第64話:燃え尽き症候群、その前に潰す。
「OYS、モード『
「僕にも同等以上の伝説武器を召喚」
———パァン!!
武器同士がぶつかり合った音とは、全く想像出来ない程に渇いた衝撃音が爆ぜて、空間を揺らす。
ファントムシリーズとしては太刀型という、異端な様を用いた『
それに太刀打ちできる存在といえば、
「可愛い武器だね、お名前は?」
「妖精剣シャスティフォル。元は巨大な槍の穂先だったらしいけど、どこかの
「えぇ………可哀想なんだけど………」
そのまま二合、三合と衝撃が舞い、互いに膂力を確認し合った後、人工太陽が吐いたブルースクリーンの光の帯越しに牽制しあう。
「ようやく本調子みたいだね。あの実力でどうやって
「あぁ、さっきまで妹二人と喧嘩しててな。長女としては気が気じゃなかったのさ」
解離しかけていた
「『延々』」
「僕には届かない」
無限を断ち裂く偽り無き切っ先が、喉笛を捉えようとした寸前に阻まれて消える。
―――身体に残る
「モード『黒穴:
「吸い込まれそうな見た目だね」
有を反発する黒色のホワイトホールが、全くの同座標に相対するブラックホールを召喚されることで対消滅してしまった。
―――胸に過ぎる、終わらせられなかった
「……………」
「もうネタ切れ?」
—————1人だけ解放された俺を妬む量産型の意思、その全てが、置いて逝ってしまった
「オルター、ここは1人で大丈夫だ」
「———了解した。動けるものは良く聞けッ! 今から地上に出るぞ、楽園内部のごたつきを勘繰った帝国が総力を持って攻めてくる! 既にLicaシリーズの解放は済ませたからな、彼女たちも戦力だと思えッ!!」
「—————行ったか」
「……………そんな、覇気の無い顔で、僕を殺せると思ってんの?」
どうやら、俺が意識する以上に気が抜けているらしい。しかしどうしても、指先がふわふわして目の焦点が定まらない。
凍り付くような寒気が伝えてくる。この身体はOYSに貪られ、とっくのとうに限界を迎えているのだと。
「………全然駄目だな。ここまでお膳立てされても、一切勝てるビジョンが浮かばねぇ」
「だろうね、万が一僕に勝ってもそのまま死にそうだもん」
意識無くとも、転生してから百十数年は生きただろう………でもまだまだやりたい事があるんだ。
—————
「負けても死なない、絶対に生き延びてやる」
「逃げ切ればお前の勝ちってことね、それで良いよ」
紫煙で擦り切れた肺が疼き、後悔しか存在しない全身に血が通う。
「来いよ、
普段なら煙草で埋まっているはずの右指先で、宣戦布告を促す。
「どうもありがとう、
スターターなんていらない、ホラ貝みたいな腹の底から響く合図だって、無くていい。
((全力で
———その意思だけで、タイミングは噛み合う。
「加速しろ、俺だけの世界………『
「開け、僕の為だけの空間………『
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