あさひ、煌めけ。

天照うた @詩だった人

第1話

「あなたの寿命は、残り一年です。」


――ああ、そうなんだ。

別に、悲しくなかった。

私は、未練なんてないもの。

この世界、全部モノクロに見える。

「叔母」が涙を流している。「医者」が苦しそうに下を向く。

わたしにとって、この世界はゲームみたいなものだ。

この人は、「叔母」。私を世話してくれる。

この人は、「医者」。私を治そうとしてくれる。

あの人は、「病人」。同じ部屋で暮らしてる。

そして、私は「夜船 朝姫よふねあさひ」。

――「宝石病」の高一。

この世界は、つまらない。別に死んだっていい。

死んだらこの体が消えるだけ。ゲームが終わるだけ。

……ひとつの病によって。


「宝石病」は最近見つかった奇病だ。

身体中の水分という水分が全て宝石になってしまう病気。

治し方は、分からない。

病気にかかった人はただただ死を待つだけ。

別名を「世界でいちばん美しい病」。

かかった人が人生の終わりに悲嘆するのをよそに、

世間は綺麗、美しいだなんて。

なんて無責任、なんて冷酷。

世界はいつも残酷だ。

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