした。
    利己的に立ち回り、自分の利益だけ、自分の幸福だけを追求していれば、わずかなりとも幸せを掴み取れたかもしれない人だと思っています。

    それでも……それでも彼は、どうしても、アネモネに傷ついてほしくなかったのかもしれません。自分より大切な人がいたというのは、彼にとって、ある意味、幸せなことだったのかもしれないし、不幸を呼び込んだのかもしれない……と思います。
    深く深くお読みくださり、ありがとうございます……!

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    めちゃくちゃ心に響きました。。。

    罪と愛が拮抗する重苦しい世界の中で、「誰かを想う心だけは奪えない」というテーマが一貫して胸を打ちました。
    デュランの人生はとても痛ましいものでしたが、だからこそアネモネの愛が際立っていたように思えます。
    最期の救いは決して派手ではありませんでしたが、別れすら愛の形として描かれる点が美しかったです。

    よい作品をありがとうございました。

    作者からの返信

    にとはるいち様……!
    この過酷な話をお読みくださり、本当に美しいレビューと、応援コメントをありがとうございます。
    この物語は……自分の痛みを救済するような気持ちで書きました。おそらく、きっと、痛みだけでなく、愛もテーマでした。アネモネは、一貫して、デュランにとってのペインキラー……つまり痛み止め(鎮痛剤)でした。鎮痛剤は、激しい痛みを和らげてはくれますが、多くの場合、問題の根本的治療に用いられるものではありません。

    それでも、痛み止めが、アネモネがいてくれる間は、デュランは痛みを感じず、安らいだ気持ちで過ごせたのではないかと思っております。
    こちらこそ、お読みくださり、素敵なお言葉を寄せてくださり、本当にありがとうございます。

  • コメント失礼いたします。

    天国と地獄、アネモネとデュラン、赤らんだ頬とやつれた頬……世界観の説明はシンプルなのに奥行きがあり、すごく引き込まれる描写の数々に感銘を受けました。
    デュランに寄り添った三人称視点で、地獄で生まれ育った彼の目に、アネモネが鮮やかな色合いで映る光景が目に浮かぶようです…

    あらすじからきっとハッピーエンドではないのかな、と予感させて頂きつつも、2人の今後を楽しみに拝読させて頂きます。

    作者からの返信

    通院モグラ様、お読みくださり、応援コメントありがとうございます……!
    はい、決して、ハッピーエンドではありません。シンプルなのに奥行きがあるとおっしゃっていただけて、ありがたく光栄です……!

    この物語に登場するシアハニー市は、私の故郷とアメリカのイメージを混ぜ合わせて作った架空の都市です。描写は最低限なのに生活感があるのは、自分でも少し不思議に思っておりますが、故郷のイメージが色濃く出ているからかもしれません。
    5話から、とてもハードで残酷な展開が続きます(詳細は冒頭の注意書きに記載しております)ので、どうか読み進めてくださる場合は、ご無理なさらないでください。
    お読みくださり、本当にありがとうございます……!


  • 編集済

    Bottom of the HELLへの応援コメント

    デュランと出会って1週間が経ちます。何度も読み返しましたが、ここだけはあまり見られませんでした。
    デュランの気持ちに触れるのが、あまりにも辛かった。
    繰り返される「だから」にどれだけの気持ちが詰まっているのか。
    「好きな人がいる」なぜ彼の1番大切な、美しい気持ちを聞くのがこんな男なのか……!!

    寓話的に考えると、「母」を想い「父」を超えるのは「息子」の宿命ですが、非常に痛みを伴う形でそれが為されています。
    次の「息子」はここまでしたデュランを超えられない。
    デュランの結末は、世界の仕組み(ルール)として強制されたのではないか。そんな風にも考えました。
    沢山コメントしてしまい、気持ち悪かったらすみません……。

    (私もFAが描きたいです。描いたら近況ノートに明確なタイトルをつけて掲載したいと思います。)

    作者からの返信

    月兎耳様、応援コメントありがとうございます。この話は……この話は、この話が、物語の核でした。
    そもそもデュランというキャラクターが何故、生まれたかといえば……彼は私の心にあった憤怒の、具象化、擬人化、というのか、そのような存在でした。憤怒といっても、ただの怒りではなく……表現が難しいのですが……『尊厳を守るための怒り』『命をつなぐための怒り』『大切なものを守るための怒り』のような感情の化身でした。
    踏みにじられたことに対して、彼がずっと怒っていてくれたから、私は辛うじて生きていくことができていたのだと思います。

    しかし、その怒りは年を経るごとに肥大化し、憤怒にすべてが飲み込まれそうになっていました。積もりに積もった憤怒が、発露のときを迎えようとしていた。しかし、私は……発露させる前に気づきました。このまま全てを発露させてしまえば、今持っている大切なものさえ手放さざるを得なくなると。私は……考えて、考えて、考え続けた果てに、怒りを手放す決断をしました。

    その余剰エネルギーをすべて注ぎ込んだのが、シアハニー・ランデヴです。
    憤怒は私を守っていてくれたけれど、憤怒と一緒のままではきっと、望んだ人生を生きていけませんでした。だから……儀式として、憤怒を埋葬する事が必要だったのだと思います。私を守ってくれた憤怒の感情に、感謝とお別れを伝えたかったのです。

    だから、世界のルールとして強制されたという、月兎耳様の感覚はとても正しいです。デュランには、私の味わった理不尽を、より過酷な形で追体験してもらいました……。その結果として、この物語が出来たのだと思います。

    たくさんのコメント、とても嬉しかったです。私が大切にできなかった憤怒が、愛されることで、癒されていくのを感じます。ありがとうございます……。

    編集済
  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    アネモネ側からの回想でより彼への愛が伝わってきて本当に泣けました。
    2人とも自分が相手から全てを奪ったと思っていて、でも本当は生きる理由を、魂の1番大切な部分を与えあっていたのに。
    ララバイの歌詞が、苦しい場所で生きていた彼らの人生そのもので、
    デュランが歌いきれなかったことが、叶わない願いと、一緒に居たいと口にも出来ない環境を暗示しているようでした。

    作者からの返信

    月兎耳様、最後までお読みくださり、心を寄せてくださって、本当にありがとうございます。

    デュランが歌っていたララバイは、母親から部分的に伝え聞いたものです。当初は、母親からデュランへの愛が不完全にしか伝わらなかったことを象徴していました。
    それが、デュランの精神状態を象徴するものになり、アネモネや母親への愛を象徴するものにもなってゆきました。同じフレーズを繰り返すことしかできない、最後まで歌うことがそもそもできない……。それは仰るとおり、叶わない願いを暗示していたと思います。
    デュランは、すべての歌詞を知ることなく、亡くなりました。

    しかし、その歌詞は、断片的にアネモネに伝わり……アネモネは、曲を見つけ出すことができました。

    デュランが、どんなに苦しい状況でもララバイを歌い続けていたことが、巡り巡って、デュランの本心……『それでもいい 少しだけ あなたのそばにいさせて』……この言葉を、アネモネに届けてくれたのだと信じたいです。

    ……メタ的には、デュランの母親の人生、デュランの人生、アネモネの人生を重ね合わせられるように祈りながら、全ての歌詞を作りました。

    シアハニー・ランデヴ、この物語は、色々な作品に影響を受けて作られたものですが、明確に原型となったのは、アンデルセンの『人魚姫』です。

    私は幼い頃、人魚姫の話を聞いたとき、なんて救いの無い話なのだろうと思いました。せめて王子が、人魚姫の最期を看取ってくれたら、少しだけでも人魚姫は救われただろうに……と、思ったことを覚えています。

    デュランが泡となり消えゆく人魚姫、アネモネが王子様のポジションである、という認識で書いておりました。

    そして……もう一つ、特に影響を受けているのは、ポルノグラフィティの楽曲、『カルマの坂』です。

    本当に、この過酷な話を、最後までお読みくださって、ありがとうございました。

    最後に、シアハニー・ランデヴには、ありがたいことに、沢山のファンアートをいただいております。とても素晴らしく美しく、大好きなため、ご紹介させていただければと思います。(近況ノートのリンクを貼らせていただきます……!)

    https://kakuyomu.jp/users/JackTheWriter/news/16818622172762177774

    デュランについて語ってくださって、本当に嬉しかったです。もし制作過程や、キャラクター設定についてご質問があれば、私の近況ノートなどにコメントいただければ可能な限りお答えしたいと思っております。も、もし気が向いたらよろしくお願いいたします……! 長文失礼いたしました!


  • 編集済

    また会えて良かった。
    彼がほんの少しでも善い事をしたと知る事が出来て、本当に良かった。
    1人きり幻を見て死ぬような終わり方じゃなくて良かったぁぁ……!
    アネモネもデュランを追い続ける事に困難があったでしょうに、自分の想いを貫いたのですね。強い子ですね……。
    冷えた頬を温めるような抱擁が、本当に美しいです。
    デュランの気持ちも全部伝わっているのに、アネモネが嘘を見抜く事を知っているのに、あえての「嫌い」がこちらの涙腺に攻撃してくる……!

    (ノートに貼らせて頂きました。実は許可を頂く前から勝手にデュランについて語っておりました。申し訳ないです。問題あればすぐ消すので言って下さい…!)

    作者からの返信

    月兎耳様、デュランの人生を見届けてくださって、本当にありがとうございます。近況ノートも読ませていただきました。
    デュランの人生は、過酷なことばかり起きました。しかし、彼は全てを選べないまま生きたわけではなく、明確な選択肢が、何度も、何度も、何度もありました。
    そのたびに、私は彼に問いかけました。選択の果てに受け入れなければいけない代償を理解しているのか、本当にそれでいいのかと。
    彼は頑として、『アネモネを守りたい』『アネモネだけは傷つけたくない』と言い続けました。私は、そのとおりに書きました。


    デュランは、きっと、アネモネが現れたとき、あまりの自己肯定感の低さから、『アネモネは憐れみや優しさでここにやってきていたのだ』と思っていたのではないかと思います。そんなわけはないのに……。

    だからデュランは、弱った彼が思いつく、もっとも愛と優しさを込めた嘘を、たぶん、感謝のつもりでアネモネへ贈りました。

    しかし……最期のキスで、彼はアネモネが抱いていた気持ちは、憐れみや優しさとは違うことをはっきり感じました。デュランは、アネモネから愛されていたことを、心の底から理解して旅立ちました。アネモネがやってきてからは、もう、痛みは全く感じていなかったはずです。

    デュランは、作中で一度も『愛している』を言えないままの人でした。本当の気持ちを打ち明けることが、できないままの人でした。

    ……アネモネは、きっと彼の本当の気持ちが聞きたかったし、愛の言葉が欲しかったと思います。それが彼女を傷つけても。

    シアハニー・ランデヴの世界に、生まれ変わりや、死後の世界があるのかどうかは私にもわかりません。でも、いつか、いつかふたりが語り合い、今度こそ本当の気持ちを打ち明け合う世界があったらいいと思います。


  • 編集済

    1行目から叫びそうでした。こんな夢酷すぎる……。
    左手の薬指が無くなっていく様子が余りにも痛くて、夢が粉々に砕けて本当に2度と叶わなくなってしまうのが凄く辛かったです。
    それでも自分を殺すネイサンにまだ言葉をかけられる彼が愛おしいです。

    (不躾なお願いなのですが、こちらの作品のリンクを私の近況ノートに貼らせて頂いても良いでしょうか?本当に大好きで低拡散力でも拡散したいんです……。)

    作者からの返信

    月兎耳様、応援コメントありがとうございます……!
    デュランにとって、片手がなくなることそのものよりも、結婚指輪が付けられなくなることのほうが辛かったのではないかと思いながら執筆しておりました。もう、夢でさえも、アネモネに会えなくなる気がしたのかもしれません。

    たぶん、ネイサンに対しては、愛憎入り混じった感情を抱いていたと思います。最期まで好きになれなかったのと同じくらい、申し訳なく思っていたし、最後に『ネイサンの頭を撫でようとする』という、デュラン自身予期していたかどうか分からない行動をしてしまうくらいには、自分が道を誤らなければ……もっと違う出会いができていればという思いもあったと思います。

    もちろん、当作品は近況ノートに貼っていただいて大丈夫です……!
    丁寧なご確認ありがとうございます!

  • パン屋のおじさん……。

    赤毛の少女を見てアネモネを重ねてしまったデュランの笑いは、読者には泣き声のように響きますね。
    歌い続けるララバイは彼の耳にはどう聞こえているのでしょうか。
    僅かな居場所を次々と自分の手で壊さなければならず、その度により悪い方に転がり、それでも彼の中には微かな愛がある。
    凄く凄く面白いです。たくさんコメント送ってしまってすみません。

    作者からの返信

    月兎耳様、パン屋のおじさんに心を寄せてくださってありがとうございます。かつての居場所はもう頼れないのだと言うことを示すメタ的な理由での登場となりましたが、パン屋のおじさんはお金を(法外な利子を付けて返すことで)一応命だけは助かって放免されました。しかし、パン屋を続けていくことはできず閉店の憂き目にあったようです。

    赤毛の少女を見てアネモネを重ねてしまったデュランの笑いは、泣き声のようなものでした。涙が枯れ果てて泣くことができないデュランは、感情を表出させるときに笑うことしか残されていなかったのです。
    僅かな居場所を守ろうとすればできた、保身は選べた、でも選べなかった。それが愛の、彼の愛の名残なのかもしれないです。
    たくさんコメントいただけて、本当に本当に嬉しいです! ありがとうございます……! 個人的にとても思い入れの深い作品なので、ここまで寄り添ってお言葉をいただけるのは、嬉しくてたまりません。心から感謝しております。ありがとうございます……!


  • 編集済

    【番外編】HAPPY BIRTHDAYへの応援コメント

    このタイミングで差し込まれる番外編……、酷いですね!!(賛辞)
    デュランが母と2人きりでも自活出来ており、母の美しさを憶えていたという事は、ある程度の年齢まではしっかり養育されていたという事なんですよね……。
    デュランの容姿が母親似で良かったと思います。
    それは性加害を呼んだかもしれないけれど、容姿が父親寄りだったら、もっと彼の精神にダメージを及ぼした筈です。

    作者からの返信

    月兎耳様、応援コメントありがとうございます……!
    当時の執筆意図としては、『父親編(第五話)』と対比させるために『母親編(当該エピソード)』を挿入したと思うのですが……、全てが手遅れになってから差し込むエピソードとしては悪辣と言わざるを得なくて自分でもびっくりしています。どうしてこんな酷いことを……。

    はい、そうです。デュランが自活できているのは、生きる方法や生活を維持するための方法を母親から学んでいたからです。ある程度の年齢までは、しっかり養育されていて、とても仲の良い親子でした。徐々に徐々に弱って、シアハニー・ランデヴ本編の状況につながりました。当作品では、作中世界では起きているけれども意図的に描かなかったエピソードがいくつかございますが、デュランの母親については特に顕著だと思います。

    デュランの容姿が母親似でよかった、というのは、初めて気づかされた視点ですが、本当にそうだと思いました。もし父親に生き写しだったら、彼はもっと前に心が折れていたはずです。アネモネとの恋愛関係すら成立しづらくなる要因になっていたかもしれない……。

    お読みくださり、デュランの心情に寄り添ったお言葉をくださり、本当にありがとうございます。励みになります……!

  • 先のコメントではご心配頂きありがとうございます。
    創作物に至っては辛さも快感なので大丈夫です!続きも楽しませて頂きます。
    やさぐれ少年モノが好きで私自身も一時書き散らしましたが、こちらとは比べ物にならず圧倒されております。

    作者からの返信

    月兎耳様、たくさんお読みくださり、深い洞察の籠もったお言葉をありがとうございます。とてもとてもありがたく、大事に読ませていただいております……!
    やさぐれ少年モノ! とても気になります……もしどこかで公開されているのならぜひ読ませていただければ嬉しいです……(月兎耳様のご迷惑でなければ)!

    この話は……色々と事情があって、自分の中に煮立っていた怒りと悲しみとどうにか向き合いたくて書いた話です。執筆して一年以上経った今も、ときどき読み返してみておりますが……自分でも威圧感のようなものを感じます。

    書かないと生きられない、そのような切実さがこの当時はとても強かったと思います。
    (反面、今はとても元気で健康で充実しているため、どこかぽやんとした話しか書けなくなり……難しいものです)。
    お読みくださり、あたたかなお言葉をいただけることが、当時の私にも救いにもなります。本当にありがとうございます。

  • いつも拙作に応援ありがとうございます。
    この回の前半が余りにも甘やかだったので、読み進めるのが辛かったです。
    もうお別れだなんて……。まさに天国と地獄の様でした。
    自己評価が低いデュランがアネモネの人生を必死に護ろうとする様子が本当に美しかったです。
    他の方のコメントを見て、年齢設定が11歳という部分にも驚きました。母にすり潰される心と、決まった覚悟が哀れです。

    作者からの返信

    月兎耳様、深く読み込んでくださった応援コメントとお星さまありがとうございます。
    恐怖症クラブ、いつもゾワゾワしながら楽しませていただいております……!

    デュランの人生に訪れた甘やかで幸せな瞬間を精一杯描きました。アネモネの存在が、笑顔が、デュランにとってどれほど大きな意味を持っていたか……。それを思えばこそ、デュランの決意が痛々しくも、純粋に感じます。
    デュランは、本当にアネモネのことが大好きだったのだと思います。

    第四話、そして第五話は、過酷な展開が続きます。詳細は冒頭に注意書きを行っておりますので、もし苦手な要素が含まれる場合はご無理なさらないようにお願い致します……!

  • コメント失礼いたします。
    アネモネの純粋さがデュランを惹きつけつつも、彼にとってのそれまでの普通を壊してしまいそうな、危うさを感じました。
    2人の関係性や舞台設定が、非常に魅力的ですね。
    今後も読み進めていきます。

    作者からの返信

    猫目 一様! お読みくださり応援コメントまで! 誠にありがとうございます……!
    アネモネとデュランのキャラクター設定は、対比になるように作り込んでみました。表裏一体でありながら、補完関係でもあり、互いにとって致命傷になりうるような……。
    アネモネという存在は、この段階のデュランにとってとても眩しいと思います。だからこそその光が地の底まで届いてしまった感じがあるとも……。

    ご推察の通り、デュランにとっての普通は、どんどん壊れていきます。その過程で掲載ギリギリなほど過酷な展開を含みます。該当話の冒頭には注意書きをさせていただいておりますので、もし少しでも危険を感じたら読むのを止めても大丈夫です……!
    ありがとうございます……!

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    うああああああ…。終わった後、色々と考えてしまいました。
    他の人が書いていましたが「限りなくハッピーエンドに近いビターエンド」がまさにそのとおりだと思います。
    …それにしてもコメント欄皆凄い書いてる。私の言いたいこと全部言われちゃった。
    思ったのはこの作品のテーマ?というかなんかそういう感じの奴にコミュニケーションがあるのではと、これまでのことを振り返ってそう感じました。

    作者からの返信

    テマキズシ様……深く深く読み込んでくださって、最後まで見届けてくださり、心から感謝いたします……!
    この物語を書き始めたとき、もっと陰惨で救いのない結末を予想していたため、バッドエンドタグをつけました。そのうえで……各登場人物が、それぞれの人生を生ききった結果、可能な範囲の救いをもたらすことはできたと思います。
    しかし……やはり……この物語は……デュランが暴漢に対して発砲してしまった時点で、『バッドエンド』の分岐に入ってしまった、そう思い、そのままにしております。
    バッドエンドタグを書いておくことで、読者様の心の負担も軽くできれば……、と少し思っております。

    はい、本当に嬉しいです。コミュニケーション、それが、シアハニー・ランデヴのテーマでした。より正確に表現するならば、コミュニケーションの欠如、コミュニケーション不全が、どれほど甚大な被害をもたらす可能性を持つのか……ということでしょうか。

    デュランは、両親とコミュニケーションを取ることができなかった(できなくなった)です。

    作中で描写したデュランの母親は、あくまでデュラン視点から見たものです。母親視点から見れば、まったく違うことを考えていたかもしれません。

    デュランの母親は、作中で一度も、『(デュランの父親に対して)惨たらしく復讐をしてくれ』とはまったく頼んでいません。作中で描写されていないというだけでなく、彼女の人生のなかで、デュランに復讐の実行を頼んだり、命令したりしたことは一度もないという意味です。

    しかしデュランは復讐という形で、父親に対しておぞましい決着をつけることを選びました。

    ……デュランは、もし、父親が、醜くても無様でもデュランを傷つけるような内容でも、心からの本音を話していれば、父親を再起不能に落とし込むことなく解放していました。デュランは、父親と、対話がしたかったのです。それがどんなに無様でも、痛みを伴うものでもせめて本音で向き合いたかった。
    しかしその望みは叶わず、デュランは対話を諦めた末に、母親と同じ『痛み』を父親に与えることにしました。……そうでないと、母親や自分の受けた苦痛を分からせることができないと思ったからです。

    ……コミュニケーション、それが、きっと、私が向き合っていくテーマなのだと思います。本当に、この過酷な話に、最後までお付き合いくださり……ありがとうございました。

  • 【番外編】HAPPY BIRTHDAYへの応援コメント

    デュランのお母さん…。ちゃんと愛していてくれたんですね。大学の授業中だというのに泣いてしまった…。本当に辛い…。
    ここまで読者に感情移入させてくれる作者様の作品は本当にすごいです。

    作者からの返信

    テマキズシ様! 大学の授業中に……!?
    大事な時間をお邪魔してしまってはおりませんでしょうか、しかし、感情移入していただきとても光栄で、嬉しいです。
    はい……デュランの母親は、デュランを愛していました。何もできない赤子だったデュランが、言葉を覚え、歌を覚え、生きていけているのは、まさに、母親からの愛でした。
    第5話で、デュランは、ハッピーバースデーの歌を歌っています。歌えるということは、歌ってくれた人がいたということなのです。それは……デュランの……母親でした。デュランの母親は、デュランが4〜5歳になる頃までは比較的健康で、きちんとコミュニケーションを取って彼を育てていたのです。それから徐々に弱っていき、シアハニー本編の時系列につながります。
    物語冒頭のデュランが、アネモネを助けた理由も、デュランの母親にあります。作中で描写はしていませんが、『女の子には優しくするんだよ』というようなことを、デュランの母親はデュランに言っていたことがあるのです。デュランの倫理観や、“優しさ”の基礎を築いたのは、間違いなく母親だったと思います。

    本当に、深く深く読み込んでくださりありがとうございます……。過酷な描写も多くあったので、ご負担をおかけしてはいないでしょうか。それでも、テマキズシ様の下さったお言葉は、作者として、とてもありがたく嬉しいお言葉でした。

    編集済
  • 一話から分かる文章力の高さ。ぶん殴られるような衝撃を受けました。
    バッドエンド…。それもまたよし!


    ……デュラン。いい子だなあ

    作者からの返信

    テマキズシ様……! 光栄です。温かいお言葉もありがとうございます。文章力の高さ……ぶん殴られるような衝撃……本当にありがとうございます。

    デュランをいい子だと仰ってくださって……ありがとうございます。きっと、いい子だったと思います。とても……。

  • 注意書き、良い取り組みですね
    ゾーニングというか。

    作者からの返信

    江口たくや【新三国志連載中】様、応援コメントありがとうございます。そして、お返事が遅くなりましたこと、心よりお詫び申し上げます。
    私事で申し訳ないのですが、今年の夏場、体調を激しく崩しておりまして、なんとか涼しくなってきた最近本格復帰を果たしたのですが、7〜8月時期のコメントを丸々お返事できていなかったため、今急ぎでお返事させていただいております……!

    はい、人によって、フラッシュバックや精神的苦痛を味わいかねないと思ったため、注意書きをさせていただきました。あくまで小説、フィクションのため、心の底から辛い思いをさせたくはないという思いからの行いでした。これからも、精神的ショックの強い作品には事前に注意書きを行いたいと思います。
    コメントをお寄せくださり、誠にありがとうございました……!

  • Bottom of the HELLへの応援コメント

    自主企画の参加、ありがとうございます!!

    ああ、面白い!面白いのに、、、次の小説があるっ(泣)
    自主企画が終わったら最後まで読ませていただきます、、、(´・ω・`)

    これからも頑張ってください!!

    作者からの返信

    USSR様、自主企画の運営お疲れ様です!
    応援コメントとお星さま、本当にありがたいです、ありがとうございます……!
    あ……あの、USSR様、もしかして、ご参加されている作品全てをお読みになっておられるのですか!?
    ご無理はなさらないでくださいね……!
    お気持ちは嬉しいですが、ご負担をかけたいわけではないので、もしお辛いようでしたら当作品のフォローも外してくださって大丈夫ですので!
    どうかゆっくりお盆期間を過ごされてくださいね……!

  • Bottom of the HELLへの応援コメント

    この度は、企画への参加ありがとうございます。
    拝読しました。

    最初は単なる身分違いの許されざるラブストーリーかなと思いながら呼んでいましたが、いきなり180°方向が変わりびっくりしてます。
    どん底からの復讐劇……非常に興味深かったです。

    まあ、この企画のルールの中に「性描写NG」というものがあるのですが……見逃すとしましょう。
    各話の冒頭にある諸注意に性描写と書かれていて「うわあ」と思いましたが、それでも第五話を見てみたく、読み進めてみました。

    皆さん真剣なコメントを残している中悪いですが、
    私はこういう残酷系、特に狂気、猟奇、カニバリズムが大好物でしたので、注意書きを見てとても楽しみになりました。
    多分私がおかしいんだと思います。はい。

    そして、期待を裏切らないどころか予想を遥かに超えた、なんと「骨を食べさせる」という鬼畜の所業。
    良い趣味してますね。

    時間があれば、この先の五話も目を通していこうと思っています。
    執筆活動、応援しています!

    作者からの返信

    上沙レイン様、この度は企画運営、温かな御言葉ありがとうございます! まずは、申し訳ありません!
    性描写NG、勝手に『キャラクター同士の直接的な行為がなければ問題ないのかもしれない……?』と考えてしまっておりました。
    取り急ぎ、今すぐ企画から脱退致します。企画条項への抵触、誠に申し訳ございません。

    追記:企画からの脱退完了致しました。この度は、誠に申し訳ございませんでした。今後、このようなことがないよう、注意徹底して参り、迷う場合は事前相談を行わせていただきたく存じます。御迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。

    編集済
  • 心を震わせるストーリー。今後の展開も期待できる。
    ただアネモネはどうして主人公をここまで好きになったのかがわからなくて、そこだけが引っかかった。
    しかも出会って間もない内からかなり好感度高かったように見受けられた。
    やっぱり母親譲りのイケメンだからか?所詮は顔か!?クソッ!(私情)
    気の触れた母親をケアできる優しさに惚れたとか?でもそれだけだと弱いよね。
    まあまだたった3話目時点での感想なのでこれから判明していくのかもしれない。
    あとアネモネ小学生くらいの幼女かと思ってたので普通に男とキスしててびっくりしたw

    作者からの返信

    @398830様、ご高覧、応援コメント本当にありがとうございます!
    返信が夜遅くになってしまい、大変申し訳ございません……!
    そうです、おっしゃる通り、アネモネが何故主人公デュランのことをここまで好きになったのか、疑問にお思いになっていると思います

    主人公デュラン自身も、何故自分がこれほどまでに好かれているのか分かっていない……という理由で、デュラン視点で描かれる第三話までに、十分な理由を記載することができなかったのです

    それを問題視したため、第四話で、出会いの話をアネモネ視点で回想するシーンがございまして!
    そちらで疑問を解消できたら嬉しく思います……!

    主人公が母親譲りのイケメンだから……という点は、影響がないとは言えません
    鋭いご視点からのお言葉、とても嬉しかったです、ありがとうございます!

    アネモネが小学生くらいの幼女と思ってくださってありがたいです!
    この時点のアネモネの年齢は11歳を設定しておりますので、ご推察のとおりです!
    (デュランも同じくらいの年齢です)

    キスシーンに関しては、私も執筆当時、少し度肝を抜かれておりました
    交際開始から半年の時間経過があるとはいえ、関係性が進みすぎでは……と……正直思っております

    諸事情あり、いきなりキスシーンから始まる展開になっており、驚かせてしまい申し訳ありません……!

    どうしたら、@398830様のご質問に相応しい回答ができるのだろうと悩んだ結果、遅くなってしまい申し訳ありません
    もし過不足がございましたら、恐れ入りますが近況ノートなどでお気軽にご質問いただければ、とてもありがたいです

    作品の読了具合に応じた形でできる限りの情報開示をいたしますので、もし宜しければお願いいたします……!

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    感動しました。
    今ちょっと泣いています。
    ララバイはレクイエムへ、そして最後はラブソングへと昇華されて、まるで映画のエンドロールを眺めているようです。
    アネモネの献身が自身の花として、デュランのそばで添い遂げる。
    この演出は本当に素敵ですね。
    この小説に出会えて、私は幸せです。

    作者からの返信

    刹那先生、お読みいただけで、一話一話にコメントをいただけて、レビューまで!
    こちらこそとても幸せです……!
    ありがとうございます!

    デュランの母からデュランに伝えられた歌は、部分的なものでした。だからデュランは、それを子守唄だと解釈して歌っていました。

    しかし、最初から最後まで、この歌は、恋の歌、ラブソングでした。叶わない恋の歌。人魚姫の歌。
    デュランの母の恋、デュランの恋、アネモネの恋、それらが重なるように歌詞を考えました。

    デュランが伝えきれなかった想いが、歌という形でアネモネに届いてくれていたらいいと、そう願いながら書きました。
    アネモネが、この歌詞を知ったとき、どんなふうに思ったのか……。

    アネモネは、作中で「デュランの好きな花は結局分からなかった」と言いましたが、もし、デュランがその質問をされていたとしたら、きっと、『アネモネと同じ名前の花』と答えていたと思います。

    映画のエンドロール、そうなってくれたらいいと強く意識したので、すごく嬉しいです。ありがとうございます……!

    アネモネは、デュランの人生をすくい上げることはできず、ふたりが一緒に生きることは出来なかったけれど、ふたりの過ごした時間は、とてもかけがえのないものだったと思います。
    私も嬉し泣きしております。本当にありがとうございます……!
    後ほど近況ノートでレビューコメントに関するお礼もさせていただきます。ありがとうございます……!

  • アネモネとの十数年来ぶりの再会は万感の思いに感極まり、赤毛と斜陽の溶け合うわずかな時間の美しさに、きえゆく命の儚さを感じました。
    デュランの善行と悪行――すべては巡り巡って最期の瞬間に描き切るように。それらすべてを包み込むアネモネの寛大な包容力に心打たれますね。

    作者からの返信

    刹那先生、お読みくださってありがとうございます……!
    アネモネとデュランが言葉を交わせたのは、本当に……ほんのわずかな時間だったと思います。
    デュランは、もう生きていたくはなかったし、自分は生きるべきではないと考えていたと思います。しかし、たった一つ残った望みだけはどうしても捨てられなかった。

    アネモネに会いたい。死の間際のデュランに残ったのはたったそれだけだったと思います。アネモネが会いに来てくれるとは、思ってはいなかったけれど、せめて待ち合わせ場所に行くことを望みました。

    デュランにとっても、アネモネにとっても、かけがえのない時間だったと思います。
    デュランが前話で、「おれが生まれてきたからみんな不幸になった」というようなことを言いましたが、そうではない、そうではないんだよ、ということを伝えたくて書いた話でした。

    もし、デュランが生まれていなければ、アネモネは12歳のあの日にスラムで死んでいました。アネモネは、デュランがいたから生きている人間なのです。

    デュランは、悪行も善行もしました。悪行に対する罰が与えられたのなら……ほんの少しだけでも……善行に対する報いがあってもいいんじゃないかと思いました。
    お読みくださり、本当にありがとうございます。

  • 泣ける(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

    作者からの返信

    刹那先生、応援コメントありがとうございます……!
    前話でほんのわずか、人間性を取り戻したデュランですが、今更……心根が多少変わったくらいでは……マフィアから逃れることも叶わず、また、デュラン自身がボスを殺したことを申し訳なく思っていたため逃げることもせず……。

    デュランは、このとき、『何故ボスを殺した?』と何度も何度も詰問されているのですが、デュランは何も言えませんでした。アネモネの名前を出すことは勿論、赤毛の少女を助けたかったなどとも言えませんでした。
    それでもデュランが粛清されなかったのは、先んじて起きていたマフィアの内部抗争と、ボスの死により、マフィア全体がぼろぼろで、絶望的に人手が足りなかったからです。

    マフィア内の識字率はとても低く、計算が出来る人間もほとんどいなかった。だからこそデュランは、監視付きで生かされました。

    常に監視されているため、自害することも出来ませんでした。そんな時に現れたネイサンの存在は、デュランにとってある種の救いだったのかもしれません。
    デュランは、実の父を拷問したとき、自分が死刑にされると思っていました。しかし、実際は、情状酌量されてしまい、減刑されてしまった。デュランは、ずっと、罰を受けたかったのかもしれないと思います。

    デュランは、第四話に登場した暴漢を撃ったとき、暴漢の死を確認したとき、安堵した気持ちがあったと思います。あいつはもういない、襲われることはもうないと、思うことが出来た。
    デュランは、ネイサンの眼の前で死ぬことで、復讐を受ける側になることで、加害者がこの世からいなくなる、そんな安堵だけでもあげたかったのかもしれないです。
    内心、ネイサンに対する根深い嫉妬の気持ちもあったため、このような結果になりましたが……。
    お読みくださり、本当にありがとうございます。

  • カネをバラまく悪魔からどこか掴みどころのない厭世観を覚えます。虚ろな眼差しというか、感情が欠落したニヒルの冷笑をイメージして勝手ながらしばしの感慨に耽りました。
    赤毛の少女にアネモネを重ねては幼い頃の心を取り戻し、精神が激しく錯乱するシーンは圧巻です。このような目まぐるしい精神世界を描けるのは才能ですね。

    作者からの返信

    刹那先生、応援コメントありがとうございます……!
    厭世観、このときデュランは、ビルから飛び降りようと考えていたため、カネは最早必要なかったのです。今更カネを貰っても、使う場所も意味もないし、という気紛れの現れでした。
    しかし、ばら撒いたカネを巡って醜い争いが起こったのを見て……人生最期に見る光景がこれか、というようなことを思ったのではないでしょうか……。
    デュランはこの場では飛び降りをやめて、仕事に戻ったようです。
    しかし、次にやってきた仕事は、かつてのアネモネを思わせる、赤毛の少女、しかも最後に会ったときのアネモネと同じ、名門校の制服を着ている……。
    デュランはこのとき、自分が今やっていることの罪深さを突きつけられていたと思います。このときのデュランは誘拐されてきた少女のことを詳しく知りませんが、この少女ジニアは、アネモネの親戚であり、デュランが加担しているマフィアの毒牙がアネモネのすぐそばまで迫っていた……ということも示しています。

    流されるままに悪事を行って、笑いすらしていたデュランは、今このとき、悪魔と呼ばれる前の……きっと人間的だった頃の感覚を部分的に取り戻したのだと思います。

    しかし、汚れ仕事に手を染め続けてきたデュランには、綺麗な手段で人助けをすることすらも出来なくなっていた……。
    デュランは、赤毛の少女を助けて、わずかばかりの人間性を取り戻した代わりに、マフィアとして生きる人生と、父親と呼べたかもしれないボスを自らの手であやめました。デュランにとって、どちらを選んでも後悔に満ちた決断になったと思います。

    刹那先生から才能と仰っていただけるなんて……光栄です。ありがとうございます!

  • 【番外編】HAPPY BIRTHDAYへの応援コメント

    デュランは不幸にしたくて産まれたわけではないということがわかり安堵しました。
    しかし、我が子の治療を最優先にする母親の気持ちと経済的困窮が精神的に追い打ちをかけていくのが同時に起こるので余計に辛い。
    人生は選択の連続と言われますが、何か一つでも違えばこうはならなかったと今更ながら考えてしまいますね。

    作者からの返信

    刹那先生、温かいお言葉ありがとうございます。不幸にしたくて産んだわけではない、幸せを願っていたはずだと思いながら書きました。
    デュランがハッピーバースデーの歌を知っていたのは、歌ってもらったことがあったからです。デュランの母から……。
    デュランが物心ついてしばらくは、普通に会話もできていて、仲の良い親子だったと思います。
    長い時間を掛けて徐々に徐々に、病が体を蝕んで、精神すらも歪めてしまった。デュランの母と会話ができなくなったとき、デュランは本当にショックだったと思います。それでも母がいつか、治ってくれる、いつか、再び会話を交わすことが出来るとデュランは信じていました。

    作中を通してデュランは不法移民の子で、公的支援を何も受けられない……ように思いますが、デュランの父はシアハニーの正式な市民であるため、デュランの父さえもう少し責任を取っていれば、少なくともデュランには市民になる資格がありました。
    何か一つでも違えば、大きく、大きく、変わっていたと思います。
    デュランがもし、シアハニーの市民になれていたなら、アネモネとの未来の障害も、少なく済んだのではないかと思います。
    お読みくださり、ありがとうございます。


  • 編集済

    Bottom of the HELLへの応援コメント

    狂気に満ちたハッピーバースデーに震えました。
    母親の願いを歪めてまで凶行に走った周到な復讐計画。
    時間をかけてやつを嬲り痛めつけ、母親の最期の姿へと模倣するように近づける精神は猟奇的で、デュランの深層心理が表面化し行動に反映されていると感じました。
    ララバイはレクイエムへと。
    復讐は復讐しか生まないとわかっていながら、悲嘆に暮れる思いでいっぱいになりました。

    作者からの返信

    刹那先生、この過酷な話をお読みくださり、また、物語の核心を付いたコメントをくださり、ありがとうございます。
    デュランは、母親の願いを歪めて受け取っていました。母親は、一言たりとも、『復讐をしてほしい』とは言っていないのです。(作中で描写していない時系列も含めて、デュランの母は全くそのような言葉は発していません。)

    ここまでの事件を起こすに至ったのは、デュラン個人の恨みによる部分が大きかったと思います。
    しかし、誘拐した段階までは、まだ引き返す道がありました。デュランは、父親と対話をしようとしていました。それがどんなに悍ましい内容であっても、デュランの父が嘘でなく本心を話していたら、デュランはそれ以上危害を加えず解放するつもりでした。しかし、実際、父が喋ったのは、あまりにもつまらない嘘ばかり。デュランの父は、デュランや、デュランの母親の死と向き合うつもりが一切なかったのです。
    それを察したデュランは、すべてを諦めて、物理的な痛みを刻み込むことで、惨めに死んだ母親の痛みを味わわせてやりたかったんじゃないか……と思っています。

    復讐は復讐しか生まない、おっしゃる通りです。
    デュランの起こした事件は、波紋を作り、デュランやその父親だけでなく周りの人々を大きく傷つける結果を生みました。
    もし、どんな形であっても、デュランの母が生きていてくれたら、デュランはきっと、デュランの母を生かすために、デュランの母親の回復のために生きることが出来たと思います。
    でも、そうはならなかった……。
    デュランの人生は、ここで暗転しますが、まだ終わりではありません。続きもお読みくださり、本当にありがとうございます。

  • デュランと再会を果たしたアネモネ。
    危険を顧みず、すべてを投げ打ってでも彼に会いに行く英姿が颯走として可憐ながらたくましいですね。彼を想う強い気持ちがじわじわと伝わってきます。
    地獄の真の末恐ろしさを知るデュランだからこそ、銃で守る道を選んだのは必然だとしても、どこか罪悪感としての後ろめたさを覚えます。
    でも、命には代えられない。これでよかったのでしょうね、きっと。

    作者からの返信

    刹那先生、応援コメントありがとうございます。アネモネの気持ちはとても強く、しかし当時に、『何故デュランと引き離されたのか』という部分や、『何故デュランはアネモネとの別れを受け入れたのか』という部分に思い至っていないがゆえの短慮でもあると思います。

    デュランが暴漢の頭に銃を突きつけた時点で、ほとんど無力化は終わっていました。デュランが知る由もないことなのですが……実は、あと少し、ほんの少し、発砲を躊躇っていれば、もしくは頭ではなく足や腕などを撃っていれば……。
    アネモネを保護するためにやってきていた警察によって暴漢は取り押さえられ、デュランは全く違う人生を歩んだと思います。
    これで……よかったのかどうかは……私にもわかりません。デュランの人生は、ここからさらに暗転します。次の話は、とても……悍ましく、苛烈なものになっております。冒頭の注意書きそのままの事が起こりますので、厳しいと感じた場合はご無理をなさらないでください。
    お読みくださり、温かいお言葉もくださりありがとうございます。

  • デュランの母が愛した男には、どうしてもなりたくなかった。
    偽愛を囁き、母の心を見えない鎖で繋いでおきながら姿をくらませた詐欺師にはどうしても。
    その痛切な思いがデュランの言葉に如実に現れていて胸を打ちます。
    本心とは真逆の意味がどこまでも深い悲しみで痛いです。

    作者からの返信

    刹那先生、応援コメントありがとうございます。
    デュランは、自分と自分の母親が困窮した原因が誰なのかを痛いほどにわかっていました。せめて、手酷く振ってくれていれば、まだ母親は、父親への思慕を断ち切れたかもしれない。耳心地のいい嘘をついて、悪者になることすら避けた父親のことを、デュランは、憎む気持ちがあったと思います。
    デュランは、『父親のようにはなりたくない』という思いに縛られるあまり、自分の本当の気持ちを伝える機会を失ってしまいました。デュランは、アネモネに出会うまで、恋愛に興味はなかったと思います。恋愛で身を持ち崩した母親をよく見て育ったからこそ、恋愛で一喜一憂するような人間にはなりたくない……と思っていたかもしれません。
    しかし、気がついたら、アネモネに恋していた。アネモネのことを愛してしまっていた。デュランにとっても、予想外のことだったと思います。
    だからこそ、幸せだった時間もあった。アネモネの存在は、デュランの人生にとっての光だったと思います。
    ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

  • アネモネとデュランの母親との対比が快と不快、さしずめ天国と地獄を思わせ、その強烈な乖離が胸に突き刺さってきますね。観察眼とそれに伴う筆力、感受性が豊かでないとまず書けない繊細な描写。
    とても惹き込まれます。

    作者からの返信

    刹那先生、続きもお読みくださり、ありがとうございます。
    アネモネとデュランの母親の対比は、かなり意識して入れ込みました……!
    デュランの母親は、彼が幼い頃は優しくきれいな母親だったのですが、病に体を蝕まれ、精神的に退行を起こして、徐々に徐々にコミュニケーションが取れなくなってしまいました。デュランは、そんな母親を守り養うために幼くして働いていて、母親からの暴言も浴びせられています。

    しかしそれでも、デュランにとって、デュランの母親はとても大切な人のままでした。しかし、親と子の関係性が逆転している……まだ幼い子どもが親の世話をしているという状況は、健全なものではありません。デュランは、愛や会話に飢えていたのではないかと思います。そんな時に現れたアネモネは、デュランにとって、本当に幸せの象徴だったと思います。
    しかし、アネモネが気まぐれを起こして、デュランに会いに来なくなれば、それで関係は終わる。
    そんなアンバランスな関係だったからこそ、デュランは、自分から関係性を変えようと動くことはありませんでした。
    このアネモネの告白から、また二人の関係性は変わってゆきます。お褒めのお言葉、とても光栄で嬉しいです。ありがとうございます……!

  • 拙作『すずなり』読了、★評価、本当にありがとうございました。
    こちらの作品ですが、あらすじを見て世界観がとても気になったのでお邪魔しています。
    早速面白い展開ですね。
    デュランの吐き捨てるようなセリフも金輪際関わりたくない立ち振る舞いも、アネモネの空のような瞳で変えられてしまう心の機微が素敵ですね。

    作者からの返信

    刹那先生! 読了が遅くなり大変申し訳ありませんでした。ようやく家のゴタゴタも落ち着き、読み終わることができました。こちらこそ、余韻の残る物語を読ませてくださり、ありがとうございました。

    あらすじを見て……!
    なんと、たくさんお読みくださりありがとうございます!
    しかし、第五話はかなり過酷な展開を含みますので、どうかご無理なさらないようお願い致します……!

    同じシアハニーという名前の市に生まれながらも、全く違う人生を歩んでいる少年と少女の出会いから、物語は始まります。
    このときのデュランは、アネモネに心底関わりたくなかったと思います。それでも、放っておけばどうなるか察しが付いたから、彼女の手を引いて歩くことを選びました。この出会いは、お互いにとって人生を変える出会いになっている……と思います。お読みくださり、本当にありがとうございます……!


  • 編集済

    シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    ただ地獄に生まれただけ、ただ天国に生まれただけ。
    ただ、一緒にいたかった。それだけなのに…それすらも叶わなかった二人の人生。

    あの時こうしていれば、もっとこうしていれば、後悔ばかりの人生だったかもしれないけれど、二人が出会えたことを私はやっぱり嬉しいと思ってしまうのです。

    アネモネの葛藤、彼女はこんな風に考えていたのだなぁと分かりました。幼き頃の彼女の甘さは決して悪いことではなかった。彼女の純粋さに、デュランも救われていたと思います。

    ハッピーエンドとは程遠いですが、最後はうまくまとまっていてすごいなぁと👏
    こんな心揺さぶられるお話が書けるジャックさんに、ただただ圧倒されました。やっぱり読んでよかったです。
    素晴らしい作品を、ありがとうございました。


    願わくば、二人が穏やかに過ごせる時が来ますように。



    〈追記〉
    アネモネの花言葉を調べていたのですが、ギリシャ神話の悲恋の物語が由来となっていることを知りました。この話も男性の方が亡くなっていて、デュランとアネモネに重なるところがあるなぁと。色別の花言葉も、どれも二人通ずるものがある気がして、面白いなぁと思いました。<(_ _)>

    作者からの返信

    鳴宮琥珀様、最後までお読みくださって、ご感想もくださり、またアネモネの花言葉まで調べてくださりありがとうございます……!
    もしこうしていれば……ここで違う道を選んでいれば……互いにすれ違いあって、最終的に一緒に生きることは出来なかったふたり……
    しかし、出会わなければよかったのかといえば、きっとそんなことはなくて……
    一緒に居た時間、交わした言葉、輝かしい想い出は、ずっと残り続けると思います

    アネモネは花言葉から名付けたのですが、デュランもまた花が由来になっています

    『カレンデュラ』(キンセンカ)という名前の花で、そこから一部を取ってつけました
    花言葉は、「別れの悲しみ」「寂しさ」「悲嘆」「失望」です
    カレンデュラは、あんなにきれいな花なのに、どうしてこんなにも、切なく悲しい花言葉なのだろうと考えたところから着想が生まれたと思います

    黄色いカレンデュラの花言葉は、「献身」「慈愛」「乙女の姿」「変わらぬ愛」でもあり、そちらもイメージに含んでいます

    完璧だから好きになるわけじゃなくて、デュランは、アネモネの不完全さや未熟さすらも愛しいと思ったのではないかと、そう想像しながら書きました

    大人になったら結婚しようという約束を交わしたふたりですが、アネモネからいい出したことではあるものの、その約束に本当に縋っていたのはデュランの方だったように思います

    アネモネとデュランの関係性で、主導権を持っているのは、アネモネだったと思います
    幼い頃のデュランは、アネモネに嫌われたくなくて、自分の弱みや痛みを、苦しみを、彼女に打ち明けることができなかった

    彼女も未熟さ故に、彼の背景にあるものを想像することが出来なかった……

    アネモネは、理想の男性像をデュランに投影していたところがあって、デュランもまた、アネモネとの未来を夢見ることに希望を見出していました

    どちらにも事情があったとは言え、どちらも過酷な現実を直視しようとしていなかったから成り立っていた関係だったと思います

    しかしその夢が全くの無価値だったかというと、そんな……そんなことはなくて
    二人で共有した幸せは、二人だけのものだったと思います

    結局、作中で、二人は『さようなら』と言葉に出して別れを伝え合うことはありませんでした
    二人とも、互いと別れたくなかったからです
    本当はずっと、一緒にいたかった

    だからきっと、いつかどこかで、また巡り合うのではないかと思っています

    最後までお読みくださり、温かなお言葉を寄せてくださりありがとうございます
    本当に嬉しくて、読みながら泣いておりました
    見届けてくださってありがとうございます
    本当に感謝しております🙇

  • すでに狂って壊れてしまったかのように見えたデュランでしたが、この回では特に人間性が表れていて、ああなんだ…デュランも一人の人間じゃん、と胸を痛めながら読みました。

    あの日、突然引き裂かれてしまった、別れの挨拶も叶わなかった二人、こうして再会したのがデュランの最期とは………。(その前にも一度会ってはいますが…)
    ただ、デュランが眠る瞬間だけは穏やかであったことが、本当に嬉しかったです。

    あの日、彼女の手を引いて良かったと思った。 → 自分の存在に対して後悔ばかり抱いて、生きる意味がないと、自分がいると不幸になると言っていたデュランから、こんな言葉が出てくるとは…。アネモネと出会えた喜びを、自分の行動を、素直に認めてくれて嬉しかったです。

    作者からの返信

    鳴宮琥珀様、応援コメントありがとうございます。デュランは、確かに狂ってはいたのでしょうが、完全に狂いきれてはいなかったのだと思います。デュランにほんのわずか残った人間性、その象徴が、アネモネとの思い出でした。
    デュランは、初めて人を殺めてしまったあの日から、自分の存在意義が本当に分からなくなってしまったのではないかと思います。
    彼の脆い精神を支えていたのは、きっと、『自分を愛してくれている人の存在』でした。
    もし、デュランの母が長生きしてくれていたら、回復してくれていたら、凶行に走ることもなかったのではないかと思いますが……。

    デュランは、幼い頃から、デュランを育てるためにその身を犠牲にしてきた母を見て育ちました。デュランは、内心、自分さえいなければデュランの母はもっと楽に生きられたのではないか? という気持ちを抱えていました。
    ずっとそんな気持ちを抱えていたデュランにとって、アネモネとの出会いと、彼女から向けられたひたむきな愛情は、きっと人生で初めての、存在の肯定であり、幸せだったと思います。
    デュランは、悲惨なことをたくさん経験してきて、忘れかけていたのですが、デュランがもし最初から存在しなければ、物語冒頭のアネモネは誰にも助けてもらえず、無残に亡くなっていました。デュランがいたから、救われた存在。その象徴がアネモネでした。

    デュランはずっと、『アネモネに嫌われた、軽蔑された』と思い込んでいました。だから、最期になるまで、アネモネとの思い出の場所にさえ行くことが出来なかった。
    それでも、とうとう命が尽きるという段になって、『アネモネに会いたい』という心の底からの望みを抑えきれなくなり、待ち合わせの場所へと向かいました。

    会いたいと思っていながらも、本当にアネモネが来てくれるとは思っていなかったと思います。アネモネとの想い出に浸りながら、ひとり、死んでいくつもりだった。
    デュランとアネモネが語らえたのは、ほんの、ほんの僅かな時間でしか無かったと思います。
    それでもデュランは、その瞬間、自分が生きていた時間の中で、他ならぬデュランがアネモネを助けたことを理解することができました。
    そして、アネモネが、デュランのことを覚えていて、愛してくれていたことも知ることが出来ました。
    何もかも失ったと思っていたデュランにとって、救いであり、罰でもあったと思います。
    ずっと愛されていたことをようやく理解して、でも、彼にはもう時間が残されていなかった。
    デュランがいちばん大好きだったのは、アネモネの笑顔でした。しかし、デュランは、アネモネの笑顔を見ることが出来ないまま、亡くなりました。それでも、彼女に抱きしめられながら、ぬくもりを感じながら、旅立てたのは……救いだったのかもしれません。
    ここまでお読みくださり、本当に本当にありがとうございます。

  • ああ、もうこんなの……デュランが望んでいた未来そのものじゃないですか。( ;∀;) まさに現実逃避ですね…。

    「……そんなことしたって、お前のお母さんは、蘇らない。お前のお母さんが復讐を望んでいたのか!? そうじゃないなら、単なるお前の私怨じゃないか。復讐なんて、何の意味もないことに、僕ら家族を……僕のお母さんを巻き込むな!」
    → これって、ネイサンにも言えることではないかなぁと思います。結局彼も、デュランに対して復讐しようとしていますからね。でも、お父さんは死んでないわけだし…やっぱりちょっと違うのかな。
    殺人を肯定する気はないですが、デュランもネイサンも、どちらの行動も気持ちも理解できるからこそ……辛いですね。(>_<)
    というか、今までデュラン視点で見てきたから、彼に感情移入できて彼の行動にも理解できていましたが、ネイサン視点だとしたら、また全然感じ方が変わりそうだなと思いました。

    「おれが生まれてこなきゃ……皆幸せだったんだ」 違うよ、そんなこと言わないで…( ;∀;)と、泣きたくなりました。

    アネモネにはデュランのことをずっと想い続け、囚われていて欲しいと願ってしまう私は、性格悪いんでしょうね。(^▽^;)



    誤字?です。
    大人になったアネモネが今どうしているのが → どうしているのか、でしょうか。

    作者からの返信

    鳴宮琥珀様、応援コメントありがとうございます……!
    そうです、現実逃避です。デュランも痛いほどに分かっていて、だからもう、報いとしての拷問を受けながら笑うことしか出来なかったんだと思います。


    ネイサン視点からこの物語を語るとなると……両親に愛されて幸せに暮らしていたはずの日々が、父親の誘拐によって粉々に砕け、ようやく帰ってきた父の姿は想像を絶するものになっていて……。
    敢えて作中では書いていないのですが、デュランが起こした事件により、芋づる式に父親が起こした数多の結婚詐欺事件、そのお金を元手にして会社を興してきたことが社会に露見してしまいました。

    世間はまだ14歳だったデュランに同情的になり、結果として事件の猟奇性とは裏腹に刑期が短く済んでしまいました。
    (私個人としては、この時点でデュランがもっと重い罪に問われていれば、その分デュランがマフィアに加入する時期が遅れ、その分新たな罪を重ねずに済んだと思いますので、厳罰に問われていたほうが良かったと思います)

    同時に、この事件では被害者であるはずの父親、そしてその父親から間接的に利益を得ていたとされる父親の妻エリザベスとネイサンにバッシングが集まりました。エリザベスはそれなりにいい家のお嬢様で、デュランの父が起こしていた事件のことは本当に何も知りませんでした。ネイサンも何も知りませんでした。

    しかし、デュランの父が廃人状態になっていたので、結果として彼女とネイサンが全てのバッシングや誹謗中傷を直接受ける立場になってしまいました。

    エリザベスにとって何より辛かったのが、最愛の伴侶であった男性(デュランの父)の過去の悪事です。エリザベスは、確かにデュランの父を愛していました。デュランの父によるおぞましい悪事を許せないという気持ちと、それでも愛している気持ちに引き裂かれ、加害者であるデュランを責めることすらも出来ず、やがて彼女は決定的に壊れてしまいました。

    ネイサンは、元々それなりに良い学校の優等生だったのですが、通っていた学校で虐めの的になり、自主退学に追い込まれました。ネイサンは、財産を取り崩しながら、奇しくもかつてのデュランと同じように、壊れてしまった母を介護しながら生きることになったのです。


    ネイサンは、全てを壊したデュランへの恨みを募らせました。しかし、ネイサンが拳銃を買えるようになった頃には、デュランはすでにマフィアとして生きていました。何の力もないティーンエイジャーであるネイサンが、マフィアであるデュランに対抗するためには、拳銃を持つしかなかった。


    ネイサンには、デュランに復讐したい気持ちもありましたが、同時に、デュランと対話をしたいという気持ちのほうが多くありました。しかし、憎い親の仇を目にした瞬間、彼の口からは怨嗟と憎悪がこぼれてしまったのです。


    本当は、「どうしてあんなことをしたんだよ」だけを言いたかったと思うのですが……。

    ネイサンは、『護身用のため』『話をするため』『脅しのため』に、拳銃を持っていました。「死ぬのが、怖くないのか」→発砲後「ちがう、違う、僕は……!」とネイサンが言ったのは、デュランに対する強い殺意があるわけではなかった、という気持ちの表れだったと思います。


    しかし、拳銃を持ったネイサンを見たとき、デュランは、『ようやく、自分を裁いてくれる相手が現れた』『死に場所を見つけることができた』と思ってうれしかったのではないでしょうか。


    デュランとネイサンは、言葉を交わしているけれど、ほんとうの意味で腹の中を打ち明けあうようなコミュニケーションをすることはできなかった。そう思います。


    ネイサンの名前には、ヘブライ語で『贈り物』という意味があります。
    ネイサンの名前は、父が付けたものです。
    デュランの名前は、母が付けたものです。デュランは、父から名前をもらえなかった子供なのです。

    ネイサンの住む家に、わざわざ『プレゼントボックス』を届けたのは、デュランの嫉妬であり、親に愛された子どもに対する当て付けだったと思います。

    しかし、ネイサンは、ただ〝天国〟で生まれただけ。ネイサンは、何も悪くなかった。デュランは、自分のなかの醜い嫉妬と羨望に気づいて、懺悔の気持ちを持ったのかもしれません。

    今更悔いても、もう、デュランがやったことは取り返しがつきませんでした。
    デュランは自分の人生を振り返って、生まれてこなければよかったと、そう思ったのだと思います。
    デュランの人生は、あとほんの少しだけ続きます。
    その終わりを見届けていただけたら、とても嬉しく思います。


    (誤字修正しました、報告ありがとうございます……!
    全然気づかなかった……!)

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    こんばんは、『シアハニー・ランデヴ』読ませていただきました。

    デュランも、アネモネも、みんなみんな、ただ幸せに過ごしていたかっただけだった……。けれど、幸せであることは叶わなくて。

    すごく考えさせられました。
    人の心を動かす、とても素敵な一作品だと思います。


    ここから急に創作の話になるのですが、私はシアハニーのような、読者様と物語が一緒に一喜一憂できる作品を目標としています。
    実際に自分自身が読者側になってみて、「素敵だな」と思うことはあっても、感情が揺さぶられることはほぼありません。

    これは私の勝手な思いですが、一つの作品で、読者を一喜一憂させれる、それは素晴らしいことだと思うんです。

    ジャックさんは、本当にすごいと思います。


    素敵な物語をありがとうございました。
    後日になってしまうかもしれませんが、心を込めてレビューも書かせていただきます。

    本当にありがとうございました。

    作者からの返信

    SANA先生、本当に、この過酷な話を読んでくださっただけではなく、応援コメントも、素敵な素晴らしいレビューも……すごく嬉しくて感涙しております、ありがとうございます!

    読者様と物語が一緒に一喜一憂……そうおっしゃっていただけて、すごく嬉しく、光栄で、ありがたいです。

    すごく個人的な理由で書き始めたもので、拒まれることはあっても、こんなにもたくさんの方に受け入れていただけるだけでなく……温かい感想をいただけるなんて、想像だにしていなくて……。

    ありがとうございます。いただいた応援コメントもレビューも、私の宝物です。
    こちらこそ、本当に、本当にありがとうございます。
    心のこもったお言葉、ずっとずっと読んでいて、もう嬉しくて涙が止まりません。ありがとうございます😭✨

  • デュランが今の生活を楽だと思うのは、もう失うものが何もないからですよね。アネモネと二度と会えないと分かっているデュランの、生きている理由って何だろうと考えます。
    こういう仕事って、いかに心を殺しているかが大切だと思います。だから、デュランには適任だった。
    それでも彼の中のアネモネがどれだけ大きい存在か、よく分かりました。良くも悪くも、彼女はデュランを突き動かす原動力となるのですね。

    「デュラン、お前もわかってるだろうが、〝地獄〟はくだらねえ、きたねえ場所だ。だけどな、俺は、そんな場所を此処から変えてやる。悪魔が〝天国〟に行けやしないってんなら、俺達の手で此処を天国よりいい場所に変えてやればいいんだよ」
    このセリフ、何だかなぁと思いました。一見、地獄を変えるという良いセリフにも捉えられますが、やっぱりなんか違うなぁと。
    デュランの目線からは、ボスがいい人?のように描写されていますが、普通に血で手を染めているし、関係ない子供を殺そうとしている。いい場所って何だろうなぁと思いました。
    ボスのことを一部分しか見ていないので、彼のことは深くは分かりませんが、この話を読んで私はそう感じました。

    作者からの返信

    鳴宮琥珀様、深く深く読み込んでくださってありがとうございます……!
    はい、現在のデュランには、自分の命以外に失うものはもうありません。デュランに唯一残っているものがあるとしたら、アネモネと過ごした幸せな時間だけだったのだと思います。

    ボスのことに気づいてくださってありがとうございます……!
    ボスは、決して『いい人』ではありません。マフィアのボスに成り上がる段階で、恨みを買っていたし、たくさんの人間の命や尊厳を踏みにじりながら生きていました。そんな男が『いい人』のように見て感じているこの話冒頭のデュランの考え方(認知)は、もう大きく歪んでしまっています。

    デュラン視点からでも、ボスの行っていることが悪行であり、残酷であるとわからないはずはないのです。しかし、デュランは、自分に都合のいいボスの振る舞いを強く印象付けて、自分にとっての『理想の父親像』を強く投影していたのではないかと思います。

    実際、ボスの側にもデュラン(の母)への思い入れが存在していたことで、相互に擬似的な親子関係が出来上がりかけていた……。

    しかし、デュランがやっていることや、ボスが主導していることは、マフィアという存在は、人を踏みにじり命を奪うことです。

    ジニア(赤毛の少女)のエピソードは、デュランに、『今デュランがやっていること』の現実的な側面を突きつけるためにありました。
    『デュランがやっていることの残酷さ』を、『罪に慣れきったデュランに自覚させ、客観的に向き合わせる』ためにありました。

    ボスの行動は、マフィアとして生きることを能動的に選んだIFのデュラン……というイメージで書いていました。

    〝天国〟(=アネモネ)に強く憧れ、求めながらも、実際にやっていることはただの独善的な悪行でしかない。血まみれの手で作った天国もどきが完成したとしても、そんな場所が真に幸せな場所であるはずがない……と思います。

    デュランには、まだ、向き合わなくてはならないことが残っています。当時の自分にできる精一杯で書きました。過酷な展開が続きますので、どうかご無理なさらず……!
    応援コメント、本当にありがとうございます。

  • 【番外編】HAPPY BIRTHDAYへの応援コメント

    う、ううう…辛い…( ;∀;)
    お母さんがデュランを心から愛しているのが伝わってきます。
    前話から続けて読んだので、余計に感情がジェットコースターになりました。
    何かもっと言いたいことがあるのですが…上手く言葉にできませんでした。(>_<)

    作者からの返信

    鳴宮琥珀様、応援コメントありがとうございます。
    デュランが『ハッピーバースデーの歌を知っていた』のには、理由がありまして、幼い頃、母から歌って聞かせてもらっていた時期があったのです。

    デュランが物心つく頃までは、母との意思疎通が可能であり、それなりに良好な親子関係を築けていました。
    デュランにもし優しさのようなものが残っていたのだとしたら、きっと幼少期に注がれていた愛があったからだと思います。

    意思疎通出来た頃の優しい母を覚えているデュランにとって、『いつかまた、母と以前のように話せるようになるかもしれない』というのは、人生を生きる希望であり、切なる願いだったのではないかと思います。しかし、現実としては、母の死に目にも間に合わず、お別れの時間すらも最低限で、勝手に火葬されてしまいました。
    (デュランが暮らすシアハニー市ではどちらかといえば土葬が一般的なのですが、墓や土地を持たないデュランの手元に置くには火葬しかありませんでした。そのため、遺族であるデュランの意思を確認することなくデュランの母は焼かれて骨になりました。)

    デュランは、現実感のないまま、母がいなくなってしまったことを、別れの言葉さえも生前の母に掛けてあげられなかったことを、『優しい母と再び言葉をかわすこと』が二度とできなくなった事実を、ずっと考えていたのかもしれません。
    お読みくださりありがとうございます、とても……嬉しくて、励みになっております。続きも過酷ですが……どうかご無理のないように……ご覧いただければ幸いです。

  • Bottom of the HELLへの応援コメント

    デュランとアネモネが、それぞれ違う場所に連れて行かれる描写があまりにも辛かったです…。二人は根から生きる場所が違うのだと突きつけられたみたいで…

    デュランの賢さや、稼いだお金がここで使われるのは悲しい。(>_<)
    ただ、それだけのことを男はやったんですよね。…すみません、ここはコメントが難しいです。

    要所要所で歌を歌っているデュラン、本来微笑ましいはずの歌が狂気的に聞こえてしまうのは、彼が壊れてしまっていたからでしょう。
    デュランの狂った感じが伝わってきて、胸が痛くなりました…。

    作者からの返信

    鳴宮琥珀様、応援コメントありがとうございます。この話は、作中で最も……過酷で、それでいて、なくてはならない話でした。
    アネモネが名門校から脱走したことは、すぐに教員達に露見しました。通報を受けた警察が、アネモネの後を追っていたのです。
    警察がすぐやってきたことは、必然でした。
    だから……だからもし、デュランがあと少しだけでも発砲をためらっていたら、二人とも保護されていたと思います。デュランも少年院に入ることはなかった……。

    デュランが少年院に入らなければ、少なくともデュランの母の死に目にそばにいることはできて、デュランが復讐に走ることは避けられました。

    デュランが凶行に走った理由は、いくつかあるのですが……第3話で、デュランがデュランの母に言っていたことも関係していると思います。

    「おれは、あんたのそばにいるよ……あんたが死ぬまで……」

    デュランは、母がどんなに暴れても狂っても、母が大切でした。だから、当たり前のように、そんな約束を口にすることが出来たのです。

    でも、その約束は果たされなかった。デュランは……母の死に目に間に合わなかった。
    せめて死に際を看取って、少しでも会話が叶っていれば、きっと、あるいは……。

    しかし、その全ては壊れてなくなってしまって、デュラン視点からは自分を愛してくれる人が誰もいなくなってしまった。

    ……作中では敢えて書かなかったのですが、少年院を出て、拠り所のなくなったデュランは、最初、助けを求めるつもりで父を訪ねようとしていました。
    そんなことが叶わないと思っていても、もしかしたら……という気持ちがあったのかもしれません。
    しかし、住まいを訪ねて、デュランが見たものは、理想的で幸せな家庭でした。デュランの父が新しく作った家庭には、『一人息子』(デュランにとっての母親違いの弟)がいました。

    まるでデュランの母を騙し奪い踏みにじった過去などなかったかのように何の罰も受けずに平和に穏やかに幸せに暮らしていました。

    ……実は、デュランの父の新しい伴侶は、まともな人格の持ち主で、デュランの父の過去の悪行を何も知らずに一緒になっていました。もしここでデュランが父ではなく、父の伴侶にすべてを打ち明けていれば、一人の大人として誠意を持って助けてくれたと思います。

    ……分岐点はありました。たくさんありました。でも、デュランが選び取ったのはこの道でした。
    お読みくださってありがとうございます……長くなって申し訳ありませんが精一杯書きました。ありがとうございます。

  • アネモネとはもう会えないからと、自暴自棄になってしまうのではないかと思いましたが、母のことや暮らしのこと、お金を稼ぐことなどを考えていて、少しだけ安心しました。

    デュランって、誰よりも繊細で脆い心の持ち主ではないかと勝手に思いました。何というか……言葉にできないですね。(>_<)
    前半では、アネモネが彼のことを本当に愛しているのが伝わってきました。でもやっぱり、彼女の考えはどこか甘いところがあると思います。何を犠牲にしてもいい、と思いながら心のどこかではデュランと一緒に幸せになれるのではないかという気持ちを感じてしまいます。良くも悪くも純粋なんですね。護衛もなしにデュランに会いに来て…。

    前半と後半、別の感情の涙がこみあげてきました。
    まさに、この出来事が引き金となって、悪い方向に向かっていく…そんな予感がします。

    作者からの返信

    鳴宮琥珀様、お読みくださり、応援コメント、ありがとうございます。

    冒頭のデュランは、受け取った手切れ金を元手に、現実的に生きていく道を模索して、そして一定の結果もだしていました。
    母に治療を受けさせ、修理屋として手に職をつけて。
    しかし、アネモネとの関係性を失った心の傷は抱えている。

    もし、何事もなければ、彼は母を穏やかに看取り、悲しみを抱きながらも彼自身の人生を歩み抜くことができたと思います。

    アネモネの考えが甘い、本当におっしゃる通りです。
    デュランにとっては、過酷な人生のなかのわずかな癒しであり、大切な宝物でした。しかし同時に、アネモネは未熟で考え方が幼い子どもでした。

    アネモネは、作中で『何を犠牲にしてもいい』と思っていました。彼女自身気づいていないのですが、この場合、犠牲になるのはデュランの気持ちや立場なのですね……。

    彼女は作中現在で約12歳です。
    反抗期や思春期でしょうか、間違うこともあるでしょう、しかし、幼いからといって、過ちが消えてなくなることはない。

    アネモネは、デュランのことをきっと(自分の望みを叶えてくれる力を持つ)王子様のように思っていました。
    デュランもなんとなくそんな彼女の気持ちに気づいていて、自分にはそんな力がないことは痛いほどわかっていて……過大な期待に押しつぶされそうながらも彼なりに精一杯、彼女のための『王子様』でいようと思っていた側面も多くあると思います。

    どう考えても関係性が長くないとわかっていたから、デュラン自身、本当の弱みを彼女に打ち明けたり、見せたりすることができなかった。

    だからといって、アネモネの愛が嘘だったかというと、そんなこともなく、デュランの想いが無駄だったかというと、そんなこともなかった……と思いたいです。

    デュランは、背中にアネモネを庇ってさえいなければ、引き金を引く行動にまで至らなかったのではないかと思います。

    ここからしばらくは、デュランの人生の暗黒期が続きます。一度は自暴自棄になることを耐えられたデュランでしたが、ここからは……。
    過酷な展開が続きますので、どうかご無理なさらないでください……。ありがとうございます。

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    恥ずかしながら、少し涙腺をやられてしまいました。

    凄惨な経歴をたどったデュランでしたが、
    アネモネへの思いだけは、決して消えていなかった。

    そして、そんな彼の過去を知ったうえで――
    アネモネも、覚悟を決めてデュランに会えた。

    あの時、引き金を引いてしまった時点で、
    きっと、ハッピーエンドはなかったのでしょう。
    それでも、最後に二人だけの時間を過ごせたこと。
    それだけでも、きっと報われたのではないか。
    そんなふうに思いました。

    素敵な作品でした。
    本当に、ありがとうございました。

    作者からの返信

    夢真様、本当に、私の書きたかったことを最大限汲み取ってくださって、嬉しく、光栄です。そんな言葉を手向けてくださるなんて……。
    デュランにとって、アネモネと過ごせた時間は、本当にかけがえのないものだったと思います。しかし、あの時、引き金を引いてしまった(殺意を抱き、実行した)ことで、その時間を自ら、永遠に終わりにしてしまった……。

    あのとき、暴漢の頭を狙う(命を狙う)のではなく、照準をずらして足を撃っていたら、それだけでも充分に、無力化は出来ていたはずなのです。

    でも、デュランは、そうしなかった。
    デュランの行動の是非についても議論が起こりかねないポイントではある……と思うのですが……個人的には、デュランは、ひとの命を奪ったという現実に耐えられる精神構造ではなかった、自分の行動を正当化しきれなかったとだけは、思います。
    だから、大きく道を踏み外して、這い上がる気力を持つことすらできず、どんどん落ちていった……。

    デュランには、デュランの母が残した縁を利用して、マフィアで成り上がる道もありました。
    地獄のなかであっても、〝天国〟を夢見ていたマフィアのボスは、IFのデュランの姿でもありました。ほんとうのいみで〝天国〟が何かもわからないのに、たくさんの人間を踏みしめて血を流して歩いていく狂った悪魔の成れの果て。

    もしあのとき、デュランがジニア(アネモネの親戚の少女)を見捨てれば、デュランはアネモネへの恋心や未練すらも持っていられなくなり、ボスの後釜に座っていたかもしれません。

    デュランにとって本当に、本当に、ほんとうの意味で何が大切だったのか、突きつけて選ばせるためにありました。
    そしてデュランは選び取りました。『助ける』という選択の代わりに、ボス=マフィアとしての成功の未来を、また、自分の手で壊しました。

    だからといって、デュランの心が純粋な善性に目覚めたかというとそんなこともなく……デュランは、半分だけ血の繋がった弟のことを、本当に好きにはなれなかったんだと思います。それでも罪悪感を持ち続けていた。償いたいとは、思っていた。その償い方が正しかったとは言えないけれど……。

    本当は、デュランがその気になれば、アネモネの家がどこであるとか、彼女の居場所がどこであるとか、調べることはできたはずなのです。調べて会いに行くことが、可能だった。デュランは、アネモネが幼い頃に話していた情報から、彼女の成育歴や周囲の環境をある程度知っていましたから。それでもしなかった。調べることすらも、できなかった。

    色んな理由があったとは思いますが、アネモネに関わることで、彼女の人生に傷をつけるのが怖かったんじゃないかと思います。

    アネモネも、怖がっていました。アネモネとデュランは、お互いに怖がっていたから、会えなかったのです。

    しかし、デュランは最期に、『想い出の(アネモネと待ち合わせをした)路地に行く』という形で恐怖を乗り越え、会いたいという気持ちを表に出すことができた。

    そして、デュランの経歴を知って怯えていたアネモネは、デュランがジニアの命を助けたことを知り、きっと彼に残る何かを信じて、彼に会いたいと思った……。
    二人がそれぞれ、会うことを望んだから、あの再会は叶いました。

    きっと、報われたと思います。
    こちらこそ、本当に、本当に、ありがとうございました。うれし泣きしております。

    編集済
  • Bottom of the HELLへの応援コメント

    ここが、核となる部分なのだと感じました。
    刺激は強いですが、それだけの背景がある。
    理解はできない。けれど、納得はしてしまう。

    復讐というものは、終わったあとに虚しさだけが残るもの。
    罪を背負い、生きていくことにもなる。

    ……デュランの生きる道。
    彼が何かを見つけられることを、願っています。

    作者からの返信

    夢真様……本当にありがとうございます。この物語の、はい、これこそが、核でした。この物語を書いた理由……この物語をハッピーエンドにできなかった理由……その全てがこの話に詰まっております。

    理解はできない、納得はしてしまう、そのご感想がいただけて、すごく……万感の思いです。
    そう、私は……デュランの行動に、例え一定の理解を示していただけたとしても、深い深い共感をしないでほしかった……のです。何故なら、この話を書いた時点で、デュランの人生の『終わり』は、決まっていたからです。
    デュランと読者様が、その読者様の御心が一体化してしまっていた部分があったとしたら、デュランが死ぬとき、そのとき、読者様の心も深く傷つけて壊してしまうのではないかという恐れがありました。

    だからこそ、ここで、この話で、読者様とデュランを、切り離したかった。たとえ痛みが伴おうとも……命を脅かす腫瘍を、切除しなければいけないように……。

    復讐の是非についても、ずっと、ずっと考えていました。それでいて、是非については、答えが出せませんでした。

    だから、だから、突き詰めたのは……『復讐をしたあとに、現実的に何が待ち受けているのか?』『それでも本当に復讐がしたいと思うのか?』『本当に望んでいた幸せが手に入らなくなっても、なお?』……というような、問い掛けでした。
    他の方のお考えは、わかりません。

    しかし私は……私にとっては『幸せになりたい』、復讐よりも幸せが大切だ……と、思いました。
    だからこそ、私の復讐心の代行者であるデュランの人生を、描ききってしまわねば、今ここで、と……思いました。
    だからこそ、復讐の残酷さ、痛ましさ、悍ましさから、目を背けてはならなかった……のです。私にとっては……。

    お読みくださり、核心をついたコメントをくださり、本当に嬉しかったです。
    とても、心のうちの何かが……安堵しているのを感じます。本当に、ありがとうございます。


    【追記】
    すさまじい長文になったことをお許しください……。

    編集済
  • 作品を構成する都合上、どうしてもこういう要素は出てくると思います。
    そんな中でも、見る側への配慮が行き届いていて――
    この視点は、私にはなかったかもしれないと、少し反省しています。

    本編について。
    そりゃ、気づきますよね。アネモネなら。
    ただ、残念ながら幸せな再会とはならなさそう。
    殺してしまったこと。後に響きそうですが、どうなることやら……

    作者からの返信

    夢真様、こんにちは!
    恐れ多いお言葉、ありがとうございます。
    上手く表現できる言葉を持ち合わせていないのですが……それでも、精一杯話してみます。読書というのは、特に私が書いたものを読んでいただく時間というのは、ものすごく大切な時間を分けていただくことだ、貴いことだ、ありがたいことだ……と考えております。
    だからこそ、どんな方が読んでくださるかわからないからこそ、不意にその傷を暴くというか、傷つけるようなことは、できるだけ和らげたかったのです。

    私も全て気づけている、万能だ、なんてことは全くなく、むしろ、未熟さが多くあり、恥じ入るばかりです。しかしそんな自分でも、ここは辛いかもしれない、悲しいかもしれないと気づけた分だけは、きちんと表記しよう……と……考えました。
    (無論、これはあくまでも私の考えであり、誰かにこの考えを押し付けようなどという気持ちは毛頭ございません。)

    本編についてもご感想ありがとうございます……!
    デュランは、『護衛の口を通して伝えたら、アネモネには嘘が露見しないだろう』と考えていました。しかし、それは彼の、ある意味希望的観測でした。
    デュランとアネモネは、半年間交際していましたが、それでもデュランは、アネモネの考え方の全て、思考回路の全てを分かっているわけではない、不完全さがありました。

    アネモネにもまた、不完全さ、未熟さがありました。デュランが嘘をついていることには気づけた(看破した)ものの、『デュランがなぜそんな嘘をつかなければならなかったのか?』という、彼の本心、というよりも、彼がそう言わざるをえなかった社会的状況、いうなれば現実の問題をわかっていなかった。

    相互の……コミュニケーション不足というのか……デュランは、アネモネに弱みを見せたがらなかったし、アネモネはデュランにきっと夢を見ていた。

    お互いが、お互いに、どこか踏み込みきれなかった部分があり、だからこそ、必然として……。
    ここがターニングポイントでした。
    続きもお読みくださり、また、素敵な、本当に心のこもったレビューコメント、ありがとうございます。
    ひとつひとつ、お返事を返させていただきます。後ほど、近況ノートでお礼もさせていただければと存じます。
    本当にありがとうございます。企画運営でお忙しいなか、こんなにも深く心を傾けてくださり、とてもとても感謝しております……!


    【追記】すみません、一生懸命話さねばと気合を入れた結果とんでもない文量になったことに送ってから気づきました申し訳ありません……!

    編集済
  • 企画の参加ありがとうございます。

    天国と地獄とはよく言ったものですね。
    デュランの母、まさに天国から堕ちた生活をしているかのよう。
    子供に当たるのは良くないけど。……大変なんだろうなとは思いますが。

    アネモネは不思議な子ですね。
    言葉の裏をつかむのがうまいのは、やはり育った環境によるものなのでしょうか。なんて。

    ……この先に進むのがちょっと怖いですが、追わせていただきます。

    作者からの返信

    夢真様、この度は素敵な企画を立ててくださりありがとうございます!
    ◆刺さる人には深く刺さる作品集◆
    という募集のタイトルが素敵で、ああこれはぜひ参加させていただきたい! と思い、衝動的に登録させていただきました。
    お目通しいただいただけでなく、応援コメントもいただけるとは……!
    本当に嬉しいです、ありがとうございます!

    ……しかし、この作品、参加登録させていただいておいて、ここまでお読みくださった上で申し上げるのは非常に申し訳ないのですが、どうしても現段階で伝えておかなければならないことがございまして、当作品はかなり残酷描写が多い話となっております。
    特に第5話は、凄惨です。

    綺麗ごとじゃない心情、鋭い世界観、独特のリズム――という募集要項には該当している、かも、しれませんが……ここまでお読みくださっただけでも本当に嬉しいですので、どうかご無理はなさらないでください。

    素敵な企画なので、きっとたくさんの方がご参加されると存じます。運営管理は大変なことが多いかもしれませんが、どうかご自愛なさってくださいませ。
    丁寧な応援コメント、本当にありがとうございます!

  • ひたすら、夢中になって読んでいました。

    苦しいですね…。(>_<)
    ただ、二人の関係が半年間も続いていたのには驚きでした。もっと早く引き裂かれると思っていたので。でも幸せな時間が長ければ長いほど、離れる時の苦しさは増すでしょうね。

    デュランも、アネモネの気持ちを受け入れた日から覚悟はしていたでしょうが、いざその時がくるとなると、そりゃ辛いですよね。( ;∀;)
    「いつか来る、だけどそのいつかは今日じゃない」、そう思いながら過ごす彼の気持ちは何となく分かりました。

    もう二度と会うことができないのなら、いっそのこと自分を嫌って、忘れて、どうか彼女には幸せになって欲しいと願うデュランの一途さに胸が痛みます。
    思ってもいないことを口にする苦しさ、生まれはどうすることもできないのに受け入れるしかない辛さ、色々な負の感情が入り混じった回でした。
    でも本当に辛いのは、多分ここからですよね。

    作者からの返信

    鳴宮琥珀様、応援コメントありがとうございます……!
    二人の関係が半年間も続いていた……それは、そう、ここから起こることの……原因でもあり、救いだったのかもしれません。
    本当はもっと早く引き裂かれるはずだったというのは、本当にそうだったと思います。しかし、アネモネがあまりにも幸せそうだったことと、デュラン自身の調査をして、彼の成育歴や環境がおおまかにわかっていたこともあり、護衛を通して時間を掛けて様子を見守っていたようです。生まれた場所も育ちも違う二人は、アネモネの親が何もしなくても自然と破局したり、仲違いするかもしれなかったから。でも、そうはなりませんでした。

    アネモネの親も、きっと悩んだのだと思います。その悩みや迷いが、デュランにとってはかえって残酷な結果になってしまったのだと思います。

    せめてお別れの言葉を、互いに交わせていれば、それぞれ良い思い出として違う人生を歩めていたかもしれません。
    はい、本当に辛いのは、ここからです。
    今までは、デュランの人生のなかでいちばん幸せだった時間の描写でした。
    もし、お読みいただけるのならば、少しでも辛いと思ったらどうかご無理はなさらず……!
    ありがとうございます。お返事が大変遅くなり申し訳ありませんでした……!

  • 「たとえ住む場所が違っても、同じシアハニーの市民じゃない」←この言葉って、アネモネが天国に住んでいるから言えることなのではないかなぁと思ってしまいました。(>_<)
    ですが、彼女の行動力のすごさには感心します。

    デュランの好きな色の青と同じ瞳のアネモネ。
    二人の距離が縮まるたびに、この先の展開を予想して胸が痛くなります。
    お互いに気持ちを伝えないままの特別な存在だからこそ成り立っていた関係だと思っていましたが、アネモネは気持ちを伝えるんですか。これによって物語が動きそうな。

    あっという間に読み終えてしまいました。
    描写がとても綺麗で丁寧ですね。

    作者からの返信

    鳴宮琥珀様、お読みくださり、鋭い洞察のお言葉ありがとうございます!
    アネモネには、彼女自身にも無自覚な傲慢さがあると思っていました。そうです、鳴宮琥珀様のおっしゃる通り、アネモネが何不自由なく恵まれた天国育ちだから言えることです。

    アネモネには、幼いがゆえの視野の狭さ、現実的にデュランの状況を打開するための案を出せないという本質的な無力さがあります。それを潜ませた言葉でした。
    少なくともこの時点の彼女は、デュランの置かれた状況を真の意味で理解してはいないのです。それが……伝わっていてすごく嬉しいです。

    いただいた感想のなかで、アネモネが嫌いとはっきり言ってくださった方もいました。
    その気持ちも正直わかります。
    執筆時点で気をつけていたのは、彼女の未熟さや視野の狭さを覆い隠さないことでした。

    アネモネというキャラクターで重要視しているテーマは、『未熟さ』と『無垢さ』でした。不完全さともいえます。
    アネモネの台詞を書いているときは、ずっと、無垢という言葉の意味を考えていました。
    無垢というのは、創作のなかでは、美しいものとして描かれがちです。

    しかし無垢とは、ありのままとは、恵まれた存在とは、持たざる者にとってある種の断絶と残酷さを持ち合わせているのではないか?

    そう、ずっと考えていました。

    ただ、アネモネが未熟で、不完全だからといって……愛を知らないわけではないし、愛されないわけではないとも思います。
    ……そんなところを描けたらいいなと、ずっと思っていました。
    アネモネが気持ちを伝えたことで、物語は大きく動き出します。この告白をデュランがどう受け止めたのかは、3〜4話で深掘りしております。

    描写がとても綺麗で丁寧、そんな風に仰っていただけるなんて……すごく光栄です、ありがとうございます。

  • 初めまして。
    作品フォローしていたにも関わらず、読むのが遅くなってしまいました。
    というのも、バッドエンドという文字がちらついて中々読み始める勇気が出ず…。でもずっと気になっていて読みたいと思っていたので、本日から読み進めていこうと思います。

    デュランは優しい子ですね。生活のために働き、母のお世話もして。
    口は悪いけれど、アネモネと一緒にいる時も、そこかしこに優しさがにじみ出ているなと感じました。(大通りまで案内してくれるところ、手を差し伸べたところ、パンを与えたところ、歩きやすい道を選んでくれているところなど……)彼の潜在的な優しさが、アネモネの心を打ったのだろうなと思います。
    そして、ぶっきらぼうなデュランには、素直なアネモネのような子が合うんだろうなぁと勝手ながらに思いました。彼女の純粋で真っ直ぐな瞳に惹かれたデュランの様子が想像できます。

    この先の展開、絶対苦しいだろうなと予想できますが…二人がどうなるのか見届けたいと思います。
    ちなみに、すでに泣きそうになっております…。(←なんで)

    作者からの返信

    鳴宮琥珀様、はじめまして。
    たくさんの話のなかから拙作をフォローしてくださっているだけでとても光栄ですし、貴重なお時間を使ってこうしてお読みくださって、応援コメントまでくださって、とても嬉しいです。ありがとうございます……!

    アネモネとデュランは、きっと出会うべくして出会ったし、惹かれるべくして惹かれたのかもしれないと思います。
    出会えたほうが幸せだったのか、出会えなかったほうが幸せだったのか……。

    お察しの通り、この話は、とても……とても過酷な話です。第三話までは比較的穏やかな展開が続くのですが……。

    具体的に述べると、第四話、第五話、第七話、第八話は、人を選ぶ残酷描写が多くございます。

    具体的な残酷描写の内容に関しては、冒頭部分にどういった描写が含まれるのか、注意書きがございます。
    もし、冒頭部分の注意書きを読んで難しいと感じた場合は、本当に本当にご無理はなさらないでください……!

    なぜそんな残酷なことになったかということを、勝手ながら説明させていただくと、この話は、個人的な苦しみや怒りを手放すために描いたもので、その結果として、過度に苛烈な描写が増えてしまいました。

    もし、今後も読み進めてくださる場合は、どうか該当話数にご注意の上ご覧いただければ幸いです🙇💦

    応援コメント、とても励みになりました!
    ありがとうございます……!

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    先が気になり夢中でお話を拝読しました。ディランの最後にアネモネが間に合って良かったです。ディランは地獄の中でも、自分で選択して人生を生ききった。地獄で生きることしかできなかったのが辛い。二人の再会がもっと早ければどんなに良かっただろう。そう思ってしまいますが、納得のラストでした。
    心揺さぶられる作品でした。ありがとうございました。

    作者からの返信

    天柳李海様、こんばんは。応援コメント、お星さまもくださり誠にありがとうございます。この過酷な話を一気読みしてくださり、感想もくださって本当に嬉しいです。

    この物語を書くときに強く意識していたのは、因果応報でした。悪い因果も、良い因果も、キャラクター達に可能な限り巡るようにしたかったのです。

    シアハニー・ランデヴ(前編)の展開は、デュランにとって、何が最も大切なのかをはっきりさせるための話でした。

    うまく書けるかどうかわかりませんが、精一杯書きます。

    デュランには、人生の転換期がいくつもありました。
    暴漢を撃たなかったら、父を拷問しなかったら、マフィアに入らなかったら、パン屋を見逃してやっていたら、そして、ジニア(アネモネに似ているアネモネの親戚の少女)を助けなかったら。

    消極的だったとしても、彼は彼自身の選択で、望みを叶えて生きていました。
    どんな選択をしても、得るものもあれば失うものもあるということを意識して書きました。

    もし、デュランがジニアを助けなければ、デュランはマフィアのボスの忠実な部下として生きて、本編よりもずっと長生きしたと思います。

    しかし、本編のデュランにはそれができなかった。デュランにとって、自分が生きるよりも、大切なもの(アネモネへの想い)がまだ強く残っていたのだと思います。

    デュランがもし、マフィアのボスの忠実な部下として生きた場合、いずれアネモネもマフィアの犠牲になっていました。

    だから、デュランの血まみれの決断は、結果的にアネモネを生かす形になりました。そこまでデュラン本人が計算していたとは思えませんが……デュランのなかのいちばん大きな、そして一貫した望みは、アネモネに傷ついてほしくないというものだったのだと思います。

    デュランは、その人生のなかで、あまりにもたくさんのものを踏みにじってきました。
    その罪は、報いは、受けなければならなかったと思います。

    しかし同時に、彼が助けたものもいる。その善行に対する報いも、等しく与えられてほしいと願いを込めて、最後の話を書きました。
    こちらこそ、お読みくださってありがとうございます。本当に嬉しかったです。

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    手を伸ばしても、届かない恋。デュランくんの身も心も血や残虐な行為で荒んでいきましたが、たったひとつ、胸の底にあったアネモネさんへの想い……それがトドメとなったのはある意味彼にとって幸せだったのかなと思いました(言葉がまとまらずすみません) すごく、……すごくいろんな思いが迫ってきます。
    アネモネさんが、自分と同じ名前の花を植えて、彼に語りかけるシーンが哀しくも美しかったです。重たいけれど、描いたような救いはなかったけれど、それがより深い思いを生んだのかな……。
    ありがとうございます。

    作者からの返信

    イオリ様、こちらこそ、ありがとうございます
    デュランとアネモネが出会ったことで、様々な事が起こりました
    幸せも、悲劇も、血も、抗争も、ふたりの出会いなくしてはなかったかもしれません

    人は、生きている間に、色んなものと関わります

    ひとりひとりが取りこぼしたものは小さくても、それが積み重なれば、取り返しのつかない決壊を招く事があります

    その決壊からくる衝撃を最終的に受け止めなければならないのは、最も弱い立場の人間ではないのか……?

    私には、そんな遣る瀬無い疑問を抱きながら、それでも生きなければならなかった時期がありました
    この話は、そんな個人的な痛みと苦しみを、物語の形に混ぜて書き上げたものです

    作品そのものではなく、個人的なことを語ってしまって申し訳ないのですが、作品の背景について語ろうとすると、触れざるを得ず、申し訳ありません

    この物語は、自分の中に芽生えた気持ちを吹っ切るために書いたものでした

    デュランの思考回路、大切なもの、優先事項、趣味嗜好、その他、外見(キャラクターデザイン)以外の内面は、ほとんど作者である私のものを流用しています

    デュランには、道を誤ってしまったIFの私としての役割がありました
    だから、復讐に走ってしまった彼を幸せにするわけにはいかなかったのです

    しかし、彼にはたったひとつ、物語冒頭で成した純粋な善行(アネモネを助けたこと)がありました

    そして、その手を血に染めながらも、死の運命から救い出すことができた女の子(ジニア)がいました

    そのか細い糸が、彼が本当に望んでいたことを手繰り寄せたのだと考えています

    最後までお読みくださり、お言葉を寄せてくださり、本当にありがとうございます
    心から感謝しております……!

  • あああ……アネモネさんにはバレてしまっていた。カルラさんを通しても。
    アネモネさん、良くも悪くも育ちが良いから、愛という気持ちさえあればどんな苦難も乗り越えられると信じているのでしょうか。それは、地獄で暮らすには(地獄の領域に踏み込むだけでも)危険な思想な気がします……。
    流れた血が本当に不穏で(涙) 怖いけど先がとても気になる……!!

    作者からの返信

    イオリ様、応援コメントありがとうございます🙏

    アネモネについて、深い洞察をくださりありがとうございます
    意図した通りのことが伝わっていて、読み取ってくださって、感慨深い気持ちで感動しております

    この物語は、基本的にデュラン視点です
    デュランの恋心のフィルターがかかっている状態でアネモネを観ている形になりますので、デュランは決してアネモネのことを悪く言いません

    アネモネは、愛さえあればどんな苦難も乗り越えられると信じていると思います
    おっしゃるとおり、とても危険な思想です

    アネモネは決して地獄では生きていけません
    デュランとともに共倒れになるのが関の山だったと思います

    あえて厳しい言い方をすれば、彼女には、自分の身を守る力も覚悟もないのです

    彼女は、アネモネの両親、護衛のカルラ
    そして、デュランにもさりげなく守られていました

    守られなければ生きていけないということの重さを、アネモネは全く分かっていなかった……

    ……もしくは、周囲の人達が掛けてくれたその重みを軽視していたのです

    アネモネは、悪ではありません
    しかし好意は、ときに悪意よりも残酷な結果をもたらすことがあると思います、

    アネモネについて書いてくださってありがとうございます
    彼女の欠点については、意図してそう書いていたのですが、読者様にアネモネの……ある種の傲慢さといえばいいのか、そういったところが伝えきれているのかどうか少し不安でした

    ありがとうございます
    すごく感謝しております

  • 初めまして。コメント失礼します。

    地獄と天国に住む少年と少女の、分かりきった恋の結末。辛いですね。デュランくんの生い立ちや美しかった母親の転落劇は胸にくるものがあります。何より、アネモネさんの純粋な眩しさが辛いです。
    この時になるまで関係を容認していたアネモネさんのご両親や、カルラさんもすごいと思います。デュランさんの愛しているがゆえの真逆の言葉が痛い……。
    カルラさんが最後までデュランさんに敬語なのが素敵だなと思いました。

    作者からの返信

    イオリ様、初めまして。応援コメントありがとうございます。

    まずは、この過酷な話を、最後までお読みくださりありがとうございます。

    私にとって、この話は人生の転機になった話です。

    だから、イオリ様のコメントがとても嬉しくて、ありがたくて、どのようにお返事をしたら良いかずっと悩んでおり、お返事が遅くなって申し訳ございません。

    この物語のテーマは、『痛み』でした。デュランの人生は、いつも痛みに溢れていました。しかし、アネモネと過ごしている時間だけは、痛みを忘れていられました。
    甘いキャンディのような時間は長くは続かず、別れさせられることになってしまいました。

    アネモネの両親は、『デュランがアネモネの命の恩人である』ということを重んじており、ギリギリになるまで関係を容認してくれていました。そしてカルラは、二人の関係が長く続かないことをわかっていたからこそ、ギリギリまで彼等を見守っていました。

    イオリ様のおっしゃるとおり、アネモネの両親に悪意があったわけではありません。カルラももちろん、精一杯彼女にできることをしてくれていました。
    それでも、このとき、アネモネに直接別れを言わせてもらえなかったことは、デュランの心に深い悲しみをもたらしたと思います。

    他の応援コメントにも、順次お返事をさせていただきます。ありがとうございます。

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    はじめまして。
    突然のコメント&レビュー失礼します。

    出会ったきっかけはカクヨムのオススメに出ていたのでなんとなく読んでみた、というものですが、本作に触れて「雷に打たれた」ほどの多大な衝撃を受けました。
    私も自作の中で裏社会やその中での純愛を書きましたが、ここまで重厚かつ鮮烈な描写には到底及ばず、ただただ脱帽するのみです。
    この興奮をどうしてもお伝えしたくて、ここでご挨拶させていただきました。
    素晴らしい読書体験を、本当にありがとうございました!

    作者からの返信

    Maya Estiva様、はじめまして、こんばんは
    昨日、素敵なレビューをくださっただけでなく、応援コメントもくださってありがとうございます……!
    エッセイの方もお読みくださって、深く深く読み込んでくださったことが伝わって、本当に本当に嬉しいです
    なんとお礼を言ったらいいものか、ずっと考えていましたが、長い時間開けてしまうのもかえって失礼になると思い、思い切って文章を書かせていただいております

    この作品は、ずっとずっと押し込めていた苦しみを、物語の形に落とし込んだものです
    主人公のデュランの価値観、精神性、何が彼にとって大切なのか……という基準は、ほとんど筆者である私自身のものを流用しており、彼はある意味、私の分身でした
    葛藤を乗り越えるために、どうしても書かなくてはいけなかったのだと思います

    人間が生まれて育っていく過程で、親と子の関係は、きっと人生を生きていくうえでの基盤となります
    この物語で、重要なテーマのひとつとして込めたのは、『コミュニケーション』でもありました
    デュランとデュランの母は、かつてはある程度良好な関係性を築けていましたが、デュランの母が病に倒れたことで、会話ができなくなりました
    そして、デュランとデュランの父の会話は、意図したものですが、ほとんど噛み合っていません
    デュランは、両親と充分なコミュニケーションが取れないまま生きていました

    それでも彼がアネモネに対して優しさを示すことができたのは、その根源はきっと、デュランの母がかつて与えた愛からきていたのだと思います
    不完全だったとしても、愛は確かに注がれていたのだと思います

    この物語を書くに当たって、様々な分岐点を考えました
    アネモネが名門校から脱走できなかったら?
    デュランが、暴漢を撃たなかったら?
    デュランの母が、あと少しだけでも長生きしてくれていたら?
    デュランと、デュランの異母弟ネイサンが、事件の前に対話の機会を持っていたら?
    デュランがマフィアのボスを射殺しなかったら?
    アネモネが、デュランに会いに行く決断をできなかったら……?

    色んなことをずっと考えて、できるだけ、デュランが本心から望んだことを叶えてあげたいと思いました
    だから、作品のなかで、アネモネは誰からも暴力を振るわれることがありませんでした

    ……すみません、長くなってしまいました
    何を書いたらいいのか、何を書けばこれだけたくさんの情熱を向けてくださったMaya Estiva様に報いられるのか、わかりませんが、それでもお礼の言葉を伝えさせてください
    ありがとうございます
    この作品を書いて良かったです


  • 編集済

    ちょっと辛過ぎた。

    母親が歩んできた人生は上手く描いていますが……ねえ。
    文章力がそんな空間を見事に描いています。

    チョッとそんな空気感に飲み込まれてしまいそうです。


    【返信】
    ありがとうございます。
    ゆっくりじっくり読む派となってしまったため、こう真正面からくる文章を華麗に読み飛ばせないんですよね。

    それに文学的に素晴らしい流れが有るのも分かります。
    さらにゆっくりペースで読ませて頂きますね。

    作者からの返信

    そうじ職人様、ご高覧いただき、また応援のコメントまでいただき、誠にありがとうございます!

    実は、大変恐れ入りますが、物語の構造上、4話、5話、7話、8話はさらに過酷な展開が続きます。ラスト2話は幸いにも良い評価をいただいておりますが、そこにたどり着くまでの道のりは非常に厳しいものです。

    結末としては悲恋、バッドエンドとなっております。
    この物語は痛みをテーマに書かれており、精神的に辛い展開が続きます。つきましては、どうかご無理はなさらず、ご自身の心と相談しながらご覧いただければ幸いです。

    貴重なお時間を割いてここまでお読みいただいたことに心から感謝申し上げます。どうしても感謝の気持ちをお伝えしたく、このようなお返事を差し上げました。
    ご無礼をお許しください🙏

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    完結、お疲れさまです。

    地獄の流儀に染まってしまったデュランの生涯はあまりにもつらいものでした。
    ラスト二話は涙で読み進めるのが大変でした。
    その中でも僅かな愛を失わなかったことで最期に小さな救いがもたらされ、少しだけホッとしています。
    せめて彼の眠りが安らかでありますように。アネモネの暮らしが今後も穏やかでありますように。

    素敵なお話を有り難うございます。
    面白かったです!

    作者からの返信

    プロエトス様、最後までご覧下さりありがとうございます。この物語のテーマは、痛みでした。アネモネがいる間は、痛みが和らぐように書いていたつもりでした。だから、きっと、眠りにつく間際は、どこも何も痛くなかったと思います。

    アネモネの暮らしについては、もしよろしければこちらのお話をお読みいただければ嬉しいです。私ではなく、雪月さんという筆者の方が書いてくださった作品です。デュランの人生と、アネモネの人生が報われたように思えて、とてもとても好きなお話です。作者は違いますが、公式続編と言っております。

    シアハニー・リンク - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16818093086663279039

    プロエトス様、こちらこそ、お読みくださりありがとうございました……!😭 お返事が遅くなって申し訳ありません、最近涙腺が緩くて、コメントに嬉し泣きしており、感情を落ち着けるのに時間がかかってしまいました。ありがとうございます。とても嬉しかったです。


  • 編集済

    シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    読ませていただきました。
    とても考えさせられる内容でした。
    デュランはあまりにも早く自分の人生を諦め、復讐へ心を向かわせてしまった。そして、彼の本質であろう”優しさ”を引き出してくれる人が、手の届かない世界のアネモネだった。それが残念でなりません。

    残虐なシーンが続きますが、その都度のデュランの心情は悔恨や諦念に満ちていて、ラストに近づくほどに哀しく、美しいとまで思わせてしまうのは、ジャック(JTW)さんの優れた筆致ゆえだと思います。
    アネモネの変わらぬデュランへの愛が救いでした。アネモネの花言葉が「はかない恋」「君を愛す」というのをちょっと、思い出してしましまったりして…。ほろり。

    素晴らしい作品をありがとうございました。

    作者からの返信

    RIKO様、本当に……ここまでお読みくださり、もったいないほどの温かいお言葉をくださり、お星さままで、ありがとうございます。
    アネモネの花言葉についても、気づいてくださりありがとうございます。
    書き始めた頃、最初から、この恋が実ることはないとわかっていたから、その名前を選びました。
    それでも、過程全てが無駄だったのか? 何の意味もなかったのか? といえば、そうではない、そんなことはない、意味は確かにここにあったと思っています。

    もし、アネモネとデュランの格差がもう少しだけでも小さければ、もっと違った未来があったと思います。もし、デュランの母親がもう少し長生きしてくれていたら、もし、あの時暴漢を殺さず、威嚇射撃に留めていたら、もし、もし、もし……。
    色んなもしもを考えて、何度もデュランに問いかけて、彼の望みに一番近い未来を選びました。

    物語全体を通してオマージュしていたのは、『人魚姫』でした。

    私は、幼い頃から、人魚姫が何故王子を刺さなかったのか疑問に思っていました。

    王子を刺せば、人魚姫は助かるのに、彼女はそうしなかった。

    デュランの立場なら、アネモネを助けない、守らないという選択肢を取れば、デュランの人生はここまで傷つくことなく回っていきました。

    しかしそれでも、デュランにとって、どんな苦悩を負うことになろうとも、アネモネが傷つけられる可能性を排したい、という気持ちのほうが強かったのです。
    私はこの物語を書いてようやく、人魚姫の気持ちがわかりました。本当に愛していたから、刺すなんてこと、できなかったんですね……。

    この物語のテーマのひとつは、『痛み』でした。人生におけるありったけの痛みを詰めて作りました。アネモネの登場しているシーンだけ、その痛みが引くように作りました。アネモネが、デュランにプレゼントしたキャンディは、まさに彼女の象徴であり、デュランの幸せの象徴でした。

    実際に、砂糖には痛みを軽減する(鎮痛)効果もあるそうです。砂糖を摂取することで脳内麻薬であるβエンドルフィンの分泌が活発になり、これにより鎮痛効果が発揮されるそうです(※摂りすぎると逆に痛みの原因となるようです)。

    この物語を書いた理由は、様々ありますが、私の人生の中で味わっていた痛みを再確認して、痛みを切り離して生きるための話でした。お読みくださって、お言葉を寄せてくださって、本当に嬉しいです。ありがとうございます。

    【追記】すみません、気がついたらものすごい長文になってしまっておりました……💦 お時間を割いてお読みくださったRIKO様に少しでも報いねばと思うあまり気合いが入りすぎてしまったようです申し訳ありません……!

    編集済

  • 編集済

    【番外編】HAPPY BIRTHDAYへの応援コメント

    デュランの母親が彼を愛してくれたというのが救いだったのと同時に、その愛情を受けたことが彼の復讐心の源になったと考えると、とても悲しくなりますね。

    母親を憎めれば、デュランは一人で生きてゆけたのかもしれませんし。私もスラムが舞台の話を書いていたので、すごく考えさせられてしまします。

    ゆっくりになるかもしれませんが最後まで読ませていただきますね。

    作者からの返信

    RIKO様、ここまでお読みくださり、応援コメントまで……本当にありがとうございます。
    デュランが母親を憎むことができれば、少なくとも復讐には手を染めなかったと思います。デュランが困窮したのは、デュランの父親のせいだけではなく、母親にも責任があったと思います。そもそもデュランの母親が正式な市民になるための手続きなどに動けていれば、全く違う道がありました。デュランは、薄々、その事実には気づいていたんじゃないかと思います。
    それでも、まがりなりにも親としての愛を注いでくれていた母親のことを憎むことが出来なくて、全ての怒りと憎しみが父親に向かってしまった……。
    大切なものが何一つ残らず、人殺しという咎さえ背負ってしまった彼にはもう、怒りや悲しみや憎しみを己のうちに留めておくことができなかったんだと思います。
    ありがとうございます。過酷な展開や悲しい展開が続きますが、デュランの行ってきたことの因果を返してあげられたと思います。どうか、ご無理なさらず……!
    ありがとうございます🙏

  • デュランにとっては本当に「わかっていた」結末でしょうが、現実を突きつけられるのは余りにもつらいですね。
    アネモネをどれだけ傷つけるか理解しながら優しい嘘を言伝する彼の心境に涙。
    この手切れ金でせめて母の状況が好転することを願います。

    作者からの返信

    プロエトス様、応援コメントありがとうございます……!
    デュランは、アネモネに惹かれ始めた当初から、この恋が本当の意味で実ることはないと覚悟をしていたとは思います。しかし、別れの挨拶すらも交わせないまま突然離れ離れになるというのは、ほとんど想像していなかったはずです。デュランには、アネモネに会いに行くという選択肢はありませんでした。自分と母だけの生活でも苦しいのに、アネモネをどうやって幸せにできるのか、想像もできなかったのだと思います。今後の展開は……辛いことが続きます。ここからは、デュランの人生の、文字通りのどん底です。過酷な描写も増えますので、どうか、ご無理のない範囲でご覧くださると幸いです。本当にありがとうございます……!

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    「人間万事塞翁が馬」あるいは「禍福はあざなえる縄のごとし」。

    アネモネと別れ(させられ)て以降、どん底へと落ちていったデュランの人生。闇の中にありながらも、アネモネとの記憶というほんの小さな光が残されていました。
    しかしながら、その小さな光ゆえに彼はジニアを助け、引き換えに底の底へ落ちていくことに。実に「残酷」な話といいますか、デュランの運命を弄び嘲笑う何者かの存在を感じました(ジャック(JTW)様を非難しているのではありません。どうか誤解なされませぬよう)。

    ところが最期、死の間際になって、一途に彼を想い続けていたアネモネとの再会を果たすことができました。他ならぬジニアを助けたことによって。
    消えかけていた小さな小さな光が、大きな光となってデュランを包むのを感じました。「復讐の連鎖」「因果応報」を主題としつつも、「限りなくハッピーエンドに近いビターエンド」になったのだなと。

    このお話を書くにあたっては、さぞ悩み、苦しまれたことと思います。しかし、投げ出すことなく書き上げたジャック(JTW)様に、一人の書き手として最大限の敬意を表します。
    僕の読解力不足で、作者様の意図していない読み方をしておりましたら申し訳ありません。

    作者からの返信

    吾妻藤四郎様、応援コメント、本当にありがとうございます。何度も何度も読み返して……嬉しくて、泣いておりました。
    この……シアハニー・ランデヴは、もちろん大半がフィクションですが、私が人生で感じてきた痛みを表現しようと思って、こんな形になりました。

    復讐の連鎖についての物語を書いていて、こんな事を言うのは間違っているのかもしれないのですが、復讐の是非については、私にはわかりません。復讐すべきだという人もいれば、復讐するべきではないという人もいると思います。
    どちらも正しいし、どちらも間違っていると言えると思います。
    ありきたりな言葉かもしれませんが、人の価値観の数だけ答えがあると思います。


    だから、この物語は、私が私なりの答えを掴み取るための物語でした。
    復讐によって迎える罪業や、人を傷つけて生きることに対する末路を描かなければならないと思ったのです。

    『Bottom of the HELL』から、『シアハニー・ランデヴ(中編)』までは、私が私自身に向けていた苛烈な攻撃性を発露させたものでした。
    私は、きっと、私の復讐心を壊してしまいたかったのです。

    この物語を書いて(私が)感じた結論としては、幸せになりたいという気持ちが一ミリでもあるのなら、復讐心を手放さなければならないといつことです。

    幸せか、復讐か、きっとどちらかしか選べない。
    復讐を完遂してしまえば、残るのは罪だけです。
    人の人生を奪った罪は、自分の人生を費やして贖わなければならない。
    少なくとも私は、そう思います。

    デュランというキャラクターには、私の人生で背負った痛みと悲しみと、IFの残酷な選択肢を負わせてしまいました。

    しかし、デュランが、彼個人の善性が成したアネモネとの縁が、彼を最後に迎えに来てくれました。最期の望みを叶えてあげられて良かったと思います。

    シアハニー・ランデヴ(後編)と、シアハニー・ラヴソングは、役割を終えたデュランへの感謝を込めた物語でした。
    私は、この物語を通して、復讐心を、ある意味昇華して、成仏させてあげることができたと思います。

    誠意を込めて文章を綴ってくださった吾妻藤四郎様に対して、私の考えていることを正直に述べることしかできませんでした。返答としては不適格かもしれませんが、精一杯書きました。
    貴重なお時間を使ってお読みくださって、それだけではなく、たくさんの言葉を紡いでくださって、本当にありがとうございます。


  • 編集済

    【番外編】HAPPY BIRTHDAYへの応援コメント

    齢をとると、ただでさえ緩い涙腺がなおさら緩くなって困る(つД`)
    これまでで、最も胸にくるエピソードでした。
    このタイミングで☆三つ入れて構わない、と思えるくらいには(←負け惜しみw)

    ※せっかくの機会ですので、自主企画について
    先日は、拙作へのご訪問ありがとうございました。
    もしかしたら、「企画の概要も読まず、ただ目についたから新企画に自作を放り込むユーザー」の同類と思われているのではないか……という危険を感じましたので念のため申し上げます。
    「復讐の連鎖」(拙作では「恨みの連鎖」と表現)については、拙作では全体を通した地下水のようなテーマ性として存在しています。
    それがいくらか表に出たのが、キャッチコピーと一の四です。勘のいい人なら察してくれるかな……レベルですが。
    また第二話においては、はっきり表のテーマとして扱っています。

    もちろん、「そこまで読んでほしい」などと言うつもりは毛頭ありません。あくまでも、先述のような悪質なユーザーではない、そこを誤解されたくはない、という一念です。
    長々と失礼いたしました。

    追記:
    体調を崩されていたんですね。たいへん失礼いたしましたm(_ _)m
    職場から帰宅して、通知を見て驚きました。まさかここまでお読みいただけるとは……。
    今更かもしれませんが、ご無理はなさらないでください。
    こちらは、心配事がなくなっただけで充分ですので……

    作者からの返信

    吾妻藤四郎様、貴重なお時間を割いてお読みくださっただけでなく、素敵な応援コメントと、お星さままでくださり誠にありがとうございます……!
    ここから、主人公デュランの人生の……復讐の連鎖と呼ぶべき展開が起こります。このHAPPY BIRTHDAYというエピソードは、デュランにも、誕生を祝われた瞬間があったこと、不幸にしたくて産んだわけではないということを示したくて書きました。ありがとうございます……!

    吾妻藤四郎様、自主企画へのご参加ありがとうございます! 吾妻藤四郎様が悪質なユーザーだなんてとんでもない! そんなこと考えたこともございませんでした……!
    復讐の連鎖がテーマの話が読みたいと考えて自主企画を立てたものの、最近の寒暖差で体調をやや崩しており、なかなか読み進めることができずにおりました……!
    申し訳ありません……!

    私の体調管理の甘さにより、吾妻藤四郎様に不安な気持ちを抱かせてしまったこと、誠に申し訳なく思っております。体調が回復次第、大切に読ませていただきます🙏

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

     ジャックさん
     シアハニーいいじゃないですか。確かにくらーいお話だけれど、最後の最後で救いの光が見えるという展開で、読後感はいいですよ。カムイ外伝みたいに「結局権力にはかなわない」とか、悲惨なまま終わってしまわないのがいいです。
     もちろん、好みの問題はあるわけで、万人受けするかは別だけど、少なくとも、この書き手はちゃんと実力の裏打ちがあるな、技術的にも上手だな、というのは伝わってきます。それと、作家の内面が迸(ほとばし)って、一気に書いてしまったのだろう、というのも想像がつきます。
     この作品なら、響く人にはきちんと伝わっています。自分の書きたいものを書いて、仮に数は少なくても喜んでくれる読者がいれば、万人受けしなくても、それで十分でしょう?
     ただ、この手の作風(エンタメのストーリーテリングではなくて、内面重視)は続けて書けないですから、しばらく気楽にして、軽めの短編でも書いて、また迸るのを待っていればいいと思いますよ。書き続けなきゃいけない、ってことは、全然ないんですから。
     

    作者からの返信

    小田島匠様、お星さまに応援コメントもくださりありがとうございます……!
    小田島匠様に実力の裏打ちがあると仰っていただけるとは……拙いながらも、書くことをやめないでよかったと思います
    この話は、おっしゃる通り、私の内面の葛藤を物語に落とし込んだもので、一気に叫ぶように書き上げました。
    内容の過激さから通報されたり、BANされたりする可能性の方を考慮していたのですが、予想よりもたくさんの方に読んでいただけて、ありがたいことにレビューもたくさんいただけて、本当に嬉しいです。
    書き続けないといけないと焦っていたかもしれません。こう……シアハニーでようやくつかめたことが、できなくなってしまうんじゃないかと恐怖心を抱いてしまって……。
    また感情が迸る瞬間は、来てくれるでしょうか……? 未来がどうなるかはまだわかりませんが、今は、少しずつネタを書き溜めたりして、充電期間だと思うことにいたします
    本当にありがとうございます🙏

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    このやり場のない思いが広がっていく感覚というものを、本作を読んで実感しています。
    余りにも切なく、物悲しいラストに衝撃を受けました。
    ここまで感情を動かされるのはジャック様の手腕があってこそのものだと思っています。
    僕にはここまで素晴らしく、悲しく、切ないエンディングは書けません。
    ジャック様の文章力の高さ、構成力に改めて驚くばかりです。
    素敵な作品をありがとうございます☆

    作者からの返信

    たたみや様……本当に、最後まで見届けてくださって、感謝の言葉をいくつ並べても足りません。ありがとうございます。
    この物語は、生まれて初めて自分のために書いたものでした。私が、復讐をしないでいいように、復讐の本質とはどういうものなのかを自分自身に突き付けて、諦めさせて、復讐の気持ちを手放すための物語でした。私の中にあった、怒りや悲しみ、憎しみや恨み、そしてその裏にあったありったけの愛を、思い切りぶつけた話でした。

    この話を公開するかどうか、ずっと悩んでいました。しかし、私は、誰かに聞いて欲しかったんだと思います。だから……この物語が読まれるたびに、コメントや、ありがたいことにレビューをいただけるたびに、心震わされて涙がとまらなくなるのです。
    シアハニー・ランデヴ(後編)と、シアハニー・ラヴソングは、デュランへのせめてもの手向けでした。私の激情を背負ってくれた、彼という個人に、感謝とお別れを伝えるための物語でした。
    この話をかけたことで、読んでいただけることで、感情を動かされたと仰っていただけることで、とても救われています。本当に、ありがとうございます。

  • デュランにとってアネモネと一緒にいた時間が唯一の宝物、そして捨てられないものになってしまっていたということですね。
    もし女の子がどうにかなっているのを見逃したら、それすらも失ってしまうということになるでしょうから……

    作者からの返信

    たたみや様、応援コメントありがとうございます
    そうです、母を亡くしたデュランにとって、この時点で母との思い出も薄らいでいるデュランにとって、唯一の宝物でした
    デュランにとって、生きている理由は……『たったひとつ』しかありませんでした
    そのたったひとつを揺るがされたとき、彼には、こうすることしかできなかったのだと思います
    冷静であれば、致命傷にならない部分を撃つことや、そもそもボスに少女の命乞いをする(ボスの説得を試みる)など、比較的穏当な手段を取ることはできたはずなのですが

    末路としては……暴漢の手からアネモネを『助けた』ときと、同じ結果になりました
    血と汚濁に塗れすぎたデュランは、『人の命を助けようとする』時でさえも、血に塗れることしかできなくなっていた……

    『父』を完膚無きまでに壊したデュランが背負った因果の応報として

    『父』と呼べるかもしれなかった存在を自ら壊さなければならなかったという理由もありました

    そもそも、このマフィアのボスも、様々な人間の血と屍の上で生きてきた悪魔でした
    遅かれ早かれ、『誰か』に襲われて死ぬさだめだったボスの因果もまた、ここで終わりを迎えたのだと思います

    編集済
  • Bottom of the HELLへの応援コメント

    ジャックはその男に死よりも苦しい思いを、どうしてもさせたかったのですね。
    復讐を終えたはずのジャックがどのような人生をたどっていくのか見届けたいと思います。

    作者からの返信

    たたみや様、応援コメントと、素晴らしいレビューありがとうございます
    この陰惨な話を読んでくださったたたみや様に、報いることができるのかわかりませんが、精一杯書かせていただきます

    デュランは……いえ、『私の一部』は、『母親と同じだけの苦しみを父親にも味わわせてやりたかった』『デュランとデュランの母が抱えていた痛みがどんなものだったのか、理解してほしかった』のです
    少なくとも私は、そう思っています

    ただ、憎しみだけしかなかったのなら、こんなことはきっとしませんでした
    デュランは、対話を望みました
    もし、もしも、デュランの父親が、混じり気のない本音(それが本当にクズのような動機であっても)を話していたのなら、デュランはここまでのことはせずに彼を解放していたと思います

    デュランは、「どうしておれを捨てたのか」「どうして母親を捨てたのか」「どうして愛してくれなかったのか」と、本当のところを聞きたかったんだと思います

    しかし、デュランの父親は、何もかも知っているデュランを、嘘で懐柔しようとしました
    デュランとデュランの父の間で、対等な会話は全く成立していなかったのです
    デュランは何もかもを諦めて、せめて痛みだけでも味わわせてやろうと思ったのかもしれません

    母親と、デュランが味わってきた苦しみの一端だけでも、理解してほしくて……

    デュランは、復讐を終えた後、出頭するのではなく、自らこの世からいなくなろうとしていました
    許されることではないと、彼自身が一番良くわかっていたから
    しかし、彼には、たったひとつだけ未練がありました
    その未練のために、消極的にでも、生きることを望みました
    しかし罪深い悪魔が生きるためには他の人間の命を食い物にしなければなりません
    彼がどんな道を選ぼうとも、そもそも、長く生きることはなかったと思います
    その結末を、見届けてくださって本当にありがとうございます
    とても、心から、感謝しております

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    デュランさんの人生はどこまでも闇の中でしたね。
    残虐な行いをしながらも、心の奥底に大切にしまわれた光は消える事はなく。
    二度と会う事も叶わないアネモネさんを想い続けて。

    デュランさんの命が尽きようとしている場にアネモネさんが来てくれた場面に、胸が痛くて涙が止まらない中で読み進めました。

    二人の愛は純粋で色褪せることなく、結ばれていましたね。

    悪魔の元に天使が舞い降りたら、きっと優しく抱きとめてくれるでしょう。
    二人一緒なら、どんな場所でも天国だと思いました。

    拙い文章で申し訳ありません。
    書いていて、涙が止まらなくて。
    闇の世界に美しく咲いた物語をありがとうございました。

    作者からの返信

    堀内 清瑞様、最後までお読みくださっただけでなく、素敵な……素晴らしい感想までくださって、本当に本当にありがとうございます
    嬉しくて嬉しくてありがたくて、嬉し泣きの涙がこぼれてしまっています
    拙い文章なんてとんでもないです!!!
    すごくすごく嬉しいです ありがとうございます

    ずっと汚れてくすんで闇の中だったデュランの人生に、眩しくてあたたかい光を与えてくれたアネモネのことを、彼はずっと好きだったんだと思います

    デュランとアネモネは、同じシアハニー市にいました
    アネモネの住所を知らずとも、デュランが能動的に彼女探して自ら会いに行くことは、不可能ではなかったはずです……

    でも、彼にはそれができませんでした、しようとも思えなかったと思います

    会いに行くこともできずに、アネモネが来ないことをわかっていながら、ただ、思い出の場所で一方的に待つことしか……彼は自分に許すことができなかったんだと思います

    だからこそ、アネモネが会いに来てくれたと理解した瞬間は、痛みも悲しみも全て吹き飛んで……
    暴力に慣れきって歪んだ笑い方しかできなくなっていたはずの彼が、無意識に幼い頃のように柔らかく微笑んでしまうくらい幸せで、幸せで、満ち足りていたと思います

    最後まで、見守ってくださって、本当に本当に嬉しかったです、ありがとうございました……!

  • いくらここが無法地帯とはいえ、ということですね。
    それはアネモネを守るため、どうしてもしなければならなかったのだと思います……

    作者からの返信

    たたみや様、応援コメントありがとうございます
    たとえ今このとき襲来を受けなくとも、遅かれ早かれこのようなことは起こってしまっていました
    それを凝縮した形になります
    アネモネが会いに来てしまった時点で、そして彼女が自分で身を守る術を持たなかった時点で、こうなることは…………
    この話を書くとき、随分……随分悩みました
    物語の自然な流れを捻じ曲げてでもハッピーエンドにするならこの話(第四話)を書いてはいけなかったからです
    決意を込めて、トラジェディ(悲劇)という副題通りに話を進めました

    たらればを言っても、仕方がないのですが、せめて、アネモネとデュランが、面と向かって別れの言葉を交わせていたら、こんなことにはならなかったと思います

    デュランはいずれ来る別れを心の何処かで覚悟していたから、第三話で言伝を伝えることができたけれど
    アネモネは、なぜ、引き離されなければならないのかということが本当にわからなかったんだと思います

    身を守るための行動の是非はともかく、究極のところ、デュランは人の命を奪うことに耐えられる精神は持っていませんでした、それがたとえ悪漢であったとしても

    此処から彼は心の大事な部分(人間性)が壊れたままそれを治すことができずに生きることになります

    デュランは、大切なものがひとつでも残っていれば、踏みとどまることができたと思います
    でも、大切なものがひとつも残らなかったとき、彼を止めるものは何もありませんでした

    次話からは本当に……本当に閲覧注意です
    副題は『地獄の底』です
    ここまで読んでくださっただけでもとても嬉しいです
    だからどうかご無理はなさらないでください……




  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    完結、お疲れさまでした。
    最終回を読んでいて辛すぎて……半分だけ読んで、二日後に残り半分を読みました。

    残酷な物語ではありましたが、ラストシーンの情景の美しさにじんわり来ました。
    愛する人の植えた花に囲まれ、デュランは死して安らぎを得たのですね。

    哀切に満ちた、しかし輝く愛の物語。
    素晴らしかったです。

    作者からの返信

    mamalica様、この長く、苦しい話を、最後まで読んでくださり、温かな感想をくださりありがとうございます。嬉しくて、泣いてしまっており、お返事が遅くなり申し訳ありません。
    第四話と第五話を描いたときから、デュランが報いを受けて死ぬ結末は決まっていました。

    『親の因果が子に報い』という言葉があります。親世代の罪業が、あるいはもっと前の世代から受け継がれてきてしまったものが、子ども世代に暗い影を落とすことは、現実としてあることです。

    しかし、それでも、そんな中でも……生きなくてはなりません。この物語のテーマには、『痛みと悲しみ』がありました。
    私にとって、生きるということはずっと、痛いことで、苦しいことで、悲しいことでした。その体験を擬似的に負わせた主人公として造形したのが、デュランでした。

    痛みと苦しみを再生産する側になってしまったとき、何が起こるのか。それを描かなければいけないと思いました。

    デュランには、悲しい役目を負わせてしまいました。だから、そんな彼が死後も苦しむようなことはさせたくないと思い、この結末に至りました。
    デュランとアネモネは、お互いのことがとても大好きだったと思います。お互いを利用しようとか、騙そうとか、傷つけようとか、そんなことは、全く思っていなかった。ただそばにいられれば二人とも幸せだったと思います。読んでくださり、心を傾けてくださって、本当に、本当に、ありがとうございます。

  • この展開は苦しい。胸を引き裂かれるような気持ちになりますね。
    僕にはこういう描写が出来ないので、やはりジャック様の腕前はすごいなと思うばかりです。

    作者からの返信

    たたみや様、貴重なお時間を割いてお読みくださり、また過分なるご感想までくださり本当にありがとうございます……!
    恐れ多いですがとても嬉しいです。ありがとうございます!

    デュランは本当に辛かったと思います。現実的に考えれば、いずれはアネモネと離れ離れになるということはわかっていたでしょうが、面と向かってきちんとお別れの言葉すら言えないまま離れ離れになってしまいましたので……。
    ……しかし彼らにとっての悲劇はここが底ではなく、もっと辛くなっていきます。四話と五話(特に五話)は本当に残酷描写が入りますので、どうかご無理のない範囲でご覧くだされば幸いです。

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    読みましたー。圧倒されました……!
    デュランとアネモネは出会えたからこそ幸せを知り、不幸せも知ってしまったのかなぁと思いました。
    最後はお互いに少しでも救われたのであればバドエンというよりメリバなのかもとも思ったり……。

    文字の力ってすごいなあとあらためて感じました。
    ありがとうございました!

    作者からの返信

    りつか様、ありがとうございます……!
    この……重々しい話を最後まで読んでくださっただけでなく、応援コメントまで……!
    嬉しくて、どうお返事したらいいのか迷っているうちにDiscordがすごいことになっていて出るにでられず……ではなく……ええと、真面目に作品の話をします。

    物語冒頭、アネモネが〝地獄〟に迷い込んだとき、もしデュランに助けられていなければ、アネモネはその日に死んでいました。

    作中では書きませんでしたが、冒頭部分は、アネモネとデュランそれぞれの運命を変えた出会いだったと思います。

    第三話までは、か細いもののまだハッピーエンド、可能な限り平和的な別離エンドの道筋は残っていました。しかし、個人的な理由で、バッドエンドに舵を切りました。

    構想時点ではもっと悲しい終わり方をする予定だったのですが、デュランとアネモネが相互に想い合ってくれていたおかげで、決してハッピーエンドではありませんが、限りなく救いに近い形を用意できた……できていたらいいなと思います。
    お時間を割いていただき、本当にありがとうございます。とても嬉しいです。

  • 作品の雰囲気、キャラのやり取りから洋画を見ているような感覚になりますね。
    デュランとアネモネがこのまま幸せな方に向かえばいいのですが、何か起こりそうな予感がします。

    作者からの返信

    たたみや様、応援コメントありがとうございます!
    洋画をみているような感覚……!
    とても嬉しいです。この作品の舞台は、架空の都市ですが、アメリカをイメージしています……!

    せっかくここまで読み進めてくださっているのに……こんなことをいうのは……大変申し訳無いのですが、デュランとアネモネがこのまま幸せな方に向かうことはありません。この話の主なテーマは、復讐の連鎖、因果応報、悲しみと痛みです。苦手だと思ったら読むのを中断して大丈夫ですので、どうかご無理はなさらないでください……!

  • 今作も拝見させていただきます。
    これまたツンデレ主人公の予感!
    働き先を教えるデュランの優しさがまたいい味出してますね☆

    作者からの返信

    たたみや様こんばんは! 応援コメントありがとうございます……!
    お読みくださり本当にありがとうございます!

    じ、実は……この話は……かなりバッドエンドというか……人を選ぶ話に仕上がってしまっておりまして、特に5話はギリギリR-15Gでして、かなり閲覧注意です。苦手な内容が含まれていたら本当に申し訳ございません……!
    デュランの優しさに着目してくださってありがとうございます。デュランはきっと、優しい子だったと思います。

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    ジャック(JTW)さま こんにちは。「シアハニー・ランデヴ」、読み終わったあとに感動をお伝えしたくなってしまいました。失礼いたします……。

    「おれが生まれてこなきゃ」とあたりまえみたいに言い、憎くてしかたないはずの存在とじっくり長い時間を過ごし、そして、むごい世界でも生きる理由になっていた人に対して『愛している』と口にできないデュランさんが、とても痛々しく悲しく、でも最後まで目を離せませんでした。
    デュランさんはたくさんのことに手を染めさせられ、染めてしまいましたが、優しすぎるくらい優しい人だったのかなと思っています。その優しさを、アネモネさんは深いところまでくみ取っていて、共鳴していたように感じました。嘘もちゃんと、見抜いてくれていました。
    「わたし、死んだら、きっとあなたと同じ地獄《ばしょ》に行くわ」というアネモネさんの言葉が最後に、刺さってきました。デュランさんは彼女に〝天国〟で幸せに暮らしてほしいと祈っていたし、いつか亡くなっても彼女は天国に行くと思っていただろうけれど、アネモネさんはきっと、彼と一緒ならどこであっても幸せを感じられるのだろうと思います。
    ふたりのお互いを思う心が、苦しい世界の中でかがやいて見えました。突然の長文すみません……。読ませていただき、ありがとうございました……!

    作者からの返信

    相宮祐紀様、この長く辛い話を、最後までお読みくださっただけではなく、こんなに素敵な感想までくださりありがとうございます。相宮祐紀様のお言葉が、心の深いところに触れて、嬉し泣きしておりました。

    デュランはずっと、ずっと、ずっと、きっと物心ついた頃から薄っすらと、自分が生まれてこなければよかったと考えていたと思います。
    自分が生まれてこなければ、母親に経済的負担をかけることもなくて、母親が幸せに生きられたのではないか。そんな気持ちを彼は結局一生払拭することができませんでした。大切なものを全て失って、自暴自棄になった果てに、彼はしてはならないことに手を染めました。

    しかし、デュランが成したことは、悪いことだけではありませんでした。

    物語の冒頭、もしデュランが迷子になったアネモネに手を差し伸べて大通りまで導いていなかったら、アネモネは殺されていました。

    もし、最初からデュランに優しさがなかったら……最初から、人の命や尊厳を軽視して踏みにじるような冷酷な人間だったら、この物語は始まることなく終わっていたと思います。

    デュランは、自分の行ったことに対する報いを受けなければならなかったと思います。しかし同時に、善行の報いも受けてほしい……と願いを込めて書きました。

    アネモネは、直感的にデュランの優しさを感じていて、彼のそんな部分を好きになったのだと思います。デュランのことを、優しすぎるくらい優しいと形容してくださってありがとうございます。きっと、アネモネも同じように考えていると思います。

    この世界に、死後の世界という意味での『地獄』が本当にあるのかどうかは、私自身にもわかりません。しかし、いつか、いつか、二人が苦しみのない場所で再会できる日が来てほしいと私自身も心から願っています。

    素敵なコメント、本当に本当に嬉しかったです。ありがとうございます。

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    アネモネとデュラン
    この2人は鏡だったのかもしれませんね....

    怒りと憎しみにも
    事情がありました

    暴力という形で現さずには
    いられなかったデュラン

    デュランの『今』が希望あるものなら
    過去の意味は
    全てここにつながるもの、に
    変わったかもしれません

    アネモネはデュランの
    人間性を信じました

    デュランは最期には救われたと思います

    作者からの返信

    @kitakamakura様、ありがとうございます
    アネモネとデュランの二人は、対比になるように描くよう頑張りました
    アネモネのことを「天使」だと言ってくださる方がコメント欄にいらっしゃって
    ならばデュランは「悪魔」だろうと……

    デュランを生前に幸せな暮らしをさせてあげられなかった分、死の間際と死後は安らかであって欲しいと思いました

    デュランには幸せな子ども時代がほとんどなかった
    その怒りと憎しみと
    その裏にある大きな大きな悲しみを少しでも癒すにはどうしたらいいのかずっと考えました

    しかし、どう考えても癒し方はわからなかった、大きな痛みと傷跡を埋めるものが何かはわかりませんでした
    でも、ただ、寄り添いたいと、抱きしめたいと思いました

    全てを受け入れて愛すことはできないかも知れないけれど、それでもデュランのほんとうの望みや、彼の優しさは、大切なものだと思いました

    最後まで読んでくださって本当にありがとうございます
    デュランは、最期には幸せな気持ちを感じていたと思いたいです

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    報われない恋があります。少年は結局、運命から逃れられませんでした。
    しかし、二人が出会い、惹かれ合ったあの日の事は永遠に記憶されます。
    アネモネの心の中にはずっと、あの優しいデュランが生き続けるのでしょう。

    ー 第一話より ー
     女の子は、差し伸べられた手を見て笑顔を浮かべ、デュランの手を取った。女の子の手は温かく柔らかかった。
    「ありがとう。あなた、お名前は?」
    「デュラン」
    「わたし、アネモネっていうの。デュラン、よろしくね」

    ―― 感動の作品を、ありがとうございました。

    作者からの返信

    🌳三杉令様、本当に、最後まで読んでくださり、温かなお言葉をありがとうございます。第一話を書いた時、正直なところ全て書き終えられるという自信はありませんでした。Discordで感想をくださったり、反応をくださったりしたことがとても力になりました。ありがとうございます……!
    きっとアネモネは、生涯初恋の思い出のことを忘れることはないと思います。この文章を書いていた頃が、もうずっと前のように思えます。頑張れてよかったです。
    こちらこそ、応援してくださって、最後まで読んでくださって、温かなコメントも寄せてくださり、本当にありがとうございます。とても嬉しかったです。

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    とうとう完結……終わってしまいましたね……。
    アネモネは仕事から離れて、ふたりで生きることにしたんですね。
    彼女のこれからの人生が穏やかなものでありますように。

    作者からの返信

    奇蹟あい様、この物語を最後まで見届けてくださって、本当にありがとうございます。応援コメントにとても支えられておりました。ありがとうございます……!
    アネモネは、そうですね、ふたりで……生きることにしたと思います。もしかしたら、幼いデュランのように困窮した子どもを助けるための活動をするかもしれないし、家業を手伝いながら慎ましく過ごしたかもしれません。
    彼女の未来は、私自身にもわかりません。彼女の人生が穏やかでありますようにと祈ってくださってありがとうございます。私も同じ気持ちでいます。最後まで書き終えることができたのは、温かなお言葉のおかげです。本当にありがとうございます……!

  • 知らねえよ、って言うよね、普通‼️笑笑

    作者からの返信

    クライングフリーマン様、応援コメントありがとうございます!
    見ず知らずの迷子を助ける義理はありませんし、知らねえよって言いますよね……それでもなお、手を差し伸べる優しさ、のようなものを表現できていたらいいなと思います。

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    生まれながらに幸せになってはいけない人は居ませんが、生きていく中で、幸せな結末にたどり着けない道を進むことになってしまう人は居るものです。
    幸せって、平穏って、難しい……。

    彼の為なら持っている全てを投げ出してしまえる覚悟のアネモネと、何も持っていない中で彼女の存在だけが救いだったデュラン。
    二人が惹かれ合うのも、離れ離れになるのも、互いに忘れられずにいたのも、なんだか必然だったように思えます。

    いつかどこかで、二人が一緒に穏やかな時間を過ごせることを願って。
    完結お疲れ様でした。

    作者からの返信

    @kumehara様、ありがとうございます。
    すみません今、感極まって泣いてしまっていて、きちんとコメントが打てていないかもしれません。
    いつかどこかで……二人が一緒に過ごせたら……きっとそこが〝地獄〟でも、ふたりは幸せなのではないかと思います。ふたりが生きて幸せになるには、あまりにも多くの障害があった……。物語の可能性の中から、様々な枝葉を探り、概ねデュランと対話しながら物語を書き上げていったように思います。デュラン個人が楽に幸せになる道は多くありました。しかしそれは同時に、アネモネがひどく苦しむ道でもありました。デュランは、「アネモネに傷ついてほしくない、苦しんでほしくない」と言いました。私が「そのためなら何を犠牲にしてもいいの?」と問いかけると、デュランは頷きました。彼の意思があまりにも固く、アネモネの無事を最優先にして物語を書くことになりました。
    いつかどこかで……生まれ変わりでも何でもいいから、ふたりが一緒に穏やかな時間を過ごせること、私も願っています。労いのお言葉も、ありがとうございます😭🙏


  • 編集済

    シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    何を言ってもチープになるので上手くかけませんが、デュランの人生がもう少し平坦なものであればよかったけれど、でも二人の人生にはこの出会いしかなかったのならばこれでも良かったのかと思えるお話でした。

    誰も知らない地獄の中の、でも二人だけが知る希望のお話。

    お見事で本当に素晴らしい作品でした。

    作者からの返信

    東雲 晴加様、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます😭
    チープだなんてとんでもないです!
    お心のこもった感想とコメントに何度も救われて支えられてきました。ありがとうございます……!

    実のところ、書き始めて……第三話を書いていた頃、この物語の凄惨な部分を書き始める前、本当に悩んでおりました。ハッピーエンドにするなら四話を書いてはいけない、そう思っていました。
    事前に作っておいたあらすじ通りに進めるというその……罪深さのようなものを、ずっと抱えていました。第四話から第五話にかけての苛烈な展開は、今思えば、私自身にハッピーエンドを諦めさせるためのむごさでもありました。ここを描いたなら、最後までやりきるしかない。その覚悟と決意はあるつもりでしたが、実際のところ、本当に辛くて、何度も投げ出してしまいそうになりました。しかし、完結まで走り抜くことができました。応援と声掛けがなければ、途中で潰れていてもおかしくありませんでした。本当にありがとうございます。

    二人は、出会えて幸せだったのかどうか、わかりません。でも、私がアネモネとデュランの姿を思い浮かべようとすると、ふたりはずっと手を繋いでいます。たぶん、それが彼らの答えなのだと思います。
    素晴らしい作品を書いておられる東雲 晴加様にそう仰っていただけること、恐縮ですがとても光栄です。ありがとうございます🙏

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

     おお・・アネモネもあれから、艱難辛苦を過ごしていたとは。地獄の住人を愛してしまい、思い出にすがり、周囲からは誹謗を受けて。それでも折れずに、貫いた想い。恋愛という狂気。デュランの死に目を看取るという結末は、二人のココロが、苦難の日々を経てもなお繋がっていたから。これは奇跡ではなく、互いの強い意志が導いた、ある意味必然だったのでしょう。

     そして最後の、子守唄フルコーラス。人魚の泡沫の想いが、二人にシンクロして、じんわりした読後感を残します。流石です。

     まるで「戦時中に引き裂かれたカップルの片割れが、その時の気持ちを持続させて、新たな恋をしないままに一生を過ごす」を思い出しました。 
     戦前の「日本兵の妻が書いた手記」には、そうした記述が多いようです。純愛のカタチは、時代を経ても普遍性・不変性があるのかも・・と思いました。

    (最後に)
    「俺はいつもスケベ小説ばかり読んでるし、たまには別の毛色の作品を読もうかな」と軽い気持ちで読み始めたら・・予想外の衝撃を受けました。
     ですが、グイグイ物語に引き込まれ、闇に光が差し込むような、充実した読書体験が出来ました。完結お疲れ様でした!

    作者からの返信

    殉教@休眠中様、この話を最後まで見届けてくださり、また、応援コメントをくださり、そして素晴らしいレビューコメントをくださり、ありがとうございます。とても嬉しくてありがたくて、何度も何度も読み返しました。
    アネモネとデュランは、離れ離れになっている間、互いの気持ちを確かめる術を持ちませんでした。デュランは自分が愛されることなどないと冷静に考えながらも、アネモネのことを忘れられなかったし、アネモネも、デュランから忘れ去られている可能性を考えないわけではありませんでした。それほどに、二人が引き裂かれた時間は重く長かったと思います。それでも、想い続けたからこそ再会が叶ったと思っています。アネモネは間に合わなかったと思っていましたが、私は、間に合ったと思っています。

    デュランは、アネモネの為に形の残るプレゼントを贈る事が出来ませんでした。彼は何も持っていなかったから。しかし、幼いデュランが歌ってやりたいと思っていた子守唄の歌詞はアネモネに伝わって、アネモネは歌詞の全てを知ることができました。例え形には残らなくても、アネモネの心には強く残っていると思います。

    (すけべ要素全然なくて、かなりショッキングな展開も多くてすみません! ですが、殉教@休眠中様の貴重なお時間を割いて読んでいただけて、そしてこうして応援コメントを介して交流できてとても嬉しいです。ありがとうございます)

    充実した読書体験……ありがとうございます……!😭 労いのお言葉もとても嬉しいです。本当にありがとうございます!

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    なんて救いに満ちた、正常な物語なのでしょうか。
    闇は闇でも、燦然と輝いたあなたの闇は、
    最後まで品格高く美しく、バランス感覚を失わなかった。
    最高です。これからも、何度でも読み返そうと思います。
    一時の優しい夢を、醜さまでも受け入れてくれて
    見させてくれたことは、忘れられません。ありがとう。

    作者からの返信

    杷太倭 千惠佳様……ありがとうございます。バランス感覚について、本当にずっとずっと悩んでいました。因果応報、罪と罰、救いと祈り、そんなことをずっとずっと、ずっと考えていました。
    今回は、大枠だけ先に作っておき、一話一話に魂を込めて書こうと思って、敢えて細部を詰めずに書き始めました。予想以上に苛烈になったり、自然と湧き出した描写が光ったり、まるで生きている物語と対話しながら作り上げているようでした。
    品格高く美しく……もったいないお言葉です。御返事が思いつきません。杷太倭 千惠佳様のお言葉に、感謝と敬意を抱いています。

    私はずっと闇から目を背けていました。光っている方向にもがいて、もがいて、あがいて、光だけがあればいいと思っていました。でも、何度も何度も光に手を伸ばしても、届かない。自分の背中側にある闇に引きずり戻されてしまう。そんな感覚がありました。
    私は怖かった、闇を、自分の醜さを直視して、自分の全てが闇になってしまうことを恐れていました。しかし、でも、お友達の言葉がきっかけで、自分の闇に目を向けてみようと思えました。闇に近づいて、対話して、抱きしめてみれば……なんのことはない、闇も私の一部だったのです。だから、切り捨てることも離れることもできなかった……。
    私は、自分の歪みや、醜さ、闇をようやく見つめて、受け容れられた気がします。きっと、寄り添うことはできるようになったと思います。忘れないで、ずっと抱えて生きていく覚悟を決めたら、闇も私を助けてくれるものに変わってくれたような気がします。きっと、光と闇、どちらが欠けてもいけなかったんです。どちらも私だったのです。
    長文になってしまいすみません、曖昧な文章になってしまったかもしれません。でも、これが私の正直な気持ちです。
    最後まで見届けてくださって、ありがとうございます。

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    アネモネの心情に泣きました。情景が浮かんでくるような美しい文章に涙が出ました。
    素晴らしい物語ありがとうございます!

    作者からの返信

    蘇芳 様、最後まで見届けてくださってありがとうございます……!
    美しい文章、素晴らしい物語……そうおっしゃっていただけるとは……!
    恐縮しておりますが、とても嬉しいです。ありがとうございます🙏
    最終話の九割は完成していたのですが、投稿予定の日に風邪を引いてしまい、投稿が遅くなってしまって申し訳ありません💦
    アネモネ視点の話は……いつも難しくて、難航しておりました。話の構成にも悩んだ結果、アネモネ視点を最終話として持ってくる形にいたしました。アネモネは、デュランと対面しているときは彼の嘘を見抜くことができますが、交流が絶たれている間のことについては、調べるまで知りませんでした。相手の気持ちがわからないまま、それでも会いに行くと決めた彼女の決意には、とても勇気が必要だったと思います。アネモネがこれからどう生きていくのかは……私自身にもわかりませんが……幸せな思い出をたくさん持って、いつかデュランと語り合える日が来たらいいなと、思っております。最後まで読んでくださり、応援コメントもくださり、本当にありがとうございます……!

  • シアハニー・ラヴソングへの応援コメント

    デゥランが歌っていた子守唄の最後の二小節に涙が止まりません。

    繊細な心理描写に裏打ちされた美しい文章を、素敵な物語を、ありがとうございました……‼︎

    作者からの返信

    風宮 翠霞様……!
    本当に、本当にありがとうございます😭
    前話のコメント返信でもお伝えした内容と部分的に同じになってしまって申し訳ないのですが、本当に、スランプで苦しんでいた時に、風宮 翠霞様のお言葉をいただいていなかったら、この話は絶対に書けませんでした。
    この物語を締めくくるのに、一番ふさわしいことはなんだろうとずっと考えていて、歌詞の続きを考えようと思い至りました。遠い夜の果ての小さな波止場……というフレーズは、頭にふと浮かんできた情景をそのまま書き留めたものでした。

    デュランの母親は財産と呼べるものを根こそぎ奪われていましたが、デュランに歌ってあげた子守唄や、故郷の風習(指切りなど)の知識だけは伝えることができました。デュランの死後も、アネモネの心の中にはずっと残ると思います。

    物語の大枠の展開だけ決めて、詳細なところは書きながら詰めていったため、かなりアドリブを加えています。
    私が作った物語と言うよりも、キャラクター達と話し合いながら書いていった感じが強いです。
    最後の歌詞には、デュランや、デュランの母親、そしてアネモネの心情も重なるようにできていたらいいなと思います。こちらこそ、最後まで見届けてくださって、本当にありがとうございます。もちろん読者様や、応援してくださった方々にも感謝していますが、物語を書き始めようと思えたのは、風宮 翠霞様がいてくださったから、お言葉をくださったからです。お陰様で、完結まで頑張れました。本当にありがとうございます。

  • デュランが知っていることは
    母親の体験からの限られたことしか
    ないのだな と感じました

    その限りから
    精一杯の思いやりを示そうとした
    のでしょう

    自分がデュランの境遇に生まれていたら
    こういう事をしたろうし

    ネイサンなら、こうしたのかもしれません
    アネモネだったら、同じようにしたのかも...

    どの登場人物にも
    自分を見るような気持ちで読みました

    次で最終話でしょうか
    楽しみにしています

    作者からの返信

    @kitakamakura様、ありがとうございます
    そうです、デュランは、母親の苦しみを、一番間近で見てきました
    『ずっと愛しているよ』と言われて不幸になった母親の姿を知っていたから
    デュランにとって、『愛している』という言葉が最早呪縛だったのではないかと考えています
    何度問いかけても、彼は『愛している』という言葉を素直に口にすることはありませんでした
    できませんでした……

    幸せになってほしいと思っていても、幸せの願い方を知らなくて、突き放すような言葉しかわからなかったのかもしれません

    デュランは、ずっと閉じた狭い世界で生きてきて、『幸せ』というものが何なのか、本当はわかっていなかったのかもしれません

    それでも彼にできる精一杯の祈りをしようとしたのだと思います

    次の話は、彼の祈りに対する返答の話になります
    本来は今日投稿する予定だったのですが、若干体調を崩してしまい、客観的に文章を読むことができなくなっており、急遽投稿を取りやめて、もう少し時間を掛けて見直すことにしました
    きっと大きくは変わりませんが、できる限り悔いのない形にしたいと思っています
    ありがとうございます

  • デュランは自分が生まれたことが
    たくさんの人たちを苦しめた原因
    と思っているんですね....

    そうじゃないよ

    と言ってあげたくなりました

    作者からの返信

    @kitakamakura様、ありがとうございます
    このお言葉を読んで、泣いてしまいました
    悲しい涙ではなく、気持ちをわかってもらえたような気がして……感涙というか、嬉し涙というのか……
    私も、『そうじゃないよ』と伝えたかったのです

    だから……急遽、予定になかった番外編、HAPPY BIRTHDAYを入れました
    デュランの母は『デュランのことを不幸にしたくて産んだわけではない』と思ったからです

    すみません、ここに関しては、私自身うまく言葉を見つけられていなくて想像で補った部分が多くあります
    デュランが、HAPPY BIRTHDAYと祝われたことは確かにあったんだと示したくて

    デュランが生まれたことで、何もかもを不幸にしたわけではないんです
    ありがとうございます
    読んでくださって、感想をくださって、ありがとうございます

  • イミテイション・ヒーローから読み始めましたものです。
    前作はト書き、台詞回し、文脈、話の持ち回り、
    髄髄各所に白い光を感じました。静謐な白い空間に
    招待されたようで、「読み進めるのが怖い」と思ったのは、
    経験のないことでした。話が白く感じられるうちに
    粗読みになってしまい「この姿勢で読むのは嫌だ」と
    思い途中で目を止めてしまっていましたが、
    今回はここまでなんとか来ることができました。
    これが私の見たかったもの、いつからかはもう忘れてしまったけど、
    ありがとう。これを読める日をずっと待っていたような気がします。
    暗黒の燦然とした輝きの、最後の一筋をお待ちしています。

    作者からの返信

    @akaruihosi様、ありがとうございます。イミテイション・ヒーローを執筆するときは、きっと、私は光しか見ていませんでした。こうするべき、こうするのが正しい、こう生きることができるならそうするべきだ……息苦しいまでの眩しい光。今はそう思います(イミテイション・ヒーロー自体を否定するわけではなく、その時の私が強い光を求めていたということだと思います)。

    この話……シアハニー・ランデヴは、生まれて初めて、自分のために、自分にあてて書いた話です。自分の中の闇を、暗い感情を、自分の中に取り込むための儀式のようなものかもしれません。
    今まで拒絶してきた自分の中の暗い部分と和解するための話かもしれません。きっと自分でも全貌を理解しきれないまま、衝動のままに筆を進めました。

    そのため、予想以上に過激になってしまった部分が多くあり、公開を躊躇っていました。きっと非難される、きっと忌避されると思っていました。しかし、皆様、とても温かく受け止めてくださって、驚きました。
    @akaruihosi様、こちらこそ、ありがとうございます。言葉を重ねても足りないくらい、感謝しております。
    あと一話、補完となりエピローグとなる話は、本来は今日中に公開するはずだったのですが、若干体調を崩してしまい、客観的に読めなくなってしまったので急遽公開を取りやめました。ほぼ完成はしているので、体調が落ち着き次第近日中に公開いたします。ありがとうございます。

  • 初めてこちらの最新話を読んだ時、読後の余韻で何も言えませんでした。
    やっと落ち着いたので一話から順番に読みましたが、二回目読むと胸が更に締め付けられました。
    デュランとアネモネの純粋な関係を美しく思いつつ、格差あって別れを選び、完全に道が分かれてもアネモネのことを忘れられずにいるデュランの姿に涙が止まりませんでした。
    苦しい運命をたどったデュランが、最期にアネモネに会えたことに救いを見た気がします。

    作者からの返信

    蘇芳 様、本当に本当にありがとうございます。読み返してくださって……辛い内容の話数もあったのに、貴重なお時間を割いてくださり、本当に嬉しいです。この作品を大切に思ってくださったことが伝わって、うれしくて、胸が一杯になっておりました。どう言葉を返すべきかにずっと悩んでおり、御返事が遅れて申し訳ありません。

    デュランの恋心は、愛情は、きっと彼にとって、復讐や罪業と関係ない部分に或る純粋な気持ちでした。幼少期に訪れた望まぬ別れをそれでも愛ゆえに受け入れた気持ちのままでいたと思います。もちろん、矛盾する気持ちも持っていて、本当は会いたかったと思います。一緒にいられたら、他には何もいらないとも思っていたと考えています。しかしそのためには、デュランが〝天国〟に受け入れられるか、もしくはアネモネが〝地獄〟に住むしかありませんでした。しかし不法移民の子であるデュランが〝天国〟に受け入れられることはありません。ならばどうなるか、凄惨な事件が多く起こる〝地獄〟で暮らす他ない。ロザー・シェレフ地区でアネモネを守り抜くことは至難の業だったでしょう。デュランは自分の幸せよりも、アネモネの幸せを大事にしていました。
    私は何度も何度も問いかけましたが、変わりませんでした。『アネモネが傷つかず幸せに生きられる方が良い』と、何度も彼は答えました。だから、そのとおりになりました。

    彼が重ねた罪業が許されることはないと思います。しかし、彼が行ってきたのは悪いことだけではない、迷子になったアネモネの手を引いたことは、間違いない善行でした。あの日あの時、デュランがアネモネを助けていなければ、きっとアネモネは殺されていました。だからせめて、せめて、せめて……最期の最期くらいは……言葉を交わせてもいいはずだ、と、思いました。長文になってしまい申し訳ありません。彼の魂の純粋な部分だけでも、救われていたらいいと、思います。

  • もうなんも言えないや。
    涙で前が見えないんだもの。

    作者からの返信

    東雲 晴加様、ありがとうございます。私、この三連休の間、ずっと泣きっぱなしで、今、目がすごく腫れています。感受性のセンサーと涙腺が壊れて、泣きながら書いていました。ありがとうございます。とても光栄で、とても嬉しいです。デュランは、最期に、会えて、良かったと思います。本当に……間に合ってよかったと思います。

  • あの少女を助けたことがつながっていたんですね。
    最期に会えた。
    ずっと見続けてきた幻ではなく。
    いつかまたどこかで、2人が一緒にいられますように。

    作者からの返信

    奇蹟あい様、応援コメントありがとうございます。もし、あの少女を助けなかったら、アネモネの決断が遅れ、デュランの死に際に間に合わなかったと思います。デュランは、最期の最期まで、アネモネを愛していないと嘘をつきました。嘘をつくことでしか、愛を示せなかったのだと思います。アネモネは、そのデュランの言葉が嘘だとちゃんとわかっています。
    あの少女を助けたという因果が巡り巡って、デュランの最期にアネモネを間に合わせることができました。犠牲を払ってでもあの少女を助けるかどうか、何度もデュランに問いかけました。デュランの答えは、何度聞いても変わりませんでした。デュラン自身の中にあった、愛と呼べるかもしれない感情が、アネモネとの縁を最期に手繰り寄せたのだと思います。会えてよかった、と、私も思います。

  • 昔からある問いかけに「悪人の生命は、さっさと無くしてやるべきか。それとも生き延びさせて、更に罪を重ねさせるのか」というものがありますが。
    デュランだって、善行も悪行もしましたし、救った人も、救わずに殺した人もいます。人の行動は複雑で、勧善懲悪で決められることは、思ったよりも少ないのでしょう(ウクライナ戦争のように、どちらにつくかを決断して、動かざるを得ない事はあります)。
    そんな「善の一面」に対応した因果が、最愛の人・アネモネとの再会だと思います。

    アネモネの言葉「あなたの悪行を知っても、嫌いにはなれなかった!」は本心でしょう。ある作家の言葉「恋愛は条件闘争ではない。条件を飛び越えた狂気である」を思い出しました。
    結婚相手選びは、その条件(年収・顔の良さ・職業・学歴など)を吟味する条件闘争。でも恋愛は、一度好きになったら、そんな事は気にせず、狂気で突き進むもの・・という意味です。
    デュランの暗黒面に戸惑いながらも、彼の人格や、魂そのものまでを愛したアネモネ。死の間際、極限状況にこそ、真の純愛を見ました。
    打算で結婚する人ばかりの昨今、純愛があるのは天皇と皇室、そして物語の中だけだと思いました。

    悲しみの中に、一条の愛の光を。作者さん、相変わらずお見事です!

    作者からの返信

    殉教@休眠中様、素晴らしい応援コメントを贈ってくださりありがとうございます。生きるうえで、どんな状況下でどんな環境であっても常に善を成し続けるというのは、とても苦しく、難しいものだと思っていました。痛めつけて追い詰められて憎しみや羨望に灼かれてなお、善のままでいられるのかどうか。善とは言えずとも、悪に堕ちずにいられるのかどうか。それを自分自身に問いかけるための話でもありました。デュランは、心の箍を外して、悪の道に染まったらどうなるかという側面と、純粋な好意と人間的な感性を併せ持つ存在として描くことに注力しました。デュランのしてきたことは罪深く、生きて幸せになる道は最早ないと思いました。それでも、彼の生まれた意味がなかったわけではない、彼の成した善行や善意までもを否定したかったわけではない、そう思って、この話を書きました。
    この作品の多くの時間は、ほとんどヒューマンドラマといえばいいのか、人間の罪業と因果について描いていました。
    しかし、投稿したカテゴリーは最初から『恋愛』でした。この物語を構想し始めた最初から、『恋愛』でなければ、この物語の主人公に最期の救いを用意してあげられないと思っていたからです。デュランがアネモネを忘れられなかったように、アネモネもまたデュランを忘れることができませんでした。
    論理的に考えれば、大罪人であるデュランを愛するということは理屈にかなっていません。それでもなお、彼に寄り添うことができるとしたら。理屈抜きの感情を強く込められるテーマとしては、恋愛が最も相応しいと思いました。矛盾と清濁を併せ持ちながらも、それでも生きていく、そんなことを、描きたいと思っていました。感想をいただいて、涙しておりました。本当にありがとうございます。

  • 嗚呼…………泣きます。泣きました。
    こんな美しい物語が綴れるようになりたい……。
    なんといったらいいのか、胸が締め付けられるような感覚を覚えました。
    生命の力強さと儚さが同居している、繊細な心理描写と風景描写が素晴らしい作品だと思います。泣きながら、デュランとアネモネが来世でいいから幸せになれますようにと願わずにはいられませんでした。
    ほんと感想下手ですみません、お邪魔しました。


    作者からの返信

    風宮 翠霞様、素敵な感想ありがとうございます。悩み惑いながら書いている部分が多くあり、投稿ボタンを押した直後は、不安でいっぱいでした。そんな中、応援コメントをいただけて、心がやすらぎました。本当にありがとうございます!
    美しい物語とおっしゃってくださって、光栄です。いただいたコメントを読みながらずっと泣いていて、お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。繊細な心理描写と情景描写とお褒めの言葉をいただけて、とても嬉しいです。元々、情景描写には苦手意識がありましたが、この作品を通じて少し成長することができました。初期から読んでくださって、辛い展開のあとも読み続けてくださって、本当にありがとうございます。この話は、風宮 翠霞様が、いつか近況ノートのコメントで『自分を救う話を書いて見たらいいのではないでしょうか』とおっしゃってくださったことから、生まれました。この話は、私が私のために書いた、最初の話になりました。風宮 翠霞様がいらっしゃらなければ、ここまで書くことはできませんでした。本当に、本当にありがとうございます。


  • 編集済

    心に沁みすぎて多くは語れませんが、デュランは最期にアネモネに救われたような気がします。もし生まれ変われたらアネモネと人生を歩んで欲しいです。

    作者からの返信

    🌳三杉令様、ありがとうございます、本当に感想いただけてうれしくて、泣いておりました。きっと、救われたと思います。最期の最期になってしまいましたが、ずっと会いたかった人に会えて、言葉を交わせて、本当に良かったと思います。もし生まれ変われたら、何のしがらみもなく、ふたりが幸せになれることを願います。ふたりは言葉に出して「さようなら」と別れを伝え合うことは出来ませんでした。
    私自身も、さようならという言葉は書けませんでした。だから、どこかで、また巡り合うこともあるのかもしれません。ありがとうございます。

  • マフィアの幹部たちに殺されることなく生き延びたのは、デュランの運命がネイサンのことを待っていたのでしょうかね。
    これまでおこなってきた数々の行いがすべて許されたわけではないと思いますが、母のための復讐だけは許されたと、デュランには思っていてほしい、そう願います。

    作者からの返信

    奇蹟あい様、応援コメントありがとうございます。マフィアの幹部たちに殺されることなく生き延びたのは、そうかもしれないとも言えるし、そうでないかもしれません。

    個人的には、(デュランが殺した)マフィアのボスが、生前デュランに目をかけていたからこそ起きたことだと考えています。デュランは、重要な情報を与えられていたことで、ある意味、守られていたのです。死してなお残る先代ボスの影響力に。デュラン自身がそれに気づいているかどうか、マフィアの先代ボスにそんな意図があったかも含めて、曖昧なままにしておきたい部分もありますが、解釈の一つとしてはあり……だと思っております。

    これまで行ってきた数々の行いは、決して許されてはいないと思います。デュラン自身、自分が行ってきたすべての罪を正当化できていなかったのではないかと思います。目を逸らすことすらも、きっと充分にはできていなかった。
    人間はたぶん、合理的には生きられない部分を多く抱えているから人間なのではないか……と思います。それをうまく表現できているかわかりませんが、必死に書いています。
    デュランは消極的であろうとも、生きることを、自分で選んでいました。その理由を次の話で描けたらいいと思います。あと2話で完結します。がんばります。

    編集済
  • うーむ。相変わらずのハード展開、でも面白い。
    いくら悲劇的な過去を背負ったデュランも、(復讐を正当化しきれなかったし)因果応報の運命からは逃げられなかった。それでも「自ら死を受容」「銃殺という、まだマシな死に方」というのが、僅かに良心的だと思いました。
    現代日本は「悪い奴ほどよく眠り、責任の所在も曖昧」が状態化しているので、この因果応報のスラムにこそ(逆説的な)「公正さ」があると思います。

    もう一つ。「復讐という行為に意味はあるのか」。法が復讐(私刑)を禁じているのは、専ら治安上の都合によるもの。復讐の価値は個人の主体性、そして実存の問題である・・というのが、デュランの問題提起だと思いました。
    現実にも「同情の余地もあるテロ」「同情できない、100%害悪のテロ」が両方あります。

    作者からの返信

    殉教@休眠中様、貴重なお時間を割いて読んでくださり、応援コメントも寄せてくださりありがとうございます。「公正さ」については、可能な限り因果応報が廻るように書いているつもりです。せめて物語の中でくらいは、因果応報があってほしいと思っています。良い因果も悪い因果も巡るようにしたいです。

    復讐の是非については、私自身何ともいえないところがあります。復讐してやりたいと思うことはあります。しかし、それを行ってしまえば、ペナルティや罪業、後悔は必ず付いて回ります。そして復讐を実行してしまえば、復讐をする前の精神状態や状況には決して戻れない……(少なくとも私の場合はそうだと思っています)。
    私は、自分にとって何が大事なのかを天秤にかけた結果、『復讐はしない』ことを選んで現実世界を生きています。

    難解な内容に関する議論ができず、確固たる理論や意志があるわけでもなく、申し訳ないです。
    しかし、私の感じているありのままを書くことで、せめて精一杯の誠意だけでも示したいと思います。

    この物語は、私が初めて、私自身のために書いている話です。復讐(私刑)をするというのはどういうことなのかを自分自身に問いかけるために書いています。私がこれから生きていくにあたって、私にとって一番大切なことはなんなのだろうか……ということを、物語上で悩み苦しむデュランに重ねていました。

    現時点での結論としては、復讐(私刑)を全肯定するような話にはしたくないと思っています。かといって、全否定がしたいわけでもなく……中庸で揺らぎながらも、考えることをやめないでいたいと思いながら、この話を書いております。長文になってしまい申し訳ありません。素晴らしいコメントを寄せてくださり、本当にありがとうございます。

  • 世の中の不条理や切なさ苦しみ、いっぱい詰まっているけれど、デュランにしかわからない救いもひとかけら入っていてとてもよかったです。

    デュランがほんのひとかけらだけでも救われた事はデュランと読書にしか分からない所が切なくも良きです。

    作者からの返信

    東雲 晴加様、応援コメントありがとうございます。Bottom〜で敢えて触れていなかった、デュランがあれほどまでの凶行に出た理由の一端に、少し触れることができました。デュラン自身、認めたくなかったとは思うのですが……デュランは、本当は、父親のことを、心の底から憎みきっていませんでした。自分にとって完全に不要な存在だと思っていたなら、母の敵討ちだけが目的だったのなら、拷問などせず拳銃で一発でした。しかし、デュランは時間をかけて、父親との時間を過ごしました。
    デュランの中には、どうして愛してくれなかったのかという父への愛憎がありました。デュランが歌っていたハッピーバースデイの歌も、本当は、デュランが両親から歌ってほしかったものです。

    もし、デュランの母が生きていたなら、病気から回復してくれたなら、何も悪くないネイサンのことを慮って、復讐はしなかったと思います。そのルートなら、兄弟が仲良くできる可能性もあったかもしれない……と思いながら書きました。ありがとうございます。

  • う~む。これは想像を超えた神回ですね✨✨✨
    デュランの最期(?)がナチュラルにもっとも痺れる形で丁寧に描かれています。
    夢とはわかっていても、アネモネとの幸せなシーンが見れてとても満足です😊
    読者の切ない気持ちを回収してくれました。

    作者からの返信

    🌳三杉令様、ありがとうございます……!
    今回の話は、大筋こそ決まっていたのですが、物語の構成に悩み、かなり時間がかかってしまいました。かなり悩みに悩んだ内容だったので、神回とおっしゃってくださってとても安心しました。この物語を書き始めた構想当初から、弟ネイサンと相まみえる展開は決まっていました。
    アネモネとの幸せな結婚生活(夢)シーンについてですが、実際、何もかもが奇跡的に上手くいって、二人が結婚できていたら、たぶん本当にあんな感じだったと思います。アネモネはあまり器用ではないので、よく料理を焦がすけれど、デュランはそれを美味しそうに笑って食べるという……。もし悲劇が起こらず、アネモネと一緒にいられたら、遠からずデュランの味覚障がいは改善していたと思います。デュランの物語はあと一話、最後にアネモネのエピローグでもう一話で、物語は終わります。続きもがんばります。

  • 人を知るとは その人の人生の一部を知ること

    この話のデュランしか知らない人は
    ここまでのデュランを知らない....
    こんなに残酷な人だとしか

    同じように このボスにも子ども時代は
    あったのでしょう

    登場人物すべてが ....
    デュランの父親の家族にも

    例えば デュランの異母兄弟にも
    父親が変わり果てた姿で戻ってからの
    人生があるのだと思います

    視点を変えて他の人物を主役にすると
    また 全く違う物語のように見えるでしょう

    私たちの人生も
    同じように 登場人物すべてに
    子ども時代から晩年までの物語があり

    しかし交錯した限りでしか
    互いを知らないのだと 感じます

    でも、知っていると思っている
    限りを精一杯生きるとは
    そういうことですね....

    作者からの返信

    @kitakamakura様、ありがとうございます。
    感想をいただいてから、どうお返事をしたらいいのか、ずっと悩んで、迷っておりました。
    自分の浅い内面を見透かされてしまうのではと、怯えがありました。

    しかし、取り繕っても変わるわけではないと思い、思ったままを綴らせていただきます。

    ボスにも、過去がありました。彼が暴力をいとわなくなるだけの過去が。マフィアのボスに成り上がるための苦労が。しかし、デュランにとっての逡巡の末に、彼の命は奪われてしまった。ボスには人間味がないわけではありません。人並みの感性がなかったわけでもありません。彼もまた壊されてしまった人のひとりでした。だからといってすべてが許されるわけもなく、ここでデュランに殺されなくとも、いずれ誰かに命を狙われていたでしょう。その人生の厚みを、積み重ねを表現できるような作家に、なりたいです。

    そして、デュランの異母兄弟のネイサンは、次の話で出てきます。デュランが幸せな家族に対して与えた苦痛が、どのような結果をもたらすのか……精一杯、取り組みます。読んでくださって、また、感想をくださって、ありがとうございます。@kitakamakura様のお言葉を、何度も噛み締めて、繰り返し読んでおります。

  • Bottom of the HELLへの応援コメント

    嘘を重ねた男と、罪を重ねた男。


    二人の血は繋がっていた。、

    作者からの返信

    愛田 猛様、この……えぐくも重たい話を読んでくださって応援コメントもありがとうございます。ご負担が大きかったのではないかと思います。ご無理をなさらないでください……。

    デュランとデュランの父は、どちらも嘘つきです。デュランは痩せ我慢や、強がり、どちらかと言うと他人のために嘘をつきます。

    デュランの父は自分のために嘘をつき、しかもその嘘に罪悪感を持たない精神性です。
    デュランの父は、様々な女性を騙しているため、デュランやデュランの父が知らないところに血脈は広がっているのかもしれません。
    ……この時点で、デュランはもう後戻りができない状況になってしまっております。彼がどういう終わりを迎えるのか、描き出せるように頑張ります。

  • アネモネだけがデュランの中に残る最後の人間味ですね……。
    しかし、助けてくれて子供のようにかわいがってくれたボスが……。
    またとてつもなくつらいものを背負ってしまいましたね。
    逃げないといけないのかなあ。

    作者からの返信

    奇蹟あい様、コメントありがとうございます。
    ボスは、デュラン視点では、そう悪くない、人情や愛情すら感じる父親のような人物として意図して描いておりますが、ボスもまた、罪深い人間です。

    彼も彼の人生があり、彼も彼の選択をして、今の立場にたどり着いています。彼なりの理論があり、彼なりの美学があり、彼なりの理想がきっと、あったのでしょう。ボスもまた、環境の被害者という側面を持っています。

    しかしそれは、彼の語る理想は、多くの人生を踏みつけて壊さないと成立しない偽りの楽園でしかありません。仮にボスの理想(〝天国〟より美しい場所を作る)が成立したとしても、それは恐怖政治での締め付けにすぎず、ボスが死んだ途端元通りになって終わりです。

    犯罪組織に属するということを、人を傷つけ続けて生きるということを美化したくない……どれだけ美辞麗句で飾り立てようと、一見、どれだけ崇高な願いに見えようとも、魂からの叫びであろうと、その本質は変わらないんだと思っています。
    ボスは、デュランのIFの姿です。
    もしデュランが人間性を完全に失っていたら、どうなっていたか……。きれいなものを夢見て縋ったとしても、そのための手段が人を傷つけることしか取れなくなっていたら……結果、どういう末路を辿るのか。

    綺麗事であることはわかっています。でも、せめて物語の中でくらい、人を傷つけてはいけない……人を傷つけないという選択は正しいんだ、大切なんだ、傷つけないでいる人はすごいんだと叫んでいたいと思いました。